§だから・・・11 | なんてことない非日常

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《(調子に)乗っているので連日でアップです》


§だから・・・11



case:11 現実





 「本当にいいの?最上さん」



なんだかぼんやりしているキョーコに体中を指でなぞられて平気でいられるわけがなかった。


始め、提示した内容に頷いてくれたことについ嬉しくなって笑ってしまったけれども思った以上にしっかりと触られ始めると理性の箍が外れてしまった男はそのままキョーコを床に押し倒してしまっていた。


それでも微かに残っていた理性が、なし崩し的に襲ってしまっていいのかと問いかけてくるので仕方なくキョーコに再度確認した。


けれど、キョーコは手の動きをやめることなく蓮に返事もしてこなかった。



「っ!・・・・」



わき腹をなぞられて、腰に甘い痺れがくるとなけなしの理性は遥か彼方に消え去った。


同じようにキョーコの脇を服の上からなぞると、背を少し仰け反らし鼻にかかった甘い声を出し始めた。



「っん・・・・」



その隙に背中に空いた空間に手を滑り込ませて、窮屈なブラジャーのホックを外してやる。



「・・くすぐったい?君の手の動きと同じことしてみたんだけど?」



そうしながらそんなことを言ってみる。

すると、キョーコは聞こえてるのかボーっとしたままコクリと頷いてきた。

それに気を良くして、ブラジャーを外した手を下ろして行きキョーコの膝にたどり着くとその内側と内腿を押しなぞった。



「んっん・・・」



「こっちもくすぐったい?」



キョーコの頬に赤みがさしてきているのがわかる。

目も潤んできて、苦しそうに眉間を寄せたり足をもぞもぞと擦り合わそうと蓮の体を挟むとこに蓮はさらに欲・情を駆り立てられた。


「っふぁっ・・・・」



しかもこんな声を上げられては・・・。



(俺も念願が叶ったよ)



愛しくて仕方ない相手との濃密なやり取りほど心を満たすものはない。


さらりと栗色に染まった髪を梳くと、キョーコの体がまたピクリと跳ねた。

そんなキョーコに蓮は気持ちを吐露した。


「好きだよ・・最上さん」



その言葉を落とし、ぷっくりと熟れて美味しそうな唇をいただこうと徐々に近づいていくと突然



「うえっ!!!?」



とキョーコが叫んだ。



「え?・・・上?」



思わずその体勢のまま上を見上げるけれど、そこには白い天井しかない。

しいて言えば少し頭上から離れたところにライトがあって、見上げるとそれで少し眩しいくらいだ。

目を細めて確認しても何も確認できない。

蓮は折角の雰囲気を壊さないように、キョーコに向き直った。


「上に何もないよ?」



微笑みながら仕切りなおしのようにもう一度先程の言葉を口にする。

一度言えたら、今まで何でちゃんと言わなかったのかと思うほど簡単に口にすることが出来た。


「好きだよ・・最上さん・・・」



もう、堪えられない衝動のまま御預けになっていたキョーコの唇に迫ろうとした瞬間。

絶叫と風が起こった。


「ほっギャアアアアアアアアアアああああああああ!!!!!!!!」



ばびゅんっという音と共に今まで蓮の下にいたキョーコはなぜか部屋の隅っこにいて、蓮は独り四つん這い状態で取り残された。



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」



瞬間移動?と現実を受け止めるのに時間がかかるほど物凄いスピードで逃げられたショックは大きかった。



「え?・・・最上・・・さん?」



上半身裸で、しかも軽くズボンのホックも外れている状態の男と衣服の乱れに半泣きで部屋の隅で縮こまる少女。

今、この場に二人だけでよかった。
と、誰もが思う状況なのだが本人達にはこの温度差を説明する人物が必要だった。


(え?なんで!?どうしてこのタイミングで逃げるんだ!?)



(いやああああ!!私はなんてことをおおおおおっ)



収拾付かない状態で、時計の針は3時を回ろうとしていた。





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《そうだ、これ苦悩シリーズだったww・・・・ということを思い出しました》