《調子に乗って続いていますw
苦悩シリーズ・・・のはずです》
§だから・・・・5
case:5 本当に偶然?
思いがけず、ドレッシングを勢い良く頭から被ってしまったキョーコを自宅のお風呂に入れることができた蓮はせっせとキョーコがぶちまけてしまったドレッシングを片付けていた。
しかし、ピクリと何やら感じ取った蓮は片付けもそのままで立ち上がると徐にクローゼットに向かい真新しいスウェットの上下を持ってキョーコが入っているバスルームに向かった。
キョーコが入ってからまだ10分も経っていない。
普通なら上がっていないはずなのだが・・・。
蓮が脱衣所に着替えを置こうとあけた瞬間、既にお風呂から上がってバスタオルを巻いたばかりのキョーコと出くわしてしまった。
「!!わあっ!?ごめん!!」
「きゃああ!!」
キョーコの叫び声で逃げるようにドアの外に身を隠した蓮は、着替えを持った手だけ脱衣所に差し入れた。
「本当にごめんっ!!まだ、上がっていないと思ったから・・・これ、着替え・・・まだ使ってないヤツだから・・」
「あっ・・ありがとうございます!!」
服を取られ、軽くなった手を引っ込めるとキョーコによって扉はパタリと閉められた。
扉前からスゴスゴとまた片付けに戻った蓮は、まだ髪から湯が滴り上気した肩に落ちる光景と驚いて目を見開くキョーコが湯上りの上気した頬でこちらを見ている映像を思い出し頬が緩むのを止めることができなかった。
(バスタオル一枚の姿も可愛かったな・・・・)
健全な成人男性、敦賀 蓮。
デビルイヤーで、防音が各部屋でしっかりなされている高級マンションの中ですらキョーコがお風呂から上がった音を聞き分けてそ知らぬふりで脱衣所に乱入できる恋のためならなりふり構わない男・・・。
いや、欲望に忠実な健全成人男性・・・敦賀 蓮だった。
end