気温が40℃を越える首都エレバンを離れたいというアルメニア人ガイドさんの希望(笑)に
より、標高約2000mの高地にあるコーカサス最大の湖であるセヴァン湖へ避暑に向かう
ことになりました。リゾートということでガイドさんも朝からテンション高いです。
首都より標高がかなり高いので、気温も25~27℃くらいと適温です。
キレイに整備された道路を100km/h近いスピードで飛ばして約1時間30分、セヴァン湖に
到着です。
深さは最大で82m。長さは100km近い巨大な湖でクルーズも人気です。
2000mの高地ということもあり、水温は20℃以下で日本人にとっては寒いくらいです。
アルメニアでは水泳の授業は無いそうで、泳いでいる人はほとんどいません。
皆さん水浴びしているか、大人でも浮輪でプカプカ楽しんでいます。
一番テンションが高いのはガイドさんで、浮き輪で湖に入りっぱなしです。
淡水なので岸に上がってから塩でベタつくこともありません。
(左)岸ではキャンプをしたり、シャシリクパーティー(アルメニア式バーベキュー)をしたり
避暑に来たアルメニア人の家族が楽しんでいます。
シャシリクの仲間に入れてもらいたいところですが、我々はレストランへセヴァン湖の
名物であるマス料理を食べに行くことにします。
(右)湖畔に立つ9世紀の修道院 とっても渋いです。
個人的にはエチミアジンよりもこちらの修道院のほうが好みです。
(左)湖畔のカフェにてアルメニアコーヒーで一息。
アルメニアとグルジアはコーヒー文化圏。トルコと同じ粉が沈殿するタイプ。
飲み終えたらカップの底に残った粉をソーサーにひっくり返して占いをする習慣があります。
コーカサス3国では唯一、イスラム国のアゼルバイジャンだけが紅茶(チャイ)文化圏です。
(右)セヴァン湖のバス停にて。エレバン行きの旧ソ連製ボンネットバス
(左)(右)セヴァン湖に来ていた旧ソ連製の自動車 ラダの古いタイプももバリバリ現役。
さて、セヴァン湖名物のマス料理(後日更新)を食べ終えた頃、ドライバーさんの携帯に
緊急の連絡がありました。何とドライバーさんの家に白昼侵入盗が入ったらしいです。
ということで、ドライバーさんの家へ急行することになりました。
穏やかなドライバーさんも携帯で怒鳴り散らしながら120km/h以上の猛スピードでコーカサスの
高原地帯を飛ばします。こんな時に放牧されている牛や羊の群れが道路に飛び出したり
したら大事故は免れないのでヒヤヒヤします。
ただ無事にドライバーさんの家に到着するのを祈るのみです。
途中、所々で旧ソ連製の大型車(カマズやヤズ)がノロノロ運転で道をふさいでいますが、
そんなの構わず追い越して行きます。
こんな状況でもガイドさんはスヤスヤと助手席で眠りにつき、いらついたドライバーさんに
もたれかかって肘鉄をくらっていました。それでも起きないところが凄い。
1時間でドライバーさんの住む地方都市に到着。
自宅はソ連時代のアパートの4F。老朽化したエレベーターはガクンという衝撃と共に4Fに
つきました。ドライバーさんのお宅はアルメニア警察の実況見分が始まっているので、
私たちは最初に窃盗に入られた(未遂)という近所のお宅のソファでアルメニアコーヒーをいただき
ながら待つことに。犯人はドバイと交易のあって比較的お金がありそうな?ここの家を狙ったよう
ですが、鍵が壊せなかったので隣のドライバー宅に押し入ったそうです。
警察の実況見分が終わったところで、ドライバーさんの家へ。
室内は相当荒らされていたので、ドライバーのお母様が落胆していたのが気の毒でしたが
被害額は少なかったのが幸いでした。
治安のよいアルメニアで侵入盗なんて珍しい事件だそうです。
早く犯人が捕まることを祈ります。
さて、事件が一段落したのでエレバンのホテルまで送ってもらいました。
標高800mのエレバンは夕方なのに35℃の猛暑でセヴァン湖から帰って来るとその落差に
立ちくらみしそうです。エレバンは21時頃まで明るいので、もう少し涼しくなってから街に
散歩に出かけることにします。疲れたのでひとまず昼寝です。