欧州のLCC ライアンエア搭乗記 FR9334 BTS-PSA | 世界の食卓  グルメ探求の旅

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エアラインスタッフの食べ歩き日記

欧州の格安航空会社(LCC)の代表格ライアンエア(アイルランド国籍・本社ダブリン)で

スロバキアの首都ブラチスラヴァからイタリアのピサまで飛びました。


運賃はたったの32ユーロでしたが、荷物や機内食、毛布など付加運賃が高いことで

有名です。


ライアンエアFR9334  ブラチスラヴァ→ピサ


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ライアンエア B737-800 (ピサ空港にて)

背後にはピサへ乗り入れる唯一の長距離路線であるデルタ航空JFK便が見えます。



まず予約はライアンエアのWEBサイトにて(英語)。

入力事項や注意事項が多く、非常に手間暇のかかるブッキングでした。
機内持ち込み手荷物は15kgまで1個15ユーロ。WEBでエレクトリカル・バゲージチケット

を購入します。(当日空港カウンターで係員から購入すると1個35ユーロです)

そのほか、優先搭乗や毛布も有料ですし、任意で遅延や欠航の補償のために保険の加入も

勧められます。


さらに4時間前までにWEB上でセルフ・チェックインをします。(セルフなのになぜか手数料徴収)


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チェックイン済みなので当日はライアンエアカウンターで手荷物だけ預けます。

但しNON EU市民はカウンターでビザ・チェックをしてもらい、右の写真のようなスタンプが

必要で、これがないと搭乗不可です。

(カウンター職員が慌てて事務所にスタンプを取りに行ったところをみると、EU以外の乗客は

よほどいないのでしょう。)


乗客はオーストリア人、イタリア人が多く、他にスロバキア人や夏のバカンスに出かける

様々な国籍のEU市民でした。スロバキアのブラチスラヴァはオーストリアのウィーンから

50kmしか離れていないので、ウィーンの第二空港的な役割となっています。

着陸料も安いので、こういった格安航空会社が集結しているわけです。


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搭乗は皆さん殺気立って我先にタラップを駆け上がります。自由席ですからね。

シートにリクライニング機能はありませんしシートポケットも廃止。

安全のしおりは座席に張り付けてあります。




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離陸後には毛布や機内食販売が始まり、免税品販売(左の写真 リストは何とパンフの

コピーを配布)と延々と大音量でセールスのアナウンスと乗務員からの売り込みが続き

少々ウンザリしてきます。まあ格安ですから仕方ないですね。


さて、離陸後1時間20分でピサ上空ですが、なかなかシートベルトサインが点灯しません。

なんか様子が変です。窓の外には他のライアンエア機が旋回しており、我々の機もピサの

空港上空を旋回してます。


そこでキャプテン・アナウンス。

「えーっ、皆様、ピサの空港が閉鎖されましたのでこれから20分ほど旋回します。」

機内がざわつき始めました。閉鎖の理由について「due to some exercise」とキャプテンは

説明していたので多分、軍事演習か何かでしょう。(ピサは軍民共用空港)

20分後「さらに20分ほど上空で待機し、その後の事は決定後にお知らせします」とアナウンス。


旋回後、飛行機は周回コースを外れ洋上飛行に入りました。

私と奥さんは「これは他の空港に向かうね。ボローニャかな?それとも?」

と話していました。海沿いを飛んでるので地図を開いたらジェノバが一番近そうです。


しばらくして、飛行機は最終着陸態勢に。眼下には美しい海とヨット、クルーザー、豪華客船。

「この風景はピサじゃないね。ジェノバかもよ。」



ジェノバ空港にダイバート(目的地変更)
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飛行機は海上に突き出した滑走路に着陸。ピサに着いたと思っている乗客からは拍手が。

ここで初めて「当機はジェノバに着陸しました。・・・」とアナウンス。乗客からは失笑が。

乗客が騒ぎ始め「ホテルの予約があるの。どうするのよ!」と抗議する西洋人客にクルーは

「ライアンエアではいかなる補償もしません。」とバッサリ。



(左)ジェノバ空港駐機中。斜面に建つジェノバの街とエア・ドロミチの飛行機が見えます。


1時間ほどの駐機中、エアコンもOFFにしてドアを全開にして待機。

もちろんドリンクサービスもありません。

我々はジェノバで降機する気満々になってきました。あまり予定の無い旅なので補償が

無くても構いません。本場のジェノベーゼ・パスタを食べるのもいいですね。



再度 ピサ空港へ

しかし、そうこうしてる間にピサ空港の閉鎖が解除され、ジェノバから離陸することに。

飛行時間30分でピサ上空へ。しかし、上空は待機している航空機が多数。

かなりホールディングしてピサ・ガリレオガリレイ空港に着陸。


2時間以上の遅延です。

この飛行機、乗客を降ろしたらすぐに飛び立つらしく、クルーはそのまま次のフライトの

準備(右の写真)。こういう会社のクルーも大変ですね。

ピサ空港はとても小さい空港ですから着陸機が集中して大混雑でした。

フィレンツェの第二空港として格安航空会社にも多用されているようで、ライアンエアの

サブ・ハブ空港でもあります。

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空港の外に出たら、鉄道駅がありました。

どうやらピサ空港駅←→ピサ中央駅を往復している電車が存在するようです。


運賃は1.ユーロ10セントですが自販機に10ユーロ入れたらお釣りが出てこなくなりました。

(イタリアでは自販機にお金が吸い込まれるのはよくあるケース)


車掌に尋ねるとようやくお釣りのカラクリがわかりました。

要は出てきたチケットが2枚。よく見ると片方は乗車券ではなく8ユーロ90セントの

預かり証でした。有人駅でリファンドができるのですね。(窓口で行列するのが大変ですが・・・)


電車は出発後5分で終点のピサ中央駅到着。

沿線は相変わらず落書きだらけでしたが、その中に見事なスヌーピーの落書き発見。


フィレンツェには夕方までに到着すればよいので、せっかくですからピサ駅で荷物を預けて

有名な斜塔の観光に出かけましょう。時間がありませんので行きはタクシーで向かいます。

イタリアの昼は活動できないほどの猛暑。



荷物預かり 3ユーロ

タクシー   8ユーロ