北インドのターリー   インド・デリー | 世界の食卓  グルメ探求の旅

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エアラインスタッフの食べ歩き日記

デリーのコンノートプレイスにあるグランド・インターコンチネンタルホテルにある

高級インド料理店(ノン・ベジタリアン)。客層はインド人上流階級の人々がほとんど

で外国人はあまり見かけませんでした。ターバンを巻いたシク教徒の人も見られます。
DEL3

写真はターリーと呼ばれる北インドの定食(ノンベジ) 確か1,000インドルピーぐらいしたような?

(2004年8月訪問時)

マトンカレー、チキンカレー、ライタ、キール、タンドリーチキンなどが並んでいます。

このほかにチャパーティーパパド(揚げ煎餅)がサービスされます。

(ここは高級レストランなので、もちろん「ナーン」もありますが、私はチャパーティーのほうが

好きなので。)

カレーの味はオイリーすぎず、比較的まろやかで高級感漂う宮廷のカレーといった感じです。


ここで、豆知識。


ナン (ヒンディー語発音は「ナーン」)について。。。

一般的に日本のインド料理店で出されるタンドール釜で焼かれるナーンは、インドでは

あまりメジャーではなく、むしろ少数派です。一般的に手軽な丸型のチャパーティー(アーターと

いって、日本で言う「ふすま」を使いフライパンのような鉄板で簡単に焼ける)やローティ

食べられています。朝食にはプーリーという揚げパンも見られます。ちなみに日本のカレー屋の

ナーンやカレーはインド宮廷料理がモデルと言われていますので、実際にインドの安食堂で

食べると、その差に驚くことでしょう。


では、ナーンはどこでお目にかかれるのでしょうか?

ナーンを焼く巨大なタンドール釜が各家庭にあるわけでもないので、庶民は祭りの日など

特別な日に食べることが多いです。尚、パキスタン北方や中央アジアではナーンが

主流なところもありますが、日本のものと違って一般的に丸型のナーンが多いです。

イランでは「ノーン」と「ヌーン」の中間ぐらいの発音で薄いものが出てきます。

南インドでは米食が主流です。


ベジタリアンとノンベジタリアン

インドでは厳格に分けられています。親しいベジタリアンのインド人に「インドのベジタリアンは

宗教上の理由の人が多いの?」と聞いてみたら、「違う。うちは生まれたときから家族がベジタリアン

だったから、肉や魚は食べようとさえ思わないんだ。」との回答でした。

もちろん、ジャイナ教徒(不殺生を唱える)など宗教上の理由の人々もいます。

厳密なベジタリアンになると卵製品や乳製品もダメという人までいますから、食事を同席するときは

気を使いますね。インドではお店もきっちりベジ・ノンベジで別れていることが多いですが、問題は日本。

日本で彼らを食事に誘うならインド・パキスタン料理店が無難ですが、イタリアンなんていうのも

意外とOKみたいです。何に肉・魚・卵が入っているか比較的明確ですからね。


「インド人=ターバン」という図式

インドでターバンをしているのは主にシク教徒人口の2%未満といいます。

昭和30年代に神戸に貿易でやって来たインド人がシク教徒だったので、日本のカレーメーカーが

ターバンを巻いたインド人をイメージキャラにしたのが、日本におけるインド人=ターバンという認識の

始まりという説があります。なるほど、確かに肉食のシク教徒は他のインド人と比べて身体が

一回り大きくてインド国内でも発言力を持つことが多く、少数派にしては貿易業など要職に従事して

世界の至るところで目にする機会があることから、外国人にとって「インド人=ターバン」の図式が

出来上がりやすいのでしょうね。