兵庫県はメディチ家じゃない!美術品をどこまで買い進めるのか? | かしのたかひとマインドマップ

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樫野孝人のブログ

兵庫県はメディチ家じゃない!美術品をどこまで買い進めるのか?

不適切な県債管理基金の運用を改めるために29億円投入は納得感無し!

 

県債管理基金の流動性を高めるために、美術品等取得基金に18億2000万円を一般会計から支出し、美術品等取得基金の現金11億1300万円と合わせて29億3300万円で県債管理基金が

保有する美術品を美術品等取得基金で購入する議案です。

 

県債管理基金に流動性が低い美術品が含まれていること自体は

おかしな事なので、それを本来あるべき姿に戻すのは賛成なのですが、

その方法について反対しました。

 

美術品等取得基金の現金11億1300万円はそもそも突然の出物に対して機動的に購入するための基金なので使い切ってしまうのは良くありません。一旦現金がゼロになってしまう事で、また何年かかけて一般会計から美術品等取得基金に現金が10億円くらい積まれていくことになると思われます。

 

今回の基金整理の方法としては、県債管理基金に計上している美術品を

他府県でも実施しているように他の自治体や民間の美術館に少しずつ

売却して現金化していけば、一般会計から拠出した18億2000万円も

必要なかったのです

 

現在、県管理の美術品は9952点あり、実際に展示されて県民の目に触れているのは一年間で総数の約10%です。つまり10年に一度しか世の中にお披露目されてない状況です。

 

兵庫県の美術品は毎年4000万円から1億円くらい新たに購入されるほか、急な出物に備えて美術品等取得基金積立金にも毎年8000万円から2億5000万円が積立てられています。

 

「作品点数をどこまで購入する」というガイドラインが設定されていない中、このまま買い進めると、展示されるのが15年に一度、20年に一度となっていき、倉庫に保管される美術品が増えるばかりです。もちろん財産価値はありますが、美術品総数マネジメントの方針をあらためて考え直すべきだと思います。

 

時代は所有からシェアの時代へ移行しています。

私は文化行政推進派ですが、兵庫県はメディチ家ではありませんので、

美術品を「持つ」ことに拘らず、見る機会や触れる機会を増やすことに

重きを置いた方がよいと思います。美術品も倉庫で保管されるより、適切に売り買いされ、多くの人に観てもらった方が本来の価値を発揮するのではないでしょうか。

 

兵庫県で所蔵すべき美術品を少し軽くし現金化するという方法で、

今回の県債管理基金の対応をし、浮いた資金で巡回展の頻度を増やしたり、兵庫県では見ることが出来なかった世界の素晴らしい美術展を招へいすれば、県民も更に嬉しいと思います。

 

以上の点から、第134号議案「平成28年度兵庫県基金管理特別会計補正予算第一号」に反対しました。

 

議会終了後、

井戸知事からも「樫野さんが言うように、美術品等取得基金の現金を

残しておかないといけないですね」と声をかけられ、

何人もの議員から

「樫野さんの言うのが正しいですね」とをかけられました。

だったら、議案を通さずに、一緒に反対してくださいよ!