※今回は、シリーズの初回をイメージしています。
段ボールが積まれた室内。カジュアルな服装の亜樹と
背広姿の夫トオル。
ナレーション
「新妻亜樹とその夫トオル。今日は仮住まいから、
新居へ引っ越し」
トオル「ごめんね。亜樹、一人で大丈夫かい?」
亜樹「大丈夫よ。お仕事だからしょうがないもの。
それより、帰りは新しいおうちなんだから
間違えないで帰ってきてね
トオル「ハハハ。亜樹じゃないんだから大丈夫だよ。
じゃあ、行ってきます」
亜樹「いってらっしゃい」
※ここでいってらっしゃいのキスという手もありますが、
不愉快なのでなしです。
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チャイム「ピンポーン」
ありさんマークの引越社登場。
引越社スタッフ
「よろしくお願いします。じゃあ始めますか」
荷物の運びだし開始。
すぐ手を出そうとする亜樹。
引越社スタッフ「奥さんは結構ですから..」
と言うものの、荷物運びに参加する亜樹。
しかも、大量の荷物を軽々を運び出す。
ナレーション(+字幕)
「亜樹の秘密.その1.亜樹はアスリートレベルをはるかに
超える脅威の身体能力を誇る。そのパワーは測定不能。」
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新居に到着。荷物の運びこみにも参加。ここでも大活躍。
引越者スタッフ
「この冷蔵庫、ドアには大きすぎるな。窓から吊り上げるか。
おーい、滑車とロープもってこい!」
スタッフが滑車とロープをセットしようとした途端、
亜樹がロープと滑車をにこやかに奪い取り、窓の外に
身を乗り出し素早く準備完了。今度は窓から飛び降り、
冷蔵庫にロープをかけ半ばひとりで冷蔵庫を運び入れる。
ナレーション(+字幕)
「亜樹の秘密.その2.亜樹は高さなど恐れない
鋼のハートを持つ女。
そして通常時には、ネイビーシールズ一中隊分の
作戦行動を一人で遂行可能な人間兵器。
しかし、まだ、そのポテンシャルを亜樹自身は知らない...」
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荷物運び入れ終了
引越社スタッフ
「奥さん、すごいねぇ。奥さんだったら、いつでも
うちの会社で大歓迎だよ」
ドヤ顔の亜樹「エッヘン!」
スタッフに野菜一日これ一本と手作りクッキーを差し出す
亜樹
「どうありがとうございます。お疲れさまでした。
よろしかったら、これを飲んで行ってください。」
引越社スタッフ
「ありがとうございます。おっ、冷えてるね。
奥さん、若いのに気が利くね。カワイイ上に
こうだとだんなさんも幸せだ」
ナレーション(+字幕)
「亜樹の秘密.その3. そう。人間兵器亜樹は
気が利くカワイイ新妻でもある」
帰る引越社を見ながら、ゴキゲン状態の亜樹
亜樹「奥さんだって..カワイイだって..」
と言いながらすごいスピードで荷物を片付けていく亜樹。
みるみる部屋がきれいに
パンパンと手を叩きながら満足げにきれいになった新居を
見る亜樹。
亜樹「あら、もうこんな時間。」
部屋を飛び出し、すぐに食料品をかかえて帰宅。
すぐさま、料理開始、そして終了。
亜樹「あとは、トオルさんが帰ってきたら、あっためてと...」
ナレーション(+字幕)
「亜樹の秘密.その4. 炊事、掃除など家事遂行能力も
ワールドクラス。亜樹を隠し撮りしたビデオが、
世界家政婦協会のインストラクションビデオに使用
されていることを亜樹はまだ知らない」
亜樹の電話が鳴る
亜樹「トオルさん、帰ってくるの? じゃぁ駅までに迎えに行くわ。
トオルさんが道に迷ったら、困るでしょ。うん、大丈夫..」
部屋を出る亜樹
亜樹「急いで帰ってきてくれたのね...うふふ」
などと喜びながら、外へ
ナレーション(+字幕)
「亜樹の秘密.その5. 超人亜樹には大きな弱点がある。
それは、天然であること。既におわかりのように
亜樹は駅と逆方向に向かっている...
ネイビーシールズが亜樹をスカウトしない理由の
一端である」
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暗くなった街頭で亜樹の携帯が鳴る。
亜樹「あっ、トオルさん、亜樹、迷ちゃった」
トオル「亜樹、今どの辺だい?」
亜樹「わかんない。」
半べそ状態の亜樹
ナレーション(+字幕)
「亜樹の秘密.その6. 通常時は鋼のハートを持つ亜樹。
しかし一度、天然回路が作動するとその精神力が
大きく低下する。ちなみに現在は6歳児レベル」
トオル「じゃぁ、住所表示は? 何か目につく看板は?」
亜樹「うーん、えーっと...」
ナレーション(+字幕)
「亜樹の秘密.その7. 亜樹のもう一つの弱点。
それは漢字読解能力。現在、パニック中につき、
その能力は小学校2年生レベルまで低下中」
亜樹「これは何? ナマムジ?キョウムギ?
あとハッピャクなんとかいうブルーなお店と
ラクなお店....」」
一瞬、考えるトオル。
ナレーション(+字幕)
「トオルの特殊能力。トオルは、断片化した亜樹の発言を瞬時に理解
できる能力をもつ数少ないひとりである」
トオル「(内心で)蕎麦屋と、八百屋青物と...楽な店..楽器屋だ!」
トオル「大丈夫。もうわかった。亜樹は北口に出ちゃったんだよ。
そこで動かないで待ってて。」
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不安そうに直立している亜樹を見つけるトオル
優しく微笑むトオル。ほっとした顔の亜樹。
一緒に楽しそうに変える二人。
ナレーション
「トオルがそばにいることで安心した亜樹。
その能力は、通常状態に回復した。」
亜樹が軽くトオルを押す、ふっとばされるトオルのシルエット
で終了。