自宅マンション内、外出着の亜樹と夫トオル
トオルは電話中
トオル「...わかりました。大丈夫です。はい。明日の朝まで...
はい..」
電話を切った夫
トオル「亜樹、ごめん。急に今日中にやらないといけない仕事が
入っちゃっんだ。だから今日は...」
亜樹「(心の中で)えぇ~!? せっかくのお出かけなのにぃ...
でも、お仕事なんだがらしょうがないわ。ここは
快く協力するのが妻の務め...」
亜樹「(にこやかに)大丈夫よ。お仕事がんばってね」
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亜樹に背中を向けデスクでPCに向かうトオル
それをつまらなそうに眺めている普段着の亜樹
トオルの背後で手を振ったり、ペンを鼻の下にはさんだり,
変顔したりするが、夫の反応なし
亜樹「(内心で)お掃除しようかしら?でもお仕事中だから
静かにしていないと...」
再び退屈そうな亜樹
亜樹「(内心で)お散歩にでも行こうかなぁ。
仕事をしているXXさんを一人にするのは
かわいそうだし..」
亜樹「(内心で)そうだ。お茶を入れてあげよう!」
亜樹「(小声で)緑茶、麦茶..」
と言いながら、お茶を入れ、デスクに運ぼうとするが
こけて、お茶をトオルにかけてしまう。
亜樹「ごめんなさい!」
素早くPCを避難させる夫
トオル「お茶とかは大丈夫だから。なるべく早く仕事を片付けるから、
おとなしくしてて、ごめんね...」
亜樹「(内心で)失敗しちゃった...じゃぁゲームでもして
待ってようっと。ヘッドフォンしていれば静かだし...」
ゲームを始めた亜樹。しかしゲームに興奮し、一人で叫びだす
「うぉ! ここだ! やったぁ!」
亜樹の背後に来たトオル、無言で亜樹に静かにしろと「シーッ!」の
ポーズ。
またも退屈そうな亜樹
亜樹「(心の中で)もうこんな時間。ごはんはどうしようかしら、
疲れているから栄養のあるものにしようかしら?
それとも忙しいから、すぐ食べれるサンドイッチ?...」
トオル「食事の準備はいいよ。終わったら考えようよ」
亜樹「(内心で、喜んで)やっぱり夫婦。考えていることは一緒ね」
トオル「(ちょっと不機嫌になり)亜樹、さっきから考えていることが、
全部、大きな独り言になっているよ。」
といって、ヘッドフォンを装着。
亜樹「(内心で)また失敗しちゃった...」
亜樹「(内心で)あっ! 家計簿つけようっと。
やっぱり良い奥さんは家計もしっかりしないと]
家計簿をつけだす亜樹。
亜樹「(内心で)私、計算はじめると眠くなるのよね...」
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数時間後、椅子に座りながら寝ている亜樹。背中には毛布が
掛けられている。
亜樹が目を覚ますと、目の前にトオルが
トオル「おまたせ。仕事は終わったよ」
「遅くなったけど、ごはん食べに行こうか?」
亜樹「うん!!」
飛び起きる亜樹。寝室も入り、すぐに外出着に着替えて
出てくる亜樹。
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夜道を手をつなぎながら、仲良く歩いていく二人の後ろ姿