日本版CIAへの第一歩か? | 朝倉新哉の研究室

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やあ、みなさん、私の研究室へようこそ。

日本には、対外諜報機関(アメリカのCIAのような組織)がありません。
今日は、そういう組織(いわば日本版CIA)を作る
第一歩となりそうな動きについてお伝えします。

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国際テロ情報収集ユニットの発足 前倒しへ

11月19日 13時43分

菅官房長官は、午前の記者会見で、
フランスでの同時テロ事件を受けて、
テロの未然防止に向けた対策を強化するため、
来年の4月以降に外務省に設置するとしてきた
「国際テロ情報収集ユニット」の発足を前倒しする考えを示しました。
この中で菅官房長官は、
フランスでの同時テロ事件に関連して、
「今回のパリにおけるテロ事件や、航空機の爆破事件もあった。
 そういう昨今の情勢を見れば、政府の情報機関の強化は極めて重要だ」
と述べました。
そのうえで菅官房長官は、
来年の4月以降に外務省に新たに設置するとしてきた
「国際テロ情報収集ユニット」について、
「速やかに設置できるように、作業は加速していきたい。
 具体的な設置時期は鋭意検討しているが、とにかく加速して対応したい」
と述べ、
発足を前倒しし、テロの未然防止に向けた
情報収集・分析の強化を加速させる考えを示しました。
また、菅官房長官は、
記者団が「ユニット発足に向けた関連経費は補正予算案に計上するのか」
と質問したのに対し、
「今、具体的な内容や、作業の加速のために必要なものを検討させている。
 必要があれば処置したい」
と述べました。
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http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151119/k10010312211000.htmlから引用。

実は、以前の記事で、
日本版CIAを作ろう、という動きがあることをお伝えしました。
しかし、
警察庁、外務省、防衛省、公安調査庁など
関係省庁間の主導権争いのために、その動きは滞っています。
”まず器を作る”(まず日本版CIAという組織を作る)という考え方は、
対外諜報機関を作るうえでは、してはならない、
ということを、何度か述べました。
日本版CIAを作る動きは、
その、してはならないこと、をしているのです。

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佐藤 そもそもインテリジェンスの世界では、組織よりも人なんです。
   人材を育てるのが先で、組織をつくるのは最終段階。
   まず器をつくって、そこに自分たちをはめ込もう
   というのは、典型的な官僚の発想です。
   それは同時に、インテリジェンスからもっとも遠い発想でもある。
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『インテリジェンス 武器なき戦争』佐藤優 手嶋龍一 幻冬舎新書 から抜粋して引用。

日本版CIAという大きな器を作る動きが滞っている今、
「とりあえず、国際テロ情報収集ユニットという小さな組織でいいから、作ろう」
という流れができたのは、悪いことではありません。
そうやって、小さいが実効性のある組織を作って、
対外諜報の業務の一部を実際にやっていき、
同時に、以前の記事で述べた
対外諜報のための人材育成策もやればいいのです。
そして、最終的に、本格的対外諜報機関=日本版CIAとして結実させればいいのです。

ただ、気になるのは、
国際テロ情報収集ユニットを外務省の中に設置する、ということです。

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手嶋
  そこで一つ佐藤さんに伺いたいのですが、
  日本の対外情報機関は外務省に委ねたほうがいいのか、
  あるいは別の機関が担ったほうがいいのか。

佐藤
  別の機関じゃないとダメだと思います。
  私も現役のときは、外務省のアンブレラの中でやれると思っていました。
  イギリス的なノブレス・オブリージュが日本の外務省にあると思っていたからです。
  しかし、残念ながら、それはない。
  顔が見えるとヤキモチが膨らみすぎるので、
  顔が見えないようにしたほうがいいというのが私の結論です。
  つまり、対外インテリジェンスをやる人間は、
  外交の実務をやる人間とは切り離していたほうがいいということです。
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『インテリジェンス 武器なき戦争』佐藤優 手嶋龍一 幻冬舎新書 から抜粋して引用。

対外インテリジェンス=対外諜報をやる人間と、
外交実務をやる人間は、切り離したほうがいいのです。
国際テロ情報収集ユニットは、
これを足掛かりにして、
本格的対外諜報機関(日本版CIA)へと発展させるべきものです。
だからこそ、外務省とは切り離したほうがいいと思います。

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