特定秘密保護法案は、スパイ防止法整備の第一歩だった | 朝倉新哉の研究室

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当ブログの以前の記事で、

秘密保全法案とか特定秘密保全法案とお伝えしてきましたが、

特定秘密保護法案というのが正しい名称のようです。

当ブログの『秘密保全法はスパイ防止法なのか?』

という記事で、

>もしかしてスパイ防止法なのか?
>と思ったら、ちょっと違うようです。

と述べましたが、違っていませんでした。

特定秘密保護法案は、まさにスパイ防止法整備の第一歩だったのです。

それは、『軍事研究』2013年4月号 を読むとわかります。

同書によると、

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日本が第一にすべきことは、情報の保全のための環境づくりである。

情報収集とその保全は二つでワンセットである。

情報収集能力が備わっていても、情報保全が整っていなければ機密は漏洩し、
情報の価値は損なわれるからである。

そのため、国家の情報力を強化するためには、情報保全の環境づくりが必須条件である。
現在、日本において秘密保全法の制定を求める動きがあり、
国家機密の漏洩に対する処罰を厳しくする方向に進みつつある。
これは本格的なインテリジェンス機関を日本に設置するための基本中の基本であり、
その観点からみると非常によい傾向であるといえる。
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特定秘密保護法によって、秘密をしっかり保護することは、防諜の基本であると同時に、

情報収集の基本でもあったのです。

せっかく情報を集めても、それが漏洩してしまったら何の意味もありません。

今、日本には対外諜報機関がありませんが、

これを作るためにも、秘密保全の態勢を整えることが必要不可欠なのです。

防諜は、”守り”なので、秘密保全が防諜の基本であることは、すぐ理解できますが、

対外諜報は、英語でポジティブインテリジェンスと言うように、

”攻め”というイメージなので、

秘密の保護というのが、対外諜報にとっても大事だ、というのは、素人にはなかなか思いつきません。

安倍内閣が、秘密保全の態勢強化から手をつけたことは、

諜報の基本に則った正しい方向性だったのです。

安倍内閣は、こういう方面に関しては安心して見ていられます。

しかし、経済の方面については、問題があります。

それを直せば完璧なんですが…。


特定秘密保護法案は、外交や防衛に関する重要情報の保護が主眼となっているようです。

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外国が日本で行っている多くの諜報活動は、
議論の焦点となっている「国防」や政府が管理する制限された情報のみに絞っているわけではなく、
政府の管轄外である民間企業の科学技術開発や産業、そしてビジネスの分野も標的となっている。

これらの事実がさして表ざたにならないのは、
一般的に認識されている「機密」に関する情報保全の枠組みから”民間”が外れているからである。

外国の政府が日本から欲しがっているものは何かという点を徹底的に調査すれば、
日本が守らなければならない機密が何であるのか自ずと見えてくる。

冷戦中(および現在も同様と考えるのが妥当であろう)の
ソ連の情報収集の焦点の8割は、西側諸国の科学技術であった。
東欧諸国の情報機関もまた同様に、西側諸国の科学技術開発をターゲットとしていた。
近年、アメリカ本土で摘発された中国の諜報活動の多くの事例からも見て取れるように、
中国は民間で行われているアメリカの科学技術開発に関する情報収集を活発に行っているのである。

日本の科学技術のノウハウとその開発に関心を示す中国や韓国といった近隣諸国が、
日本をターゲットとしている事実は認識されるべきである。

日本政府および国民が、世界の最先端をいく日本の技術とその開発を守ることが
重要な国益であると認めるのであれば、民間を巻き込んで
何を国家機密として規定するのかを議論し、新たな概念の構築が不可欠である。
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『軍事研究』2013年4月号より抜粋して引用。

特定秘密保護法案が、スパイ防止法整備の第一歩、と述べたのは、

第一歩にすぎない、という意味でもあります。

国防や外交といった政府が持つ情報だけが、保護すべき秘密ではないのです。

いわゆる企業秘密も、保護の対象とすべきです。

ただ、全ての企業の企業秘密を対象とするわけにもいきませんし、

そこまで対象を広げる必要もありません。

どこまで保護すべきか、どのように保護すべきか、は、今後の検討課題でしょう。

そのとき、マスコミの言う”知る権利”などというものは、

ほとんど無視すべきです。

$国家戦略研究
http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid1434.htmlより転載

懲役10年で”厳罰”って…。

1985年に制定されるはずだった

「国家秘密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案」

では、最高刑は死刑だったんですよ。

懲役10年なんて甘すぎます。

だから、”第一歩”なんですよ。

ここからスタートして、もっと厳しくしていかなければならないんです。


特定秘密保護法案は、スパイ防止法の第一歩であり、
これに反対する人は
「私は工作員です」とか「私は反日勢力の一味です」
と自白しているようなものです。

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