消費税は上がるのか? | 朝倉新哉の研究室

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マスコミ報道では、明日、安倍総理大臣が、会見を開いて、

来年4月からの消費税増税を発表する、

というのが既定の事実のように報じられています。

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消費増税や経済対策の規模、何も決まっていない=官房長官

[東京 12日 ロイター]
菅義偉官房長官は12日午前の会見で
安倍晋三首相が消費税を来年4月に予定通り3%引き上げるとの報道に関連して、
「まだ何も決まっていない」と述べた。

官房長官は「引き上げるかどうかは首相の判断」とし、
増税による経済下押しの影響を緩和するための経済対策について
「規模など申し上げるのは控えたいし、まだ全く決まっていない」
とした。

菅官房長官は
「首相が(消費税を予定通り)引き上げるという判断をした事実はない」と否定


消費税率を引き上げた場合の経済の落ち込みに対して
首相が経済政策パッケージの策定を指示したことについては
「まだ具体的な数字はでていない。麻生太郎財務相と甘利明経済再生担当相の間で詰めていく」
との認識を示すにとどめた。

そのうえで
「様々な皆さんの意見の中で、対策も含めて、
(対策が)上がった時点で総合的に判断するということだ」
とし、経済対策の中身も含めて10月上旬に首相が判断するとの見方をあらためて示した。
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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE98B02K20130912?feedType=RSS&feedName=topNews&utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter&utm_campaign=Feed%3A+reuters%2FJPTopNews+%28News+%2F+JP+%2F+Top+News%29
から抜粋して引用。(青字強調は筆者による)

9月12日の会見では、

”安倍総理は、増税するかどうかの判断をしていない。
 判断を下すのは10月上旬”


と言っています。

10月上旬というのが、テレビや新聞では、10月1日にすりかわっています。

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菅義偉官房長官は20日午後の記者会見で、
2014年4月からの消費税率引き上げを安倍晋三首相が決断した、との報道について
「正直なところ、総理は私は決断してないと思う」
と述べた。

首相自身、増税した場合の影響などを総合的に勘案して
自ら判断する考えをかねて述べている。
菅氏は
「総理ご自身がもう決断したということは私はまったく聞いていない」
と語った。
そのうえで
「10月になって日銀企業短期経済観測調査(短観)等の数字をみたうえで、
 総理自身その対策を含めたうえで判断する」
との見解を改めて示した。
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http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL200P9_Q3A920C1000000/から抜粋して引用。

20日の会見でも「まだ決まっていない」のです。

25日の会見でも、菅長官はこう言っています。
          ↓

菅官房長官「消費増税、新聞報道が先行している」9... 投稿者 kittyu2012

菅長官は、「10月の日銀短観を見て判断する」と言っていますし、

増税した場合の経済対策も含めて、となると、

1日に会見を開いて発表するというのは無理じゃないでしょうか。

そもそも”1日”とは、一言も言っておらず、”10月上旬”と言っているのですから。

97年の消費税増税について、『平成経済20年史』には、このように書かれています。

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消費税の増税で5兆円、特別減税の廃止で2兆円、いきなり7兆円の増税である。
医療保険が削減され、サラリーマンの自己負担が1割から2割にアップ、
薬剤費に一部自己負担を導入した。
2兆円の社会保障費を国民負担に転嫁したのである。
9兆円の国民負担増である。
公共事業費の4兆円削減と合わせれば、13兆円のマイナスの景気対策が打たれたことになる。

財政危機を信じた橋本首相は、「財政構造改革は待ったなし」として、
公共事業をはじめとする歳出削減を宣言した

とりわけ翌平成10年以降の3年間は、集中的に緊縮財政をとり、
大幅な経費削減をめざす、とした
のである。

その中で、橋本首相が財政構造改革の第一番に挙げたのは、
「平成15年までに単年度の財政赤字をGDPの3%以内に抑えることをめざす」
という目標だった。

世界史に残るほどの株価と地価の暴落に見舞われ、
平成9年までに、日本は1000兆円を超える国民資産を失っていた。
株価は、最高値の半分である2万円がせいぜいであったし、
地価は一貫して下がり続けていた。
とはいえ、地下の下落率は徐々に縮小し始めており、
株価と地価の大暴落によって受けた痛手を癒しつつあった。
平成7年、8年、日本経済はようやく立ち直って、前に歩み始めようとしていた。

回復に向けて歩み始めたとはいえ、
回復したわけではない経済に、
増税と緊縮財政の「財政構造改革」が断行された

足元の定まらない日本経済に、
いきなり13兆円というかつてない巨額の国民負担を一気に強いたのである。

不況のさなかに、それだけ大きな不況政策を断行したのだから、
経済がへたり込んでしまったのは当然だった。
日本経済は急速に悪化し、悪化が悪化を呼ぶ悪循環に入った。
財政構造改革は、日本経済の回復の腰を完全に折ってしまったのである。

平成8年の秋以降は、日本経済が元気を取り戻したかに見えるデータの改善があった。
翌9年4月からの消費税増税を見込んだ駆け込み需要であったが、
大幅な緊縮予算に歯止めはかからず、消費税増税も断行されたのである。

この時期の増税、緊縮財政については、米国はじめIMF、OECDなど
多くの国際機関からも、「まだその時期ではない」という警告が相次いだ


倒産は過去最高のレベルに高止まりし、人々の生活も急速に悪化した。
バブルに踊ったわけでもなく、政策の失敗さえなければ、十分に生き残れるはずの企業が、
つぎつぎ破綻し始めていたのである。

財政の健全化を優先するあまり、日本経済の健全化、国民生活の健全化は閑却された
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『平成経済200年史』紺谷典子 幻冬舎新書 から抜粋して引用。
(青字、赤字による強調は筆者による)

財政健全化を目指して、緊縮財政(政府支出を減らすこと)を行った結果がこれです。
             ↓
国家戦略研究















http://www.garbagenews.net/archives/1778034.htmlより転載

消費税だけを見れば、税収は増えましたが、一般会計税収(税収全体)は減ってしまいました。

しかも、消費税増税以降、97年の税収を上回ったことは一度もありません。

日本経済の健全化、国民生活の健全化よりも、財政健全化を優先したからです。

その結果、自殺者の激増という悲劇も引き起こしました。

$国家戦略研究

http://asanagi987.blog27.fc2.com/blog-entry-4286.htmlより転載

98年に3万人を超えて以来、2011年までずっと、

年間の自殺者は3万人を下回ることがありませんでした。

昨年やっと3万人を下回りました。

(それでも2万7千人以上が自殺しています)

98年以後だけで、44万人以上が自殺したことになります。


97年の増税は、

消費税増税だけだと、5兆円。
それ以外に、
特別減税廃止  2兆円
社会保障負担増 2兆円
公共事業費削減 4兆円

があったので、合計で、13兆円のマイナスの景気対策になってしまいました。

今回増税するとすれば、

特別減税廃止、社会保障負担増、公共事業費削減の影響はないので、

増税分の影響しかないことになります。

それを5兆円と仮定すると、

それ以上のプラスの景気対策をやれば、

マイナスの景気対策の効果を打ち消せることになります。

しかし、増税しなければ、マイナスの景気対策の効果はないのですから、

増税せずに、プラスの景気対策だけやればいいに決まっています。


増税せずにプラスの景気対策をしっかりやれ!
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