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コラム 防衛産業からの声(一般社団法人 日本造船工業会 艦艇部会)
造船所は、官給品メーカーや下請け企業の協力を得ながら、
艦艇の建造、就役後の点検・整備・修理などを手掛け、
海上自衛隊の艦艇の運用を支えています。
商船の建造・修理のための設備、技術、人材を土台として、
その上に永年かけて蓄積した艦艇特有の技術(武器ぎ装など)や
ノウハウを活用して艦艇事業を運営しています。
新造商船は、大半が海外向けですが、
円高に加え、世界的な建造需要の低迷と、韓国および中国の建造能力拡大が重なり、
深刻な供給過剰状態が継続中で、現在事業環境は極めて厳しい状況にあります。
艦船事業全体の7割以上の売上を占める商船事業が好転しなければ、
その土台の上に展開している艦船事業への影響も深刻で、
最悪の場合、艦艇修理すら困難になるかもしれません。
継続的な仕事量の確保が艦艇造修理基盤の維持には必須である一方、
昨今では、船舶事業全体の国際競争力強化のため、
設計・開発能力の強化や、生産体制の最適化も強く認識され、
企業連携や事業統合を図る動きが造船所各社にもでています。
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平成24年版防衛白書より抜粋して引用。
造船業の7割は、商船の建造で、3割が艦船(自衛隊の船ということ)ということのようです。
防衛省は、イージス艦2隻を増やす方針のようですから、
これは造船業界にとっては朗報です。
しかし、それは3割を占める艦船事業が潤うだけです。
造船業界の7割は商船事業が占めているのですから、
できれば、この分野に恩恵が及ぶような施策が欲しいところです。
そこで、以前から温めていたアイディアを披露させていただきたいと思います。
それは、
戦艦大和をはじめとした、旧海軍の軍艦の復元です。
広島県に大和ミュージアムというのがありますが、
ここには、戦艦大和の10分の1の模型があります。
10分の1でも結構来場者が来るのですから、
実物と同じ大きさの大和を作り、しかも客を乗せて航走できるとなれば、
相当客を呼べるでしょう。
戦艦大和は、”一粒で9度おいしい”のです。
大和には、新造時、第1次改装時、沖縄特攻時の3種類の姿があるので、
それぞれ造ります。
同型艦の武蔵も、同様に3種類造ります。
そして3番艦の信濃も戦艦として造るのです。
大和型戦艦の3番艦信濃は、建造途中で、空母に改装され、空母として完成しました。
空母信濃
http://m3i.nobody.jp/military/shinanomenu.htmlより転載
この信濃を戦艦として現代に蘇えらせるのです。
このようにして、現代の”大和型戦艦”は、9隻造ることができるわけです。
この9隻を、日本各地の港に派遣すれば、各地で相当客を呼べるでしょう。
”大和型戦艦”だけでなく、空母も造ると、さらなる集客が可能だと思います。
空母は、艦内が広いので、他の軍艦よりも、たくさんの客を乗せることができます。
ゼロ戦などの搭載機も造れば、発艦や着艦をやって見せたりもできます。
米軍の戦闘機なども造れば、空中戦をやって見せることもできます。
客にしてみれば、現代に蘇えった大和や空母赤城やゼロ戦などを見ることができ、
米軍機との空中戦を見ることができるのですから、
大変見応えがあると思います。
空母を造ることから派生して、搭載機を造り、空中戦の相手として米軍機を造る、
となれば、いっそのこと、陸軍機も造ってもいいのではないでしょうか。
あるとき、福島空港に行ったのですが、
飛行機が離陸する姿を見学している人が結構いました。
そのとき、
「これが、ゼロ戦とか隼とか一式陸攻だったら、もっと客を集められるだろうな」
と思いました。
地方空港が、経営が厳しくて困っているのであれば、
旧陸海軍の軍用機や米軍機、要するに第二次世界大戦で使われた軍用機を造って、
展示したり、客を乗せて遊覧飛行したり、
空中戦をやって見せたりすれば、結構客を呼べるのではないでしょうか。
・旧海軍軍艦の建造を造船会社に発注→造船業界に恩恵、港に集客=観光振興
・第二次大戦で使われた軍用機製造の発注
→鉄鋼、非鉄金属、輸送用機械、その他の製造業などの業界に恩恵、
地方空港の活性化=観光振興
http://www2.kumagaku.ac.jp/teacher/~sasayama/images/gdpsupply.gifより転載
造船業界が活性化すると恩恵を受けるのは、
上のグラフの鉄鋼、非鉄金属、輸送用機械、その他の製造業あたりで、
飛行機と同じだろうと思います。
建設業には、及びませんが、建設業には、復興と国土強靭化という巨大な仕事があるので、
それ以外で、景気振興をやるとすれば、船や飛行機の製造が効果的ではないかと思います。
(エコカー減税のようなことをまたやってもいいと思いますが)
それに、ただ造って終わりではなく、各地の空港や港で客を集めるのですから、
波及効果も結構あると思います。
手始めに、「戦艦大和復元プロジェクト」などと銘打って、
”大和型戦艦”9隻を発注します。
完成後の”大和型”が各地で十分な集客効果を上げたら、
空母、→搭載機(ゼロ戦、97式艦攻など)→米軍機→大和型以外の戦艦、巡洋艦など
→日本陸軍機
というふうに、プロジェクトを拡大していきます。
このプロジェクトで収益が上がるようになったら、
民間に払い下げてもいいと思います。
利益の出る事業は民間がやる、というのが当たり前ですから、
むしろ、払い下げることを目標にしてもいいぐらいです。
この”プロジェクト”では、実際に造られた軍艦や飛行機だけでなく、
上述した”戦艦信濃”のような実現しなかったものを実際に造ってしまうことも
”売り”のひとつです。
例えば、”幻の巨大爆撃機”富嶽
http://www.ne.jp/asahi/airplane/museum/nakajima/FUGAKU.htmlより転載
ゼロ戦の後継機として計画されていた艦上戦闘機「烈風」
烈風の試作機 ウィキペディアより転載
局地戦闘機 震電(ウィキペディアより転載)
改大鳳型航空母艦(想像図)
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http://blogs.yahoo.co.jp/houzankai2006/49091669.htmlより転載
こういうものを造ります。
そして、空母赤城と加賀は、
飛行甲板が三段になっていたときの姿と、
一段飛行甲板に改装された姿の両方を造ります。
三段飛行甲板だったときの赤城
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http://battleship-pictures.xrea.jp/photograph_p/sekikubo/akagi.phpより転載
一段飛行甲板に改装された赤城
↑
http://battleship-pictures.xrea.jp/photograph_p/sekikubo/akagi.phpより転載
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