エネルギー革命? | 朝倉新哉の研究室

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http://wpb.shueisha.co.jp/2013/02/28/17388/

からの引用です。

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エネルギー革命起こす? 新発明の「マグネシウム電池」ってなんだ

現在主流のリチウムイオン電池より安価で安全、軽くて長もちする。
そんな夢のような電池が、いよいよ実用化に向けての最終段階に突入している。
開発したのは、東京工業大学の矢部孝教授だ。

リチウムイオン電池は、新型旅客機ボーイング787型機で
出火・発煙事故が相次いだことから、
安全性について疑問視する声があがっている。
しかし、矢部教授は言う。
「あれはリチウムイオンだけではなく、すべての電池がもつ根本的な特性です。
 ひとたび発火すれば、電池の媒体は最後まで燃え尽きてしまうもの」
そうした問題をクリアした「世界一安全な電池」が、矢部教授の
「フィルム型マグネシウム電池」だ。
薄い膜状のマグネシウムがグルグルと巻かれて箱に収納されており、
昔懐かしのビデオテープをイメージさせる形状をしている。
すでに昨年7月に特許も取得済みだ。

マグネシウム電池自体は数十年前から存在し、
例えば、車のおもちゃなどで使われている。
「ただ、それはマグネシウムの塊(かたまり)で、
 表面が酸化すると内部が使えなくなるという重大な欠点があった。
 そこで薄い膜状にして特許を取ったわけです。
 フィルム状なので、万が一、発火してもすぐに切れるので燃え続けることはない」(矢部教授)

だが、このフィルム型マグネシウム電池は
結果として「世界一安全な電池」とわかっただけで、
開発のそもそもの目的は、ズバリ、エネルギー革命だ。

例えば、ケータイやスマホ。なんと、1ヵ月間充電不要で使えるようになるという。

「マグネシウム電池には同重量のリチウムイオン電池の8倍以上の電力量があります。
 せいぜい1日しかもたない今のスマホと同程度なら、マグネシウム電池は1グラムでいい。
 つまり、30グラムあればスマホは1ヵ月もちます。
 その電池代の原価はたったの6円です。」(矢部教授)

夢のような話だが、いつ実現するのか?

「開発は来年からです」(矢部教授)

スマホ用の電池だけではない。
矢部教授はすでに2月上旬、マグネシウム電池を
日本人なら誰もが知っている大企業に納品済みだという。
いったい、どう使われるのか…?
近日中に報道発表が予定されているということなので、期待して待とう。
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誰もが知っている大企業とは、トヨタのことではないでしょうか。

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1月10日(ブルームバーグ):
ハイブリッド車販売で世界最大手のトヨタ自動車 は、
電気自動車の動力源としてリチウムイオン電池セルの2倍のエネルギー容量を持つ
マグネシウム電池を開発している。

同プロジェクトを統括するエンジニア、ジェフリー・マカレウィッツ氏は
デトロイトで開催中の北米国際自動車ショーでのインタビューで、
ミシガン州にあるテクニカルセンターでマグネシウム電池の開発に取り組んでいると述べた。
日本国内の研究所で進めている他の素材開発を補完する狙いがある。

マカレウィッツ氏は、
「リチウムイオン電池は、理論上は最適条件下で約2000キロワット時の容量を持つが、
 将来のプラグイン方式のハイブリッド車(PHV)や
 電気自動車などに必要な極めて競争力のある電池を製造するにはまだ不十分だ」
と述べた。

同氏は、マグネシウム電池か代替材を使用した電池を搭載した自動車は
2020年ごろまでに準備が整う可能性があると話した。
また、米国トヨタではこのほか、
アルミニウムおよびカルシウムについても潜在的電池材料とみなしていると述べた。
同氏によると、日本の技術者らは国内で
「リチウム空気および金属空気」電池の研究も進めている。
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http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LETIA91A74E901.html

より引用。

マグネシウムを使うメリットは、電池寿命が延びるだけではありません。

貯めることが難しい電気を、貯めることができるようになるのと同時に、

リサイクルもできるのです。

使用済みのマグネシウム電池(マグネシウム空気電池)は、

マグネシウムが酸化しています。

その酸化したマグネシウムに、レーザーを当てて、酸素とマグネシウムを分離します。

すると、マグネシウムは、また電池の材料として使うことができます。

酸素とマグネシウムを分離するレーザーは、太陽光から作り出そうというのが矢部教授の構想です。、

これを、太陽光励起レーザーといいます。

当ブログでは、太陽光だけでなく、普通のレーザーを使うことを何度か提案してきました。

その普通のレーザーを発生させるのに、夜間などの余っている電力を使ったり、

木質バイオマス発電やトリウム熔融塩炉などの電力を使うべきだと、

述べてきました。

日照の不安定な日本では、太陽光だけでは不十分だと思うからです。

新たに生成したり、リサイクルしたマグネシウムは、ストックしておくことができますから、

これは、電気を貯めているのと同じことです。

蓄電池よりずっと簡単に電気を貯めることができるわけです。

石油元売り各社は、メガソーラーを建設しているようですが、

そんなものを作るくらいなら、

太陽光励起レーザーによるマグネシウム生成およびリサイクルプラント

を作ったほうがいいと思います。

自動車用の燃料を供給しているのは石油会社です。

しかし、(今あるタイプの)電気自動車が主流になったら、

石油会社は、大事な収入源を失うことになるのではないでしょうか。

ですから、マグネシウムのプラントを作り、

低コストでマグネシウムを生成、リサイクルできる態勢を整えるべきではないでしょうか。

そして、(今あるタイプの)電気自動車ではなく、

マグネシウム空気電池で走る自動車が主流になるように

自動車メーカーに働きかけるべきではないでしょうか。

自動車用の燃料を供給する、という大事な収入源を失う前に…。

そして、以前の記事でも提案しましたが、

電池の大きさ、形などを自動車メーカーと石油元売り会社で話し合うべきだと思います。

・自動車メーカーと石油元売り各社で話し合って、
 自動車用マグネシウム空気電池の、形、大きさ、取り付け位置などを規格化する。

・それによって、使用済みの電池を車体から引き出し、(引き出すための器具も規格化する)
 新品または充電済みの電池にワンタッチで交換できるようにする。

この仕組みが実現すれば、既存のガソリンスタンドの設備を変更すれば、

従業員は失業せずにすみます。

客は、使用済みの電池を充電済みの電池に交換するだけで、またすぐ走り出すことができます。


これなら、ガソリンスタンドで給油するのと、あまり変わりません。
                    (かかる時間と手間が、という意味で)

むしろ、たくさん給油するよりも早いかもしれません。


国家戦略研究
太陽光励起レーザーの発生装置と矢部教授
http://www.excite.co.jp/News/photo_news/p-1411839/より転載


”エネルギー革命”といっても、既存の仕組みをガラッと変えてしまうと、

大量の失業者を生み出したり、という混乱が生じるので、

なるべく既存の仕組みを生かす形で、進めるのがよいと思います。

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