核融合発電のニュースについて | 朝倉新哉の研究室

朝倉新哉の研究室

全ては日本を強くするために…

日刊工業新聞のサイト

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1520130403afaf.html

からの引用です。

>>>
究極のエネルギー源、核融合実用化へ前進-研究装置組み立て開始

大陽のエネルギー源である核融合。

この“究極のエネルギー”の実用化に向け、
日本原子力研究開発機構の那珂核融合研究所(茨城県那珂市)で、
最新の研究装置「JT―60SA」の組立作業が本格的に始まった。
フランスで建設が進む
国際熱核融合実験炉「ITER(イーター)」の先を見据えたプロジェクトで、
6年後の実験開始を目指して、日欧の先端技術が集結する。(池田勝敏)

■日本で研究装置組み立て開始
【原子核の衝突】
核融合は軽い原子の原子核同士がぶつかり、重い原子核になる現象。
この際、膨大なエネルギーが発生するため、これを利用する研究が進んでいる。
核融合を人工的に起こしやすいのは、
重水素と三重水素の反応で、この場合燃料1グラムに対して石油8トン分のエネルギーが得られる。
100万キロワットの発電所を1年間運転するために必要な燃料は0・2トン。
火力発電で同じ発電量を得るには130万トンの石油が必要だ。
>>>

この記事、

http://fxya.blog129.fc2.com/blog-entry-8056.html



http://zukolog.livedoor.biz/archives/26398930.html

でも引用されているのですが、なぜかタイトルが以下のようになっています。


【速報】日本が核融合発電を本格スタート、
180円の水素から石油8000リッターのエネルギー抽出


これだと、核融合発電が本格的にスタートするかのように読めます。

日刊工業新聞の記事タイトルは

”究極のエネルギー源、核融合実用化へ前進-研究装置組み立て開始”

で、研究装置の組み立てが始まった、というものです。

記事本文でも

>研究装置「JT―60SA」の組立作業が本格的に始まった。

>6年後の実験開始を目指して

と書いてあります。


核融合反応にも、いくつか種類があり、最もゆるい条件でも、

1億度の超高温でないと反応は起こりません。

この状態を”臨界プラズマ条件”と言い、

それを作り出すための装置が、臨界プラズマ試験装置「JT-60」でした。

記事にある「JT―60SA」は、

臨界プラズマ条件を長時間維持し、発電炉として実用化を目指すためのものと思われます。


核融合反応の中で、最もゆるい条件の反応は、

D-T反応(重水素と三重水素の反応)と言いますが、

既存の原発のような暴走や炉心溶融のリスクはありません。

が、放射性廃棄物の問題はあるので、

長い目で見れば、これも”つなぎ”と考えるべきです。

核融合発電の本当の本命は、重水素とヘリウム3の反応です。

こちらは、放射性廃棄物の問題は、ほぼないと言ってよく、

エネルギーを直接電力に変換できるので、効率がいいのです。

国家戦略研究
http://blogs.yahoo.co.jp/crazy_tombo/44854686.htmlより転載
(クリックすると拡大できます)

D-T反応では、上図のように、熱で蒸気を作り出し、タービンを回して発電するので、

その点では、火力発電や既存の原子力発電と変わりがなく、

熱を作り出すのが、石油や天然ガスや核分裂から、核融合に替わっただけです。


重水素とヘリウム3の反応は、

10億度の超高温でないと反応が起こらない、

地球上にはヘリウム3がほとんどない、

という難点があります。

ヘリウム3は、地球にはほとんどありませんが、月には大量に存在することがわかっています。

ウィキペディアには、

>中華人民共和国の月探査計画はヘリウム3採取を最終目的にしている。

とあります。

中国は、遠い将来をみすえて、宇宙開発計画を進めているのです。


月のヘリウム3を中国に独占させないためにも、宇宙開発予算を増額すべきです。

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