どこが自由化じゃ! | 朝倉新哉の研究室

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全ては日本を強くするために…

http://www.asahi.com/business/update/0417/TKY201304170577.html

からの引用です。

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TPP交渉、NZ・豪・カナダが条件 「例外なし」要求

「環太平洋経済連携協定」(TPP)の交渉に参加表明した日本に対し、
米国以外の国々も交渉条件を示していることがわかった。
農業国のニュージーランドやオーストラリア、カナダが
「すべての品目を交渉の対象にする」「高い自由化を実現する」などと求め、
カナダは米国のように日本車にかける税金(関税)を残すことも主張している。
複数の交渉関係者が明らかにした。

日本はTPP交渉で農産物にかける関税を守りたいと訴える方針だが、
日本に農産物を売りたい農業国の理解を得るのは難しくなるおそれがある。
日本は交渉参加のために、すでに参加している11カ国から承認を受ける必要があり、
米国のほか、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、ペルーの手続きが終わっていない。
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ちょっとまて。

「高い自由化を実現する」

と言いながら、

”カナダは日本車にかける税金を残すことも主張している”



何言ってんだよ。

どこが”高い自由化”だ。

カナダは、

カナダから日本への農産物には関税をかけさせないけど、

日本からカナダへの自動車には関税を残す、

と言ってるってことでしょ?

どこが”高い自由化”じゃ!

保護主義じゃないか!


>日本はTPP交渉で農産物にかける関税を守りたいと訴える方針だが、
>日本に農産物を売りたい農業国の理解を得るのは難しくなるおそれがある。
 
だったらむしろ、好都合じゃないですか。

自国の農産物には関税をかけさせない、しかし輸入品(自動車など)には関税をかける、

などと自由化でもなんでもないのに、”高い自由化”だなんて詭弁を言ってるわけでしょ。

”そんなふざけたことを言うなら、参加しない!”

と表明してもいいんじゃないですか?

結局、カナダもオーストラリアもニュージーランドも自国の利益になることを主張しているだけです。

日本も自国の利益を追求すればいいだけです。


その一方でこんなこともあります。

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事前協議による合意事項は、
例え日本がTPP交渉に参加しなくても「有効」になってしまうという点です。
日本がTPPに参加しようがしまいが、
事前協議の合意は実質的な(名目的にも?)EPA、すなわち経済連携協定になってしまうのです。

先日、合意したかに見えたアメリカとの協議は、今後も続けられるという話です。
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http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11512926911.htmlから抜粋して引用。

もし、TPPに参加せず、アメリカとの協議だけを継続することができるなら、

これは理想的な展開になります。

当ブログで、TPPには参加せず、日米二国間でEPAを締結しろ、

と述べましたが、その通りの展開になるわけです。


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アメリカは「TPP参加国で一括して関税撤廃」の交渉をせずに、
TPP参加国のうち、これまでアメリカとFTAを結んでいない国々とだけで、
二国間交渉をしているという状況です。

つまり、アメリカはAPECの首脳声明の
「野心的な関税撤廃」とは完全に矛盾した交渉をTPPにおいてやっているということになります
(ここがかなり重要なポイントです)。
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http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-578.htmlから引用。

ですから、TPPには参加せず、TPPとは別個にアメリカとの協議を今後も継続する、

ということも不可能ではないわけです。


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日本の参加表明はまるで浦賀に来航した黒船のように、
TPPの他の交渉参加国の諸国民に、極めて激しい化学反応を引き起こすことになるでしょう。
そして、うまく行けばその激しい化学反応は、
TPPそのものをこの地球上から消滅させてくれる作用を及ぼすかも知れません。

少なくとも、「日本が交渉参加しない」と表明した場合よりも、
「日本が交渉参加する」と表明した場合のほうが、
TPPそのものが消滅するという、最も望ましい状態が成立する確率が確実に高まります。
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http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-578.htmlから引用。

日本の交渉参加表明によって、ニュージーランドらの農業国は、

”自国の農産物には関税をかけさせないが(日本からの)輸入品にはかけさせるぜ”

などと、

自由化でもなんでもないことを主張し、日本の主張とは真っ向から対立しているわけです。

普通なら、交渉決裂です。

一方、日本とアメリカで、事前協議を継続することが合意されました。

しかも、アメリカは、以前からTPPとは別個に二国間交渉をやっていたのです。

”エグいTPP”(農産物の関税撤廃など日本が絶対参加したくない形のTPP)には、

参加せず、アメリカとだけ交渉する、

という形が現実味を帯びてきた、とも言えます。

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オバマ大統領は世界最強の軍隊の最高司令官であり、
しかも彼は90日間であれば、議会の承認なしでその最強の軍隊を自由に動かす権限を持っている、
ということです。

その大統領と日本の総理の関係が極めて良好であれば?

仮に日本に「敵対する」国があるとすれば、
このことは少なくとも、そのような国の軍事的な判断材料の一つとして、
かなり強烈な抑止効果を発揮することになるのではないでしょうか?
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http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-578.htmlから引用。

上記の引用記事のタイトルはこういうものです。

最善は
「オバマ大統領と安倍総理の良好な関係だけを残して、
 TPPはまるごとこの世から消滅してしまうこと」


国家戦略研究
↑  http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/actions/201302/23usa.htmlより転載

こういう状態を保ち続けることが、日本に「敵対する」国を抑止することになるのです。

最初から「TPP不参加」と言ってしまうと、

”敵対国”は、「日米関係にヒビが入った、今がチャンスだ!」

とばかりに侵略行動を起こすかもしれません。

交渉参加を表明し、事前協議も継続することになったのですから、

”オバマ大統領と安倍総理の良好な関係”は成り立っています。

あとは、

”TPPまるごと消滅”

ですが、

これの実現のために、”農業国のふざけた主張”は、むしろ役に立ちます。

”そんなふざけたこと言うなら、参加しねえぞ!”

と言って参加しなければいいのです。

TPPは”日本が乗らなければ絶対に発車しないバス”ですから、

日本が乗らなければ、向こうから折れてくるでしょう。

三橋貴明さんは、だいぶ心配なさっているようですが、

上記の”理想”実現は決して不可能ではないと思います。


いったんは交渉参加表明し、アメリカとの関係が良好であることをアピールし、

農業国がふざけた主張をしているのを理由にTPPには参加せず、

アメリカとだけ交渉を続けて(アメリカの言うことを聞くようなそぶりをしながら)、

時間をかせぎ、核武装が実現したら、日本の国益を完全に守れる協定を結んで一件落着…、

というのが”理想のシナリオ”です。


オバマ大統領と安倍総理の良好な関係を残して”エグいTPP”が消滅し、
三橋さんの心配が杞憂に終わることを望みます。

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