「政治は難しいのだ」 | 朝倉新哉の研究室

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全ては日本を強くするために…

安倍総理大臣が、TPP交渉参加を表明しました。

こんなものは想定内です。

あわてる必要はありません。

あわてる乞食はもらいがすくない  ですから。

しかし、今、交渉参加表明しちゃうと、参院選で負ける可能性がありますが、

どうする気なんでしょう。

そこが心配です。

参院選で勝てないと憲法改正ができないでしょう。

9条は当然ですが、98条を改正してもらいたいんですよね。


第98条【最高法規、条約及び国際法規の遵守】

1 この憲法は、国の最高法規であつて、
  その条規に反する法律、命令、詔勅
  及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
2 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。


この条文をどういうわけか、”条約は憲法より上位にある”と解釈する人がいます。

私も大学時代、習った記憶があります。

この考え方を”条約優位説”といいます。

私は、条約優位説というのは、9条の”解釈改憲”と同様の”法律上の詭弁”だと思っています。

大学の授業でも、

条約優位説は、安保条約が9条に抵触する恐れがあるので、

条約は憲法に優先する、という解釈をひねり出すことで、

辻褄を合わせようとしたのだ、

と習った記憶があります。

常識的に考えれば、国内法に抵触する条約を結ぶのは、おかしいはずです。

それを条約が憲法より優先するなどというのは、おかしいと思います。

現状では、条約優位説が存在し、

TPPの規定は、国内法に優先する、と定められているはずなので、

ダブルパンチのようなものです。

憲法より条約が優先すると解釈できる余地のある条文が存在する状態で、

TPPが締結されてしまったら、TPPが憲法より優先するのを保証しているようなものです。

この状態を、98条を改正することで、「条約より憲法が優先する」という内容に改めれば、

少なくとも、

TPPの規定→国内法より優先

憲法→条約より憲法が優先

という状態にもっていくことができます。

”国内法より優先する条約を結ぶのは、おかしい”

という話になり、この点もTPPをグダグダにできる要素になります。

現状は、TPPに対して(法律的に)無防備な状態です。

これを改善してからでないと、絶対に締結すべきではありません。



憲法は9条だけでなく、98条も絶対改正!


これは強く訴えたいです。



『月刊 日本』2012年3月号に掲載された、
前農林水産大臣・山田正彦氏と立教大学教授・郭洋春氏の対談から引用です。

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TPPは農業だけの問題ではない。
食品や医療、保険、果ては自動車の安全基準まで、それは国民生活に直結する問題である。
TPPに参加すると日本は一体どうなるのか。
それには米国とのFTAに批准した、お隣の国・韓国の現状が参考になる。
本稿では、前農林水産大臣の山田正彦議員と、
アジア経済の専門家である郭洋春・立教大学教授に、
韓国経済の実情も踏まえてTPPについて多面的に語っていただいた。



アメリカ国民の大半がTPP反対だ

―― 1月8日、山田議員は「TPPを考える国民会議」米国調査団の団長として訪米し、
アメリカ政府関係者や業界団体らとTPPについて情報交換をされた。
アメリカではTPPについてどのように考えられているのか。


山田 まず、はっきりと申し上げておく必要があるが、
民主党政府はTPPに参加するとは表明していない。
あたかも日本がTPPに参加することが決定事項であるかのごとく
国内や海外で報道されているが、それは間違っている。


野田総理も国会で、交渉参加を前提としない事前協議であると述べている。
しかも、国会議員の365人がTPP反対の国会請願を出している。
おそらく日本がTPPを批准することはない。
私はアメリカの政府関係者に対してもそのように述べてきた。


さて、私は訪米するまで、アメリカは国を挙げてTPPに賛成しているかと思っていた。
しかし、現地に行き、それが間違いであることがわかった。
アメリカではTPP以前に、FTAなどの自由貿易そのものに対する不信感が強くなっているのだ。


2010年9月に行われた
NBCニュースと『ウォールストリートジャーナル』の世論調査によれば、
69%のアメリカ人が「米国と他国のFTAは米国の雇用を犠牲にしている」と答えた。
その一方で、FTAがアメリカに利益を与えてきたと答えたのは、たったの17%であった。


このような世論の反応はあまりにも当然のことだ。
というのも、彼らには自由貿易協定について苦い経験があるからだ。


アメリカにとっては、自由貿易協定はTPPやFTAが初めてではない。
カナダとメキシコとの間で結ばれ、1994年に発効されたNAFTAがその始まりである。


しかし、NAFTAはアメリカ国民にとって何一つプラスにならなかった。
NAFTAは、アメリカがカナダやメキシコから富を収奪する仕組みであると考えられているが、
NAFTAで利益を得たのは多国籍企業などの大企業だけだ。
アメリカ国内の企業が賃金の安い労働者を求めて工場をメキシコに移すといったことが頻発し、
アメリカ国内で100万人の雇用が失われたと言われている。


米韓FTAやTPPによってアメリカ国民の雇用が奪われるのではないか、
一部の大企業が儲かるだけではないのか
――こうした不信感がアメリカの一般国民の間で広がっている。
ウォール街占拠運動もその表れであろう。


オバマ大統領もそうした世論の動向に気づいている。
オバマ大統領は年頭教書演説で、TPPについて直接言及していない。
TPPが次の大統領選で有利に働かないとわかっているからだ。


反対しているのは世論だけでない。アメリカ議会の中にも反対派はいる。
リード農水委員長は、TPPはアメリカの農業にとって有利と言われているにも関わらず、
反対派である。
ピーターズ下院議員は14名のTPP反対の署名を集めて大統領に申請書を出している。
上院でも30名の署名を集めている方がいた。


要するに、アメリカでTPPに賛成しているのは、
大企業と、その意向をくんだ政治家たちだけなのだ。
それは日本で経団連がTPPを強く推進しているのと同様である。


TPPの危険性については、先に結ばれた米韓FTAを見ればよくわかる。
実際、アメリカのマランティス次席通商代表やカトラー通商代表補に対して、
TPP交渉においてアメリカは日本に何を求めるのかと尋ねると、
米韓FTAを見てください、日本に求めるものがそこに書かれている、と言われた。


また、アメリカ国務省からは、米韓FTA以上のハイレベルなものを求めると言われた。


このように、TPPの是非について判断するためには、
日本国民は米韓FTAがどのようなものであるかということをしっかりと認識する必要がある。
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TPPに日本を招くのは誤り…米議員10人が大統領に書簡

米民主党の上院議員10人が、
環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への日本の参加について
「この時点で、日本を招くのは誤り」
と反対する書簡を、オバマ米大統領に送付した。

書簡は17日付。日本メーカーが米国市場に大規模に進出している一方、
米国メーカーは日本で数多くの貿易障壁に直面していると批判。
これまでの長期間の交渉でも不公平さは解消できていないとして、
TPP交渉の限られた期間では
「真の公平さを実現できるとは思えない」と訴えている。

特に「米国の自動車メーカーと労働者への影響を懸念している」として、
日本のTPP交渉参加に反対する最大の理由が、
米自動車産業の保護にあることを明らかにしている。
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元々のソースは、http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20120721-OYT1T00700.htm
ですが、削除されていたので、
http://blog.livedoor.jp/maru2channel/archives/53712902.html
から転載させていただきました。

”この時点”というのは、2012年7月のことです。

アメリカ国務省は、”米韓FTA以上のハイレベルなものを求める”

と言い、

国会議員には、米自動車産業の保護を求める人たちがいる。

見事に矛盾してますね。

この矛盾も、TPPをグダグダにできる要素です。

交渉参加表明したからといって、それで万事休すではありません。

TPPをグダグダにできる要素はあるのです。

グダグダにできなければ、批准させなければいいだけです。


いずれにしても、安倍総理は、

一歩間違えれば、日本を破壊しかねない交渉に、あえて参加することで、

”悪魔の条約”を消滅させる戦いをしなければならないわけです。

しかも国民の支持を失うリスクを背負って…。

まさにキシリア少将のセリフ、

国家戦略研究
「政治は難しいのだ」
http://gundam1uruyo.blog.fc2.com/blog-entry-465.htmlより転載

のとおり、政治は難しいですね。


TPPをグダグダにさせるか、消滅させるか、批准させないか、
戦いは始まったばかりです。
日本は負けないぞ!
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