中国の手口 | 朝倉新哉の研究室

朝倉新哉の研究室

全ては日本を強くするために…

http://sankei.jp.msn.com/world/news/121030/chn12103021190006-n1.htm

からの引用です。

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衝突防ぐ仕組みづくりを 元駐日中国大使

中国の陳健・元駐日大使は30日、
沖縄県・尖閣諸島について日中が協議のテーブルに着き、
同諸島周辺で監視活動を続ける両国の艦船の
「偶発的な衝突を防ぐ仕組みを構築する必要がある」との考えを示した。
香港での講演で述べた。

陳氏は、協議のために「日本は現実を受け入れる必要がある」と指摘し、
日本政府が日中間に
尖閣諸島をめぐる領土問題が存在することを認めるべきだと主張。
関係悪化が続けば日中双方が経済的損失を受けるとして、
事態打開のために両国が話し合う必要があると強調した。

また、アジア重視に回帰した米国が、
存在感を高めるため南シナ海の領有権争いなどを利用していると批判。
日本は経済の低迷から右傾化しているとし、
米国は中立的立場から中国との協議に応じるよう日本に働き掛けるべきだとした。

陳氏は1998~2001年に駐日大使を務めた。(共同)
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>日本政府が
>日中間に尖閣諸島をめぐる領土問題が存在することを認めるべきだと主張。

これが中国の常套句です。

歴史問題においても、

「日本は(支那事変→大東亜戦争が)侵略戦争であったことを認めろ」

と、まず、侵略であったことを認めさせようとします。

この前提に基づいて、日本を責め立てるわけです。

”領土問題が存在する”ことを認めさせることが、

中国にとっての第一歩なのです。

これを認めさせれば、あとは、中国の望み通りにできるのです。

日本は絶対に領土問題の存在を認めてはいけません。

(歴史問題では、政治家や学者などが侵略と認める発言をしているので、
 それにつけこまれて、国益を損なってきたのです)

歴史問題の轍を踏んではなりません。


>関係悪化が続けば日中双方が経済的損失を受けるとして、
>事態打開のために両国が話し合う必要があると強調した。

経済的損失を受けるのは中国のほうです。

日本は、製造拠点を別の国に移すだけ、資本財を別の国に売るだけ、

で、製造業については、それほどの損失は受けません。

販売拠点の撤退による損失は受けますが、

別にそれで日本経済の屋台骨が揺らぐほどではありません。


次に

http://sankei.jp.msn.com/world/news/121102/chn12110217580003-n1.htm

からの引用です。

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日本政府による沖縄県・尖閣諸島の国有化に反発している中国政府が、
尖閣をめぐり領有権争いが存在することを日本側に認めさせた後、
尖閣周辺海域の共同管理などを話し合う
定期協議を求めるとの対日外交方針を固めたことが2日、分かった。
複数の日中外交筋が明らかにした。

一方、胡錦濤指導部は9月、
日本に国有化を撤回させるため
(1)持久戦(2)外交戦(3)経済戦-を展開するという大方針も策定。
対日工作調整委員会を設置し、
トップに次期最高指導者に内定している習近平国家副主席を指名したという。

日中の外務省は尖閣国有化後も次官級や局長級協議を続けているが、
日本側は「領有権問題は存在しない」という原則的な立場を崩しておらず、
定期協議に応じる可能性は当面ないとみられる。(共同)
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領土問題の存在を認めると、上記の記事のように、

共同管理の話し合いなどという方向へと持って行かれてしまうのです。

領土問題が存在する
 ↓
じゃあ、それを解決するために、話し合おう、争いを止めるには、共同管理がよかろう

と、これが中国の狙いなのです。

話し合いの場に出ることになれば、

なんらかの形で、共同管理のような決着の仕方に持って行かれてしまうのは、

必定ではないかと思います。

領土でもなんでもなかった土地を共同管理にできるだけでも

中国にとっては、大勝利です。

戦わずして領土を半分獲得したも同然ですから。

そして、共同管理としたあと、徐々に中国だけのものにしていく工作を展開してくのは、確実です。

領土問題の存在を認める→領土問題を話し合う場に出させられる→共同管理

→いつのまにか中国領に…

中国は、こんな図式を描いているのでしょう。

”領土問題の存在を認めさせる”

これは、中国にとって、”戦わずして勝つ”ための手口です。

だから、日本は、領土問題の存在など絶対に認めてはならないのです。



国家戦略研究
兵法書『孫子』を著した孫武 
(「孫子」とは書物の名前であると同時に孫武に対する尊称でもある)
http://weddos.blog46.fc2.com/blog-category-44.htmlより転載


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百戦百勝は善の善なる者に非ざるなり。
戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり。

百たび戦闘して百たび勝利を得るというのは、最高にすぐれたものではない。
戦闘しないで敵兵を屈服させるのが、最高にすぐれたことである。
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 ↑
『孫子』金谷治 訳注 岩波文庫 より転載


”勝つ”ということは、”目的を達成すること”と言い換えることができます。

中国の目的は、尖閣諸島を中国領にすること、尖閣周辺に埋蔵されている資源を獲得すること、

です。

戦わないで、この目的を達することができれば、1番いいわけです。

どんな弱い相手でも、戦えば必ず損害が出ます。

戦わないで、目的を達することができれば、

損失なしで果実を得られる=リスクなしでリターンを得られる、

ということで、最も利益が大きいわけです。


逆に、日本目線から見ると、

領土問題の存在を認めなければ、

戦わずして(=中国と交渉する必要がなくなる)

勝つ(=領土を守る、という目的の達成)

ことができるわけです。


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