藤巻健史氏が書いた
『なぜ日本は破綻寸前なのに円高なのか』
という本があります。
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%AA%E3%81%9C%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AF%E7%A0%B4%E7%B6%BB%E5%AF%B8%E5%89%8D%E3%81%AA%E3%81%AE%E3%81%AB%E5%86%86%E9%AB%98%E3%81%AA%E3%81%AE%E3%81%8B-%E8%97%A4%E5%B7%BB-%E5%81%A5%E5%8F%B2/dp/4344021223/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1343608327&sr=1-1より転載
アマゾンのレビューの中から、抜粋して引用します。
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藤巻氏の円高論については、どの書籍でもそうですが根拠が示されていません。
「買われるべくもない円が買われているだけのこと。将来は大暴落する。」
というのは非常に卑怯と言うか、読者を馬鹿にしてやしませんかね?
また、「日本の通貨は現在、国力を反映していない。」と言っていますが、
国力とは何を指すのかという定義も良くわからない。
財政問題だけを見れば世界最悪かもしれませんが、それ以外は世界一とも言えるんですけどね。
藤巻氏の経歴からすれば、さまざまなデータを持っているはずなのに何故具体的な根拠を示さないのでしょうか?
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当ブログで以前述べたように、日本の財政余裕度は世界一です。
>財政問題だけを見れば世界最悪… それ以外は世界一
ということは、
”財政以外は世界一だが、財政だけ世界最悪”
ということです。
ちょっとおかしくないですか?
他の指標では世界一で、財政だけ最悪というのは不自然ではないですか?
日本の財政はそんなに悪いのか、は、丹念にデータを集めていけば、真実がわかります。
そうやって、データを集めて、
「日本の財政は最悪ではない、むしろかなり余裕がある、
いやそれどころか世界一といってもいいくらいだ」
ということに気づいたのが、廣宮孝信さんです。
それを本にしたのが、
『国債を刷れ』であり、『国の借金 アッと驚く新常識』です。
>藤巻氏の経歴からすれば、さまざまなデータを持っているはずなのに
>何故具体的な根拠を示さないのでしょうか?
データを出せば、日本の財政が最悪ではないこと、
本の中で藤巻氏が主張していることが間違いであることがわかってしまうから出さないのです。
”日本は破綻寸前…”というタイトルですが、
日本が破綻することはありえないことは、財務省自身が言っていることです。
http://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/rating/p140430.htm
外国格付け会社宛意見書要旨
によると、
>日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。
とあります。
自国通貨建て国債は、財政余裕度を図る指標ではないのです。
『国の借金 アッと驚く新常識』
で明らかにされたように、
国連の報告書の中で、財政余裕度を見る指標として挙げられているのは、
経常収支
対外債務
総貯蓄率
外貨準備高
財政収支
です。
自国通貨建て国債がいくらあるか
は、入っていません。
自国通貨建て国債がいくらあるか、は、その国が破綻するかどうかには、全く関係がないのです。
極端な話、国債発行残高が何千兆円あろうが、破綻のしようがないのです。
http://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/rating/p140430.htm
外国格付け会社宛意見書要旨
には、こうもあります。
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・マクロ的に見れば、日本は世界最大の貯蓄超過国
・その結果、国債はほとんど国内で極めて低金利で安定的に消化されている
・日本は世界最大の経常黒字国、債権国であり、外貨準備も世界最高
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興味深いことには、上の文言は、財政余裕度指標に、ちゃんと対応しています。
経常収支→”日本は世界最大の経常黒字国”
対外債務→”日本は世界最大の債権国”
(対外債務がどのくらいあるか、が財政余裕度の目安なのですが、
日本は債務を大幅に上回る債権があるので、”余裕シャクシャク”なのです。
つまり、外国から借りているお金より、日本が外国に貸しているお金のほうがはるかに多いのです。)
総貯蓄率→”日本は世界最大の貯蓄超過国”
外貨準備高→”外貨準備も世界最高”
(この”外国格付け会社宛意見書要旨”が書かれた時点では、日本の外貨準備高は世界一でした)
財政収支についてだけは、書いていませんが…。
ただ、当ブログの『日本の財政余裕度は…』という記事で述べたように、
財政収支は、財政余裕度の指標として適当ではありません。
財政収支が悪くても、日本の場合、
経常収支、対外債務、総貯蓄率、外貨準備高(これも財政余裕度の指標としてあまり適当ではないのですが)
の面で、世界最高レベルにあるので、”余裕”なのです。
財政収支をよくしたいのであれば、
”正しい道”を進めばいいだけです。
政府の支出を増やし、金融をもっと緩和し、名目GDPが増えるようにすればいいだけです。
別の方が書いたレビューは、こうです。
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とあるTV番組で
「日本は破綻するから、円で銀行にたくさん預金があると大損する!」と主張していた人がいて、
こういうことを言えばこの人は何か得するんだろう、
と思って調べたらやはり外貨FXなどを扱う金融コンサル系会社の社長でした。
この著者も”金融コンサルティング業”されてますね。
ところで、海外では日本破綻についてどう考えられているのだろうと思い、
"Japan Default"や、それに"possibility"などを加えたキーワードでGoogle検索してみたら、
全然話題にもなっていない。
名の知れたニュースサイトではForbesぐらいがその記事の中でdefaultという言葉を使っていました。
その記事「Japan Default Risk(日本破綻のリスク)」では、
「日本は、今後経済が悪化するのはあり得るが、破綻までいくかというと、
ほとんどの日本国債は日本国内で買われているから、
また国民の資産(預金)額が大きいので危機的になる可能性は低い。」とあります。
そうなるとこれまで通り銀行に資産がある程度あったほうが良いということになりますよね。
(もちろんお金を使わずひたすらためこむのもダメですけど)
「国債が国内で・・・だから破綻しない、が嘘!」という本もいろいろ出ているみたいですが、
いずれにしても人を不安にさせる文字のほうが注目を引き付ける
(電車の中吊りの大げさな文言と同じ)ので、もう常套手段なんでしょうか。
右往左往するとバカをみそうです。
円資産が危ないと主張する人はよく預金封鎖も例にとってさらに不安を煽りますが、
戦後の封鎖預金でお金が紙くずになったなんてことはなく、
銀行から毎月おろせる金額の上限が設けられただけだそうで。
英語のわかる人は、海外の情報にも目を向けたほうがよいと思います。
とにかく偏らないよう冷静に情報集めをするのがよいのでは。
もちろんネット上の情報も玉石混合ですが、
それでも煽り系の意見は鵜呑みにしてはいけないと思います。
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藤巻氏もそうですが、”日本は破綻する”と主張している人たちの多くは、
外資系金融機関の息のかかっている人たちです。
(藤巻氏は、モルガン銀行の東京支店長だった)
彼らは、日本の金融機関や、一般の日本人が、”堅実な運用”をすると困るのです。
日本の金融機関が、日本国債を買う、
一般の日本人が(日本の金融機関に)預金のみをして、他の方法での運用をしない。
そうなると、外資系金融機関としては、外貨預金もしてくれない、彼らが扱う金融商品も売れない、
FXをする人もいない、
ということになるので、”商売あがったり”になるわけです。
最も支持されているレビューはこちらのようです。
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最初の円安本から10年経ちました。
この間、逆に円高になりました。
私は藤巻氏の意見は何十年先のいつかはそうなると思いますが、
藤巻氏は素人ではないので、そろそろ結果責任を感じた
ほうがよろしいかと思います。
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>私は藤巻氏の意見は何十年先のいつかはそうなると思いますが
この部分は、間違っていると思いますが、
他は同意できる内容です。
日本が”正しい道”を進めば、藤巻(ここからは敬称略)が言うようなことには、なりません。
”正しい道”を歩むことを妨害しているのが、藤巻であり、同じような主張をしている連中なのです。
外資系金融機関としては、”営業”の一環としてやっているのかもしれませんが、
そのために、日本経済は足を引っ張られているのです。
彼らが、同じことをしつこく主張してきたために、
”日本の財政は破綻寸前だ、だから、支出を削らなければならない”
”無駄な支出を削れ”、”事業仕分けだ!”、”ダムを作るな、堤防を作るな”、
という方向へと誘導されてしまったのです。
これだけでも、十分”罪”がありますが、
私が、以前の記事で、外資系金融機関は憎むべき敵だ、と言ったのは、
これだけが理由ではありません。
彼らは、もっとひどいことをしてきたのです。
藤巻らの、いわゆる”破綻論者”たちは、
積極財政によるデフレ脱却、不況脱出を不可能ならしめるために活動しているかのように見えます。
彼らは、”営業”のつもりでやっているのかもしれませんが、
彼らの活動は、日本経済の足を引っ張る方向に作用しています。
結果的にそうなっているだけであっても、足を引っ張る作用に加担している以上、
”反日活動”をしている”反日分子”と見なされても、仕方ありません。
よって、藤巻健史は、反日売国奴に認定です。
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