村上龍さんの小説、『愛と幻想のファシズム』
愛と幻想のファシズム 上巻 講談社文庫
http://www.amazon.co.jp/%E6%84%9B%E3%81%A8%E5%B9%BB%E6%83%B3%E3%81%AE%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%B7%E3%82%BA%E3%83%A0%EF%BC%88%E4%B8%8A%EF%BC%89-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%9D%91%E4%B8%8A-%E9%BE%8D/dp/4061847392/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1340588256&sr=1-1より転載
私は、大学時代、ゼミの先生に「読め」と言われましたが、結局読みませんでした。
ウィキペディアに出ていた あらすじ を読んで、驚きました。
今の日本と世界の状況に似ているのです。
>世界経済が恐慌に向かい日本が未曽有の危機を迎える
そして、「ザ・セブン」なる多国籍企業集団が、
世界の再編成に乗り出し、日本を属国化しようとする、という内容なのです。
アマゾンのレビューにも、
>まるで今の日本を
>20年後の歴史家が,当時を思い起こして描いたかのようである。
>この小説は「経済・金融システム」(政治はそのための道具)と、
>それに抗う人間をテーマにかかれているのですが
>2012年の現在、金融をみているとすくなからず実感を持たざるを得ません。
>米国によるグローバルスタンダードなど本質的な部分が言い当てられていることを考えると、
>バブル崩壊以前にこの小説が書かれていたというのはすごいことだ。
とあります。
この作品は、1984年1月から1986年3月まで、「週刊現代」に連載されていました。
よって、東欧の民主化やソ連の崩壊などは全く予想できなかったようで、
”米ソが世界再編成の陰謀を企んでいる”
という、現在から見れば、ありえない設定もなされています。
(連載終了の5年後にソ連は崩壊していますから、
”アメリカとソ連が組んで世界再編成”というのは、ありえないことです)
『グローバル経済に殺される韓国 打ち勝つ日本』三橋貴明 徳間書店
には、
韓国が外国人株主(三橋さんはグローバル投資家と呼んでいます)に支配され、
日本もそれに近づきつつあることが書かれています。
何やら、多国籍企業集団「ザ・セブン」が、世界の再編成に乗り出し、日本を属国化しようとする、
というのにダブって見えます。
「ザ・セブン」を、三橋さんの言うグローバル投資家に置き換えると、
よく似た状況になっています。
『愛と幻想のファシズム』では、
主人公、鈴原冬二が、狩猟社という政治結社を結成し、「ザ・セブン」と対決します。
排害主義者宣言
http://haigai.exblog.jp/16134627/
というブログで、日韓国交断絶デモの様子が掲載されていました。
デモを主催した日韓断交共闘委員会、そして協賛の新攘夷運動 排害社以下の団体は、
日本を韓国化しようとするグローバル投資家や大手輸出企業に対抗しているわけです。
これは、「ザ・セブン」に対抗しようとする”狩猟社” になぞらえることができるでしょう。
『愛と幻想のファシズム』
狩猟社 対「ザ・セブン」
現実
排害社などの団体 対 グローバル投資家
という図式になっているわけです。
企業は、環境に適応しようとする存在です。
デフレという環境に適応しようとすると、
工場を海外に移転したり、賃金を引き下げたり、リストラしたりするのは、
企業としては当然の行動です。
しかし、それでは、失業者が増え、日本市場が縮小し、国民が不幸になるから、
デフレという環境を変えなければならないのです。
環境を変えることができるのは、政治です。
企業は、環境を変えることはできません。
政治が環境を変えるように仕向けるのは、我々有権者なのです。
有権者が正しい知識をもち、
デフレ脱却のために、金融緩和と財政出動をセットで行え!
公共投資を増やせ!
企業が正社員を増やすような施策をやれ!
と、政治家に圧力をかければ、環境を変えることは可能なのです。
『グローバル経済に殺される韓国 打ち勝つ日本』で三橋さんが言っているように、
>経団連にしても、べつに日本国民を不幸にしたいとは思っていないはずだ。
というわけで、
デフレという環境に適応しようとしているだけなのかもしれません。
しかし、その行動が、日本国民の所得を下げ、非正規雇用を増やし、
少子化をも招いているのです。
結局のところ、根本の原因はデフレなのでしょう。
デフレという環境を変えれば(正社員増加のための策も同時にやれば)、
企業は国内市場に目を向け、
非正規雇用は減り、
少子化も解決に向かいます。
それから、”株主至上主義”も問題です。
アメリカは、”会社は株主のもの”という考えでやってきてましたが、
(それが資本主義本来の考え方なのでしょうが)
”会社は従業員のもの”という日本的経営、日本型資本主義に負けたはずなんですが…。
性懲りもなく”株主至上主義”を推し進めようというんでしょうか?
それをやってるのは、アメリカというより、”グローバル投資家”のようですが…。
グローバリズムに基づいた”改革”で何かよくなったんでしょうか?
グローバリズムで世の中がよくなる、というのは幻想にすぎないと思います。
韓国の現状を見ればわかると思います。
”従業員株主制度”というものがあったはずなんですが、どうしたんでしょうか?
企業が、人件費を削って、配当を最大化する、という方針であっても、
配当を受け取る株主が従業員であれば、従業員の収入は減ることはなく、
むしろ、増えるので、いいかもしれません。
”企業は株主のもの”という考え方にどうしても抗しきれないなら、
従業員株主制度を最大限に活用すれば(正社員増加策も併用すれば)、
非正規雇用、ワーキングプアの増加を防ぎ、日本市場の縮小を防ぎ、
少子化の解決を図ることは可能かもしれません。
そんなわけで、今日の内容は、『グローバリズムは幻想にすぎない』
というタイトルのほうがふさわしいかもしれません。
『愛と幻想のグローバリズム』の”愛”が登場していませんから。
無理やり”愛”に絡めるなら、
デフレ脱却策(金融緩和+財政出動)を打ち、正社員増加策を行えば、
婚姻件数が増えるので、”愛”がたくさん生まれることになります。
”愛と幻想”のグローバリズム、
ではなく、
”愛”と”幻想のグローバリズム”
(愛は愛だけ、グローバリズムは幻想だ、というのとは別)
という意味なら、一応、”看板に偽りあり”にはならないかな?
かなり、無理やりですね。
無理やりついでに、日本がデフレを脱却し、正社員が増え、
多くの愛が生まれることを願って、この動画を掲載したいと思います。
藤谷美和子さんと大内義昭さんが歌ってヒットした『愛が生まれた日』です。
あなたとならば生きて行ける
君とだったら生きて行ける
いい言葉ですね。
日本に愛が生まれるためには、
中国製品不買、日本製品購入促進、韓流追放、
が必要です。
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