復興財源は国債だ! | 朝倉新哉の研究室

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全ては日本を強くするために…

YOUTUBEで、すばらしい動画を見つけました。

東日本大震災復興特別委員会で行われた

京都大学の藤井聡教授の公述です。

3分10秒ぐらいまでは、”前置き”のような感じなので、

とばしてください。

第一に見ていただきたいのは、

3分13秒から3分24秒までの部分です。

「20兆から30兆の国債を今すぐ発行せよ」

と言っています。

国債は、”国の借金”ですが、

国債の増発については、反対する人も多いのが現状です。

2010年12月末の発行残高は919兆1511億円もあるので、

「これ以上、国債を発行したら、日本は破綻してしまう!」

という意見を言う人が少なくありません。

はじめてこの事実を知った人は、

日本は1000兆円近くも借金があるのか!と驚き、

「政府がたくさん無駄遣いしてるから、

そんなに借金が多いんだろう。無駄を削れ!」

という意見をもつようになるのではないでしょうか。

しかし、ただ単に借金が多いから、

国が破綻するわけではありません。

国が破綻するかどうかは、外国からの借金が

どのくらいかで決まるのです。

もっと言えば、

外国から外国通貨建てで、どれだけ借りているか、

その額が返せる額かどうか、それで決まります。

日本の国債を買っているのは、95%が国内投資家です。
(”機関投資家”と呼ばれる銀行や保険会社など)

私たちが銀行に預けたお金で、銀行は国債を

買っています。

国は、銀行を通じて、私たちからお金を借りているのです。

外国からは、ほとんど借りていないのです。

ウィキペディアにも

>国家が債務不履行に陥るのは、
>外国から外国通貨建てで借金している場合である。
とあります。

ムーディーズという格付け会社が、

日本の国債を格下げしたことがありました。

このとき、財務省は、HPに、英文で反論を掲載しました。

その中には、

>自国通貨建て国債のデフォルトはありえない

とあります。

*デフォルトとは、債務不履行、借金が返せくなること、
 破綻ということです

日本の”国の借金”は、日本円で私たち日本国民から

借りているので、破綻することはありえないのです。


2008年に起こった金融危機で、

アイスランドは財政が黒字なのに破綻しました。

日本は借金を減らせ!財政赤字をなくせ!

財政を黒字にしろ!

という意見を言っている人たちは、

これをどう説明するんでしょうか?

財政黒字を目指す

というのは、一見よさそうに見えますが、

実は、意味のない政策です。

それでも、「借金が増えるのはいかん」

「国債はいかん」

という意見が強い場合、政府紙幣を発行する、

という手があります。

お札に”日本銀行券”と印刷されているように、

お札は、日銀が発行しています。

これを日銀ではなく、政府が発行するのです。

”ミスター円”の異名をもつ元大蔵官僚、榊原英資氏

など何人かの著名人が、政府紙幣発行を提言しています。

「今は非常時なのだから、政府紙幣を発行したって

いいじゃないか。国債と違って借金も増えないんだから。

増税すれば景気は悪くなる。増税はすべきではない。

だったら、借金も増えない、増税しなくてもすむ、

政府紙幣を、復興財源にすべきだ」

とまあ、こんな感じで、国債に反対している人たちを

説得できるのではないかと思うのです。

しかし、政府紙幣は、”次善の策”です。

国債増発のほうが優れているのです。

なぜか?

政府紙幣は、銀行の運用先にならないからです。

銀行は資金の運用先に困っています。

私たちが銀行にお金を預けると利子がつきます。

利子は、私たちから見れば、”もらうもの”ですが、

銀行から見ると、”払うもの”です。

銀行は、預金者に利子を払わなければなりません。

利子を払うためには、お金を増やさないといけません。

そのために、銀行は貸出をするのです。

しかし、企業は銀行からお金を借りなくなっています。

銀行が個人に貸す住宅ローンも、減っています。

2010年のマンション販売戸数は84701戸で、

2005年の167465戸の半分程度です。

企業も個人もお金を借りない…。

そんな状況で、どうやってお金を増やして

利子を預金者に払うのでしょう。

金融業は”貸してナンボ”なのです。

外国の金融商品は、危なくて買えません。

リーマンショックの前なら、有力な運用先だった

でしょうが、今は論外です。

私たちの大事な預金を、あんな危ないものに投資する

わけにはいきません。

その点、日本国債なら安全です。金利は低いですが…。

国債には、銀行の運用先になる、という長所の他に、

政府紙幣よりインフレになりにくい、という長所もあります。

それでも、国の借金が増えるのは、なんとなくイヤだ、

という印象をもつ人が多いでしょう。

借金を増やしたら、いずれ増税して、返済しなくちゃ

いけないじゃないか、と思う人もいるでしょう。

ということは、

返済するために、増税しなければいいわけですよね。

増税しないで返済できれば、何の問題もないわけです。

国債の返済は、経済成長による税収の自然増によって

行うべきものなのです。

日本の税制は累進課税です。

累進課税だと、経済成長すると加速度的に税収が増えます。

増税などする必要はないのです。

増税は、本来、過熱した景気を冷ますためにやるべきこと

なのです。


”国の借金問題”については、まだまだ説明しなければ

ならないことがたくさんあります。

私は、日本が抱えている問題の根本には、

”国の借金に対する誤解”があると思っています。

この誤解を解くことが日本復活のカギであると

思っています。

藤井教授のお話についても、ほんのちょっとしか

ふれることができませんでした。

次回もこの映像をもとにした記事にする予定です。

http://www.youtube.com/watch?v=dIAsNSrUjps&feature=related

やり方がまずいのか、なぜか映像が出ませんので、
上記のURLをコピーして、ご覧になってください。