私の中の棘
私は まだ 欠片を持っている
「捨てればいいのに」
欠片は欠片 すべてではない
だから 決して 望むものでない
「忘れればいいのに」
捨てたはず
手放したはず
なのにまだ ここに ある
「こだわり?」
忘れた
「執着?」
知らない
「涙?」
途切れた
なのに 棘のような 欠片が
私の中で 身をよじる
忘れた先で 囁く痛み
「わ す れ ろ」
あの人も そう言うだろう
「す す め」
目覚めた 私は そう願う
けれど
必ず訪れる 夜が
静寂な 闇が
瞼の裏で言うのだ
「痛みこそ 全て」
そう この痛みこそ 貴方を思う 私 すべて
■■■Copyright (C) 2010 カラム All Rights Reserved.■■■