椿
とまらない
もう蕾は描かれて
無常にも優しい風が 誘うように包むから
私がどんなに願っても もう花はほころびはじめる
ああ 香りが
絹糸のようにほどけ始めて
今更留まることは許されず
どんなに冷たい雨に打たれようとも
閉じ戻ることは叶わず
ああ 咲ききってしまうのか
貴方は気づいてくれたのか
その手で摘み選ばれぬのなら
いっそ時など待たずに
首から落としてくれればいい
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