前回の続きです。

 

ホーチミン3日目の午後。
Dさんとの約束の時間まで、あと2時間程という頃のことです。
 

行動を共にしていたお2人が、帰国するにあたって、荷物をまとめている中

私は散歩と称して、一人でサイゴン川に向かって歩いていました。

その途中、バイクタクシーの男性ドライバーから
「どこから来たの。
1時間2ドルで、中華街のチョロンまで行かない?」
と英語で声をかけられました。

バイク(タクシー)とは、原付バイクのこと。


ベトナムでは「ホンダ」と呼んでいました。

 

でも、このドライバーが乗っていた「ホンダ」は、「スズキ」のもの。
よって「スズキのホンダ」という、日本人の私からしたら、

なんじゃそりゃな呼び名になる訳です。

当時、日本人は、お金を持っていると言われていて、
騙されたり、薬を盛られたりといった情報を
ガイドブックで読んでいた私は、警戒心バリバリ。

あんまり答えたくないなあと思いながら
「いらない」というジェスチャーを返し、
そのまま通り過ぎようとしました。

でも、相手も商売。

話かけるのをやめずに、
「どこから来たの?

行こうよ行こうよ行こうよ」とついてきます。

 

そんな訳で私は、

日本から来たことを伝えたり、

「友人との約束があるから」と答えて

断ったりしていたのですが、

 

「本当に1時間2ドル?」という
「本当に1時間2ドルだから。」
というやり取りを繰り返すうちに
大丈夫な感じがしてきて、


必ず1時間後に戻るという約束をしてから、
チョロンへと向かいました。

実は、午前中、
戦争博物館に行くために、
到着した晩にご飯を食べた

例のカフェの店長(日本人男性)に
バイクタクシーの手配をお願いしたのですが、

移動の最中、ずっと
安全のお墨付きの中年ドライバーから漂う
汗をかいたまま、風呂に入っていないだろうと思われる

激臭にクラクラしていたのです。

なので、ひそかにそっちの方でも、ビビっていました。

でも、ドライバーH氏は、爽やかな感じ。

向こうが、簡単な自己紹介をしてきたので、

こちらもするうちに、少しずつ打ち解けました。

2歳上という、年齢の近さもあって、話しやすい。

H氏から、説明を受けつつ、
夕暮れのチョロンの景色を十分に堪能した私は
思いがけないドライブに、満足をしていたのでした。

今のベトナムでは、
ヘルメット着用が義務付けられているようですが、
当時は、ノーヘルが当たり前。

ほど良いスピードで、
風を切ってノーヘルで走るのは、
本当に気持ちが良かったです。

後に怖い思いもするのですが。

そういえば、私が、高校生の頃は、
日本の原付バイクもノーヘルOKでした。
 

時に「常識」は変わるもの。
長く生きたことを実感します。

約束通り、1時間のうちに、ホテルに着く頃。

「明日はどうするの?
どこか行かない?
カントーとか、ミトーとか。」
とH氏から、聞かれました。

予定については、この後、D氏の家に行ってみないと、

何とも言えません。

もし、予定が入らなければ、時間が空きます。
私は、どこかに行くのも良いなと思っていました。

なので、
「今晩、友人の家に行って、そこで予定が分かるから、
明日の朝に、ホテルに来てもらって、
その時に、行く・行かないの返事してもいい?」
と返して、その日は別れました。

これを機に、私は

  • 富裕層のD氏
  • 小学校教育を途中で終えているH氏

という、格差が生じる2人を通じて、

ホーチミンでの残り時間を過ごすことになります。
 

 

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