写真詩で綴る、失われた自分を探す物語。全16回の予定です。
ストーリーを意識しているので、第一回 から順に見て頂けると嬉しいです。
目次が第一回 にあります。
『流れ込む夏のかたち』
第二章 南へ
その日は突然訪れた。
何の準備もなかった。
まるで見知らぬ自分が固い決意で動くように、最小限の物をかばんに詰め込み空港へと向かった。
詩「消えた私」
仕事を辞めてみた
なんだかいやんなっちゃってさ
南の島のビールに私は満足した
明らかに平日の昼間
今頃あくせくと働く元同僚を
つまみにして幸福を感じた
私は未だ戦っている
決して逃げたのではない
南のビールは一口でぬるくなり
苦くまずくて
「逃げたのだ」とつぶやいてみる
「負け犬だ」
グラスはあぶら汗を流した
かっぱぶいこ
ポチッとお願いします
にほんブログ村