私の病院は保健センターから患者さんが送られてきます。

うちの病院で処置が出来ない患者さんは
コトヌーの大学病院もしくは母子病院へ移送指示が出されます。

で、保健センターを管理しているドクターが来て
「7・8・9月に移送指示を出した患者のカルテが見たいから探してくれ」と。

移送支持の用紙は上半分に「指示を出したセンター」が個人情報や病態を記入
下半分に「受けた施設」が時間や処置・経過を記入して
「指示を出したセンター」に戻すようになっているんだけど
このシステムは全く機能してなくて

移送の理由はほぼ「マラリアによる貧血」
血液検査ができない保健センターもあるし
輸血ができる一番の末端機関がうちのような地域病院

2つの保健センターからの台帳を持ってきていたのだけれど
月平均10人くらい指示が出されていて
実際に診察を受けに来たのが1・2名

来れない理由は
・経済的な問題
 (薬代・入院費・病院までの交通費が払えない)
・他の病院に行ってしまった
など、あると思うけど
今回の保健センターは車で1時間以上かかる場所だったので
交通費が払えないのが、まず第一の問題なのかな。と分析

最近は少なくなったけど夜中のうちに治療費が払えないからと
逃亡する患者さんもいることは現実だし(今月もすでに2件)

日本の国民皆保険制度ってすごいなぁと思うのと同時に
健康や医療に対する意識の差を改めて感じました。
日本とベナンの差ではなく、個人の意識の差

行動変容をともなうから難しい問題だけど
『予防』と『早期受診』が結果的に
経済負担を減らすことができるって多くの人に
理解して欲しいなぁ。