#287 東北縦貫線観察記 第18.5閉塞 ～鴬谷～

前回の続きです。

上野の広大な停車場は鴬谷付近から既にゴチャゴチャし始めますが、その鴬谷を過ぎた辺りにも信号が新設されているのに気付きました。
面白そうですので鴬谷に向かってみることにしましょう。




▲鴬谷駅の陸橋より南方を望む


鴬谷付近から、宇都宮線・高崎線の複々線と常磐線の複線は上野駅の高架・地平ホームそれぞれに分かれていきます。
鴬谷駅の陸橋から南方を見ると、複数の信号機が見えます。
宇都宮・高崎線の高架の信号は、下写真のように高架ホームの場内信号機として、ホームの進入先を表示できる構造になっています。



▲高架ホーム向けの場内信号機

LEDで到着番線が表示される仕組みです。
これは以前からあるようですね。


新設の信号機は常磐線向けで、中継信号機と場内信号機が新設されたようです。



▲常磐線高架ホーム行き線路の中継信号機


中継信号機の少し北にあるのが場内信号機です。
例の如く黒いフィルムで隠されているので、拡大してみます。


▲常磐線高架ホーム向けの新設場内信号機


高架二場とあるので、高架ホーム向けの第二場内信号機と見ることができます。
常磐線も、東北縦貫線竣工の際に特急列車を含めた上野以南への直通が明言されています。
朝夕のラッシュ時など、常磐線上り列車と宇都宮線・高崎線上り列車の高架ホームへの進入本数が増加するため、高頻度運転に対応するためにこの様に信号が追加されたのでしょう。


その先にも多数の信号機が構えていますが、信号機群の下にビニールで覆われた進路表示器がありますので、こちらも常磐線が多数のホームに進入できるようにとられた措置でしょう。
こちらも今回の縦貫線工事に伴い増設された信号でしょう。
上りの常磐線がこちらの方面から進入できるのは、７～12番線ですので、その全てに進める様に対応している筈です。
現在常磐線は7,8番線を使用していない筈ですが、今後はこれらの信号が示す通り、7～12番線全てに入線し列車をさばくことになるのでしょう。



▲常磐線高架ホーム行き線路に設置されている各ホームへの信号機


それではさらに上野方面に向かいます。
高架部については各分岐器の改修が進められることとなっているようです。
既にほとんどの分岐で改修が完了しています。
下の写真のうち、右写真手前は常磐線の11,12番線ホームですが、分岐器だけ新しい枕木と転轍器に変わっています。

▲上野駅構内。分岐器が新しくなっているのが目立つ


東北縦貫線関連の部分は、分岐器の枕木が合成化されたほか、転轍器が新しくなり、そこへ続く配線も新しいものが目立っています。
分岐器の反応速度が増したのか、上野南方での配線敷き直しによるシステム上の改修か、単なる更新か、何なのでしょう。


＜2013/12/25追記：この転轍器については、電気融雪器が追設されている模様です。こちらの記事を参照ください。＞


下写真は一番左に常磐線10番線ホームを写した写真ですが、列車脇の分岐器も手が加わっているのがわかります。



▲上野駅高架ホーム付近の構内では、ほとんどの分岐器に何らかの手が加わっている


見れば見るほどムカデの様に見えます。



▲改修後分岐器の拡大


そういえば11,12番線ホームは今後も常磐線の折り返し用ホームである訳ですが、ここにきて改良されているのを見ると、今後も常磐線主力のホームであり続けることを示唆していますね。

地平ホームの列車の分を高架ホームに持ってきて、その分地平ホームの合理化を図るという話も、ない事はないと思います。
どのような運用になっていくのでしょうか。

▲上野駅の案内板


現在では、常磐線中電と取手までの快速線と扱いが若干分かれている常磐線ですが、今後は快速線への東海道・宇都宮・高崎各線の車両の間合い投入などもありえなくはないのかな、と感じるこの頃です。

運用共通化による効率化が進めば、ラインカラーなどを超えた車両の運用が活発化してもおかしくはありませんね。
従来の枠組みにとらわれない、最適化された解が近い将来に待っている筈です。

▲上野駅の案内板


そんな訳で、常磐線系の上野場内信号機の増加の様子でした。
白いバツ印の信号は、夢が膨らんでいいですねぇ。。。