ベルリン市長 空港建設の遅れで 引責辞任 | Kazuのかんたんドイツ語 【文法・語法・会話】

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ドイツ語は難しい?いえいえ、実は英語よりも簡単です。挨拶・発音・数字から、ドイツ語を簡単に分かりやすく解説します。単語の増やし方、動詞・前置詞の格支配や名詞の性の学び方も解説していきます。マルチリンガルの私が、外国語一般の学習方法についても紹介します。

Guten Abend(Tag)!

ドイツの一般紙フランクフルターアルゲマイネ(Frankfurter Allgemeine:FAZ)の記事です。そして、毎日新聞でも配信されてたニュースです。

Bürgermeister Wowereit tritt zurück

http://www.faz.net/aktuell/politik/inland/berlins-buergermeister-klaus-wowereit-will-zuruecktreten-13117702.html

このタイトルだけではちょっと分かりにくいと思いますので…

記事を読み進めると分かりますが、
ここに出てくる「Wowereit」は、2014年8月現在のベルリンの市長の名前です。

この動詞「zurück|treten」ですが、分離動詞ですので、ばらして意味を見ますね。

「zurück」=後ろへ
「treten」=進む


元々は「後退する」という意味合いなんですが、
職にある場合は、「辞職する」という意味合いが出てきます。

現在形で書いていますので…

「(ベルリン)市長のヴォーヴェライト氏 辞職へ」

という意味合いになります。


それでは、見出し文と、最初の1段落を引用しますね。

Bürgermeister Wowereit tritt zurück

Schon länger galt er als amtsmüde, das Flughafen-Desaster hat seine Popularität weiter sinken lassen: Nun hat Klaus Wowereit (SPD) angekündigt, zum 11. Dezember sein Amt als Regierender Bürgermeister von Berlin aufzugeben.
26.08.2014

Nach mehr als 13 Jahren im Amt hat Berlins Regierender Bürgermeister Klaus Wowereit (SPD) überraschend seinen Rücktritt angekündigt. Er werde sein Amt zum 11. Dezember aufgeben, sagte der SPD-Politiker am Dienstag in Berlin. Er gehe „freiwillig“, sagte der 60 Jahre alte Wowereit. Diese Entscheidung sei ihm aber „nicht leicht gefallen“. Er sei stolz, seinen Beitrag zur positiven Entwicklung der Hauptstadt geleistet zu haben.


<引用終了>

 <単語>
「gelten(過去形:galt)」=(als以下だと)見なされる
「amsmüde」=職務に疲れきっている
「an|kündigen」=予告する

先に、自分で上の文章を読んでみて下さい。



接続法1式 (Konjunktiv I)」が、次から次へと出てきますね。
赤字の動詞は全てそうです。



「接続法1式 (Konjunktiv I)」について「?」と思われる方は、コチラも併せてご覧ください。

「間接話法」について押えておきたいこと
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11913805504.html

「接続法1式」だけじゃない? 間接話法 【indirekte Rede】
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11915603295.html


ここまでの内容だと、以下の4つのことを市長の発言として文章をつづっています。
12月11日を以て辞任する
「自らの意志」で辞任する
しかし、彼にとって、この決断は「容易ではなかった」
首都の発展に寄与してきたことを、彼は誇りにしている。
(いずれも白字にしています。必要な方は反転させてください。)

くどいようですが、これは確定した事実だとか、FAZの見解とかではなく、
市長の発言であることを明確に表現しています。


こういう感じで「接続法1式」が実際の文章の中で使われるのです。


この中でも面白い表現は…

Diese Entscheidung sei ihm aber „nicht leicht gefallen“.

注意してくださいね。動詞の原形は「fallen」ですよ。
http://blog.ameba.jp/ucs/entry/srventryupdateinput.do?id=11649479241

「die Entscheidung」を主語として、動詞「fallen」を使うと…
「決断に至る」という意味合いになります。

この文に出てくる「ihm」(Dat.与格3格)は、
「誰にとって簡単ではないのか」ということを示しています。

「Mir ist heiß.」の「mir」と感覚は一緒です。


この感覚が分かりにくい方は、コチラもご覧ください。
「『私は』暑い」とは、言いませんよ。 【状況の形式主語es】




さて、記事の中身について、少々お話しますと、

13年にも渡ってベルリン市長を続けてきた、SPD(ドイツ社民党)のヴォーヴェライト氏ですが、
長期政権になったことに対する批判が出てきたこともあるのですが…

それ以上に大きなダメージになったのが、「ベルリンの空港建て替え問題」だとFAZは見ているようですし、他紙の論調も空港問題の影響が大きいと見ているようです。

見出し文にも…

"das Flughafen-Desaster hat seine Popularität weiter sinken lassen:"

と出てきていますし、本文をもうちょっと読み進めてもらうとこんな文が出てきます。

Zuletzt galt er politisch als angeschlagen, seine Beliebtheit in der Bevölkerung sank rapide. Als wichtigster Grund dafür gilt das Desaster um den Bau des Berliner Großflughafens (BER).

この記事で出てくる「BER」ですが、
航空業界や旅行業界で使われるベルリンの新空港を表す略号(3レターコード)です。

関空が「KIX」、成田が「NRT」、フランクフルトが「FRA」とか出てくるあの略号です。



ベルリンには、元々3つの空港があったのですが、
「首都にふさわしい空港にしよう」と、
シェーネフェルト空港(Schönefeld)に機能を集中させ、拡張していたのですが…

2011年に完成して1つの空港になっているはずだったのですが、
シェーネフェルト空港は、現在でも使用されていますが、まだ完成に至っていないのです。

そして、今年の5月にイスタンブールで確認しましたが、
ベルリンのテーゲル空港(Tegel)にまだ航空便が飛んでいます。

というのも、数度の遅延を経て、
現在では2016年開港ではないのか?という話になっているようです。

いずれの空港も、冷戦時代を経験した空港ですが…この話は10月か11月かにお話します。



この記事は確かに難しい表現もありますが、
文法を一通り習った方であれば、比較的さらりと読み易い文章かとは思います。


完璧に意味を取ろうとするとしんどいですが、
だいたいの意味を取ることを意識しつつ読んではいかがでしょうか?




それでは。


Tschüss!




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