日本語で考えるとドツボにはまる「lassen」 【Lektion4-3の語法解説1】 | Kazuのかんたんドイツ語 【文法・語法・会話】

Kazuのかんたんドイツ語 【文法・語法・会話】

ドイツ語は難しい?いえいえ、実は英語よりも簡単です。挨拶・発音・数字から、ドイツ語を簡単に分かりやすく解説します。単語の増やし方、動詞・前置詞の格支配や名詞の性の学び方も解説していきます。マルチリンガルの私が、外国語一般の学習方法についても紹介します。

Guten Morgen (Tag)!


今回のテーマは、再びこの文章です。
Lasst mich doch auf die Toiletten gehen!

本文は、コチラです。
まだ読んでいない人、内容忘れた人は、音読して下さい。
【Lektion4-3】Einladung ins Cafe
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11559411055.html



このうち、
文頭の「lassen」を徹底的に解剖しようと思います。



なお、文頭に動詞が来て驚いた方。
命令形については、前回やりました。
コチラ2つの記事を確認してください。

【命令形1】 動詞は頭・「-st」を落とすだけ 【Lektion4-1の文法解説2】
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11551172844.html
【命令形2】活用形は変わらない「ihr」と「Sie」【Lektion4-3の文法解説】
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11560038886.html






さて、本題に入ります。

動詞「lassen」についてですが、結構、「けったい」な動詞なんですね。

・動詞の「目的語」の取り方もそうですが、
「lassen」の発想自体が、日本語にあまり馴染みがない、
という事情があるからです。



それでは、「lassen」って、どういう単語なのでしょうか?

辞書を引いてもいいですよ。
でも、使い方を間違うとドツボにはまりますよ。

よく皆さんやるのが、
上から順番に意味を当てはめて、訳すなんてことをやりますが、
あれは、時間の無駄です。


今すぐやめた方がいいです。



だいたい、辞書にはこんな意味が出てくるんじゃないですか?

そのままにしておく、放っておく、~させる、~してもらう、
止める、辞める、許す、去る、断念する、我慢する、「~しない」


この単語どういう意味ですか?
日本語で考えたら、意味不明ですよね。

ひどいのは、
かたや、「~させる」と言っていて、
「放っておく」「~しない」という意味があるって、どういうことですか?



1つの単語で真逆の意味がある、なんて話は、皮肉の表現くらいです。
だから、
日本語で考えるとドツボにはまると言っているのです。



その単語の意味を一通り眺めてみて、
その単語の持つ意味合いを感じ取ってみてください。



今日は、私がそのガイドをします。

「lassen」の元々の意味。

それは、
「それがあるままにしておく」という意味です。


具体的に見ていきましょう。

Ich lasse meine Brille auf dem Tisch.

自分のメガネを机の上にある状態を「そのままにしている」んです。
だから、机の上にメガネを放ったままだ、ということですね。


似たような感じの文で、
以前に、こんな文出したの覚えていますか?
Lass doch die Schale auf dem Tisch!

「シャーレを机の上に置いたまま何もしないでくれ」
という意味あいなんですね。



他には…
Sakuraがカフェに行った時に、
Sakura lässt eine Tasse Kaffee kochen.
と言えますね。

コーヒーを入れる状況を(自分でしないで)「そのままにしている」んです。
だから、「コーヒーを入れてもらった」という意味になりますよね。



ここでAlexに出てきてもらいましょうか。
Sakuraが、Alexに対して「lassen」してみましょうか。

Sakura möchte eine Tasse Kaffee trinken.
Sie kennt, Alex kann sehr gut Kaffee kochen.
Sie will ihn Kaffee kochen lassen.


これも、Sakuraは、
彼(=Alex)に対してコーヒーを入れる状況を「そのままにしています」ね。

この場合は、「Alexにコーヒーを入れてもらった」という意味になりますよね。



さて、ちょっと前に、
「辞書を引いてもいいですよ」と言いましたが、
この状況を説明する文でも、「lassen」が使えますね

レーゲンスブルクで私がドイツ語を習っていたときの先生Juliaは、
「lassen」の話を私たちにした時に、こんな見事な例文を出してくれたんです。

Julia lässt euch im Wörterbuch nachschlagen.
*im Wörterbuch nach|schlagen(辞書を引く)

普段の授業では、辞書を引くことを許してくれませんでした。
そして、この「lassen」の時だけ、辞書を引くことを許された
だけに、
この文は印象に残りましたね。

Juliaは、あなたたちに対して、辞書を引く状況を、「そのままにしている」んです。
要は、辞書を引く状況を認めているんですね。



Lasst mich doch auf die Toiletten gehen!
も、このニュアンスに近いですよね。

自分に対して、トイレに行くという状況を、「そのままにしてくれ」、と言っているんですよ。
こなれた日本語で言えば、
「トイレに行かせてくれませんか」といったあたりですね。



他には…
私も、大学のドイツ語の授業のひどさをネタでたびたび言っていますが、
この状況も「lassen」が使えますね。

Unser Deutschlehrer an der Uni ist sehr schlecht.
Er lässt uns immer nur die Flexion vom Artikel sagen.

*die Flexion vom Artikel(冠詞の活用)

そのひどいドイツ語教師は、
私たちに対して冠詞の活用を言う状況を「そのままにして」います。

主語の意図に対して、
話者が悪感情を抱いている場合や、命令などで強制的にさす場合は、
「言わせた」みたいに、強制・使役の感じが出てきますよね。


特に、「lassen」の目的語の対格(Akk.4格)の意志に反している場合は、
この意味になりやすいですよね。



<まとめ>

「lassen」の基本的な意味
・そのまま放っている
・(自分がしないで)誰かにしてもらう
・誰かに~させる
・状況をそのままにして、許している



「lassen」の基本的な文の形
1:「lassen」+「Akk.」+「状態
⇒「Akk」をその状態のままにする


2:「lassen」+(「Akk.」)+「動詞
⇒主語が、(「Akk」に対して)~させる、~してもらう、~させておく




何となくイメージをつかめましたか?


イメージをつかむことが大切なのです。

そのイメージを元にして、人間は言葉を話しているのです。
だから、
日本語にない発想の単語ほど、
その「イメージ」をつかむのが大切なのです。




だから、ZDが受かった人、独検3級以上の人であれば、
独独辞典を引いてください、と言いますが、

このブログを主に読んでいらっしゃる方について言えば、
「独和辞典」を引く場合、
一通り例文を眺めて、
その世界観をつかむようにしてください。


大抵は、一番基本的な意味が1番最初に来るので、
それを元にイメージを膨らませるといいと思います。




辞書を見たら、
こういう質問が出ると思うので、先に手を打っておきます。

Ich will mir am Wochenende die Haare schneiden lassen.
「私は週末に髪を切ってもらいます。」という意味ですが、

何で、下線部が与格(Dat.3格)やねん!!と。


逆にヒントになる質問だけ今回はしておきます。

この「私」は、
「髪を切る」行為をするのすか? (対格 Akk.4格)
「髪を切る」行為を受けるのですか? (与格 Dat.3格)

どっちですか?

詳しくは、与格(Dat.3格)を次のLektionで扱いますので、
そちらでお話します。
お楽しみに。



あくまで、基本は、
「lassen」の基本的な文の形
1:「lassen」+「Akk.」+「状態
⇒「Akk」をその状態のままにする


2:「lassen」+(「Akk.」)+「動詞
⇒主語が、(「Akk」に対して)~させる、~してもらう、~させておく

だと考えてください。


次回です。
【単語力養成講座】 お金の数え方 【das Geld】
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11561585318.html




Tschüs!


<下のバナーをクリックして、応援をお願いします。>
にほんブログ村 外国語ブログ ドイツ語へ にほんブログ村 外国語ブログ 語学学習法へ  


読者登録してね ペタしてね