USJでは、これまで「ジョーズ」や「ジュラシック・パーク」「ターミネーター」などハリウッド映画を舞台に、映像技術を駆使した派手な演出と刺激的な仕掛けで、若者らを呼び込む作戦をとってきた。一方、東京ディズニーランドは、『夢と魔法の王国』として子どもから大人まで幅広く支持されてきた。
USJは、本物らしさを追求したスリル感が強すぎて客層が限られてしまい、小さな子供は楽しめなかったので、開業10周年記念として今年3月に『ユニバーサル・ワンダーランド』をオープンさせた。スヌーピーが空中を飛び回り、セサミストリートのキャラクターをあしらったゴーカートが疾走するなど「かわいさ」を演出することにより子供で賑わっているという。
USJは、01年開業初年度こそ1102万人が来園したが、02年度には3割減少。03年度に「シュレック」「スパイダーマン」などアトラクションを投入し988万人。その内実は『年間パス』による増加で、収入は増えなかった。その後も毎年のようにアトラクションを入れ替えたが、効果は持続しなかったという。
04年、米ユニバーサルからグレン・ガンペル氏を社長に迎え、客層拡大のため人気漫画「ワンピース」やゲーム「モンスターハンター」のショーを開催。今年3月にはスヌーピーなどのキャラクターを前面に出した『ユニバーサル・ワンダーランド』を新設した。
今年10月29日、USJは通算１億人目の来園者を迎えた。
今年4月～9月の来園者数は、前年同期比2割増の490万人。3～6歳の子供を連れた家族連れの来園者が一時、前年の1.7倍に急増した。今年度は11年度の880万人を大幅に超え、開業初年度以来となる1千万人突破も見えてきたという。
昔はジェットコースターや観覧車があれば人が集まったが、客が求めるものも高度化・多様化している。それにあわせたサービスを提供しなければならないのだろう。
今、14年度後半にオープンを予定している「ハリー・ポッター」アトラクションが建設中で、投資額は開業以来最大の450億円にのぼるという。
USJを訪れたのは5年以上前。それほど「また行きたい」とは思わない。東京ディズニーランドは「また行きたい」と思わせる施設だ。掃除が芸術であり、エンターテイメントでもある。先日の『ガイやの夜明け』に、USJの母親雇用でホスピタリティを高める取り組みが紹介されていた。
「また行きたい」と思わすのは「スリル」より「感動」なんだろう。
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