2008.08.13~15谷川岳沢登り | 関西蛍雪山岳会のページ

2008.08.13~15谷川岳沢登り



谷川岳・沢登り夏合宿報告

2008.08.1314  万太郎沢 

2008.08.15     西ゼン


メンバー 岩田 谷岡 松村 十川 横田 柳瀬


8/13 晴のち雨


前夜、2030分大阪を出発。北陸道の長いこと、渋滞無しで土樽に着いたのは5時頃。駅は無人、テント1張り有り。後日、石田さんに『雪国』の舞台となった地と聞く。林道が長いので入渓地点まで車で入り岩田さん・谷岡さんに駅へ車を戻してもらう。

(車を土樽駅にデポ、土合駅へ下山して電車で土樽駅まで戻り車を回収する予定)


無人の土樽駅

入渓は堰堤をくぐる。明るいナメが続き快適。

滑り台で遊ぶ


関越トンネルの換気口は写真で見たとおり巨大、中からゴーゴーと音が響いてる。 換気口が見えてきた。


オキドウキョウは泳ぎとへつりで突破、順調なタイムで井戸小屋沢を過ぎた、905m地点で雪渓が出現。沢上にスノーブリッヂとなって残っており今にも崩れそう、一人ずつ通過する。倒木が散乱しており雪崩の多いことがうかがえる。

オウドウキョウの突破


蛍雪最強アマゾネス軍団

滑り台があれば必ずドッブ~ン。











一の滝、岩田さんが取り付くが5m程の所で往生し敗退、右から2P高巻き落ち口へ。ランニングビレーは熊笹に「いわし」で取り、見事スリップを止める。

一の滝が見えてきた。

2本目のハーケン下がいやらしい、フィックスにして

5人登るのに時間がかかるので、巻くことにしたが、結果巻いたほうが時間がかかってしまった。


二の滝は巻き気味に右から容易に登れる。


二ノ滝

先を急ぎ、照代さんと谷岡さんが絶好のテン場を見つけてくれ、急いでタープ張りや焚き火の準備を始めると同時に雨が降り出す。





入渓(735)換気口(850)イドゴヤ沢(940905m付近、雪渓(1020)一の滝(1125)登攀開始(1145)敗退、巻き開始(1200)巻き終了(1340)二の滝登攀開始(1410)幕営(1430

8/14 晴のち雨


夜中、雨風がときおりひどかったが夜が明けると小雨もちょうどあがる。


出発前に全員で。

2人パーティが三の滝、流水右側の壁に取り付いている。


左が三の滝

三の滝下部

三の滝上部

1P目、チムニー状を登る

大きなザックで1P目を越えられたのを眺めた後、我々は右のチムニー状から左上し、同じビレー点へ。ルート図では水流を左に渡り右岸を登るのだが、水量が多いので右寄りのバンドと藪こぎのトラバースで落ち口へ出る。


上部滝は右上バンド(容易残置ハーケン有)から右 のルンゼへ。

2P目は上部の藪を左へトラバースして落ち口へ。

その後は小滝を楽しく登り進むと、1470m地点で水が涸れる。草とお花の快適な詰めだが長い。吾亦紅の花が咲いているのを谷岡さんに教えてもらう。

吾亦紅(われもこう)

万太郎谷を振り返る。


肩の小屋には数人しか見られず静か。空身でトマの耳を往復、ガスが晴れず何も眺められず残念。肩の小屋御主人の元群馬山岳警備隊長馬場さんと記念撮影して頂き、雷でロープウェイが止まる心配を気遣われながら下山する。

馬場さんと記念撮影。


山頂からまた別の換気口が見えた。1日目に捻挫した横田さんのペースに合わせ、テーピングを巻いたりで時間が押す。土樽行きの電車の時間も気になり、先を急ぐと放送が聞こえてきて不安にかられ飛ばす。着いたと同時に弱い雷が聞こえ、運行中止を告げられがっくり。皆が着いた直後から大きな雷と激しい雨が降り待ちぼうけ。1時間後に運行再開、臨時バスを待って土合に着く。電車は出た後なので、石田さんの車で土樽駅まで送ってもらい車を回収。

その夜は無人の土合駅で群馬の町田さん夫妻に無農薬自家栽培の美味しい野菜や上州牛をご馳走になる。照代さんは最終電車で金沢へ帰られる。その後、皆で日本一深いホームへ降りるが地下トンネルといった具合で、盆と言うこともあり怖い。よく一人で照代さんはここを降りて行ったと驚く。


起床(530)出発(730)三の滝(800)巻き開始(830)巻き終了(1010)(1470m付近水枯れる )稜線(1330)肩の小屋(1350)小屋出発(1430)ロープウェイ乗り場(1600

8/15 晴のち雨


天気予報で本日は休養、西ゼンは16日に行く話で進めていたが昨夜、町田夫妻に16日は雨で15日は晴れると聞き急遽変更を申し出る。青穂の樋口君が飛び込みで参加、後で町田夫妻に岩登りからあっさり転向したことを遠まわしに不思議がられていたが・・・。

平標新道を歩き、沢が現れるがケルンが見つからず、進むと小さな沢が現れ振り返ると遭難碑とケルンがあり入渓。しばらくゴーロを進むが天気がすっきりせず、東ゼンに出合ったら進退を検討することを話しながら進む。東ゼンに行ったことがある照代さんが出合から見えた西ゼンを絶賛していたが本当に見事。これは少しでも行くしかないと、とりあえずスラブを体験。フリクションは効くが、慣れるまでびびり気味に足を運ぶ。いつのまにか進んでおり、第2スラブが眼前に迫る。予報を信じ、詰めることに。適度に傾斜があり、どんどん高度は上がる。振り返ると滑り落ちたらしゃれにならないぐらいの高さ、フレークを拾いながら慎重に登る。滝は所々念のためロープを出し、スラブが尽きるも小滝がいくつかも続く。1700m辺りで水も涸れ、背丈程ある笹薮を谷岡さんがわずかな踏み跡をはずさず詰め、ホウホウの体で池塘が点在する稜線に上がる。下山は踏みつけられた笹で滑りやすい。入渓点を過ぎもうちょっとのところでまた雨、びしょびしょに濡れたまま車に乗り込み温泉に向かう。湯沢の『岩の湯』はこじんまりとして400円と安く、良いお湯だった。土合に戻ろうと車に乗ると花火大会に遭遇、夏を満喫する。

今日はいろいろ精神的に疲れ胃が痛く、その夜は車で寝る。

土合駅(530)林道ゲート前(600)入渓点(815)(835)東ゼンとの出合(950)稜線池塘(1440)(1510)ゲート前(1830

8/16 曇


皆で一の倉詣で。登山指導センターに寄り、遭難碑に手を合わせた後、通行止めの車道を歩く。冷気が襲い、ガスのかかった一の倉は異様な感じを受けた。ルート図を持っていなかったが案内板があり確認する。剣・穂高に比べスケールは小さいが全貌と遭難碑を目にすると、圧倒されるものがあった。車に戻りお勧めの巨大舞茸丼を頂いて、湯檜曽の温泉に入り、サウナのような山岳資料館に寄る。

町田夫妻宅にお邪魔し、腰のある手打ち蕎麦をお腹いっぱいご馳走になり、お布団で休ませてもらう。男性陣は町田さんと早朝まで話が盛り上がって?いた。

8/17 曇


渋滞を避けるため早起き、奥様が美味しいお味噌汁とおにぎりをこしらえてくれる。岩田さんは全く起きれず。駒ケ岳SAで青穂さん達と別れ渋滞無しで帰阪、今年の夏合宿を無事終了する。