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先日より、ADHDと発達障害の混同が起こす混乱について記事にしています。その両者がどう違うかについては、2本の記事にしてきましたが、では、当事者さんがどう混乱しているのかについてはまだ書けていませんでした。今日は、そんな混乱事例の内、書いても差しさわりのないものとして、ひとつの例を記事にします。

僕はあるとき、大変驚いたことがあります
ある青年が「
私はADHDなんです」とおっしゃったからです。

彼に障害がある事を驚いたのではなく、
彼が、非常に静かな物腰を持つ方で、
何かと控えめな印象を与える人だったから驚いたのです。
少し詳しく話を聞いても、
彼は非常に几帳面な気質で、
片づけが出来ないわけでもなく、
また注意欠陥傾向があるわけでもなかったのです。

ただ、想像性の障害を感じる言動はみられたので、
ぼくは広汎性発達障害の当事者さんだろうと思っていたのです。

よく聞いてみると、
精神科には子供のとき以来かかっていないとか。
幼児期に大変な多動があって、
親に連れられていった病院で降りた診断が、
ADHDだというのです。

僕はその方に思い切って、
先日の2本の記事の内容について話してみました。
「僕は、医師でもないし臨床心理士でもないので、
 人を診断する資格も権利もありません。
 ただ、非常に気になるので話しますが、
 あなたは、どうもADHDには見えませんね」
「杉山医師という人は、『幼児期に激しい多動を示す子は、
 実は広汎性発達障害である事が多い』と語っていますが、
 こうしたことはご存知ですか?」と。

「えっ、そうなんですか?始めて知りました!」
今度は、彼が驚く番でした。

その方は、おっしゃいました。
「自分も実は、ずっとADHDという診断名に
 違和感を感じていました。
 幼児期以降、精神科には行っていませんが、
 一度病院にいって、真相をハッキリさせてみようと思います」
とおっしゃったのです。

【自己確立に向けたスタートラインにようやく立てた】
この方は20歳前後の成人当事者さんです。
一昨日の記事(詳しくは
こちら)に書いたように、
まさに未成熟な自己を抱え、就職の問題に悩んでいたのです。

そこに、誤った診断名がインプットされていたことは、
更に、彼に混迷をもたらしていました。

自分はADHDだし、でも本を読んでも、
特性がどうも当てはまらないように感じる。
どちらかというと、
孤立型の高機能広汎性発達障害との判断が、
当てはまるようにも思うけど、
そこがハッキリしないので、
どう自分に向き合ったらよいのか、
迷っていたというのです。
ADHDも広汎性発達障害も、
同じ発達障害のくくりの中の分類だし、
そんなものかと考えつつも、
腑に落ちなかったというのです。

人に相談しても、「発達障害と言っても千差万別だからね」
などと言われてしまい、そんなものかと思わざるを得なかったとか。

このように、ただでさえ難しい
発達障害当事者の自己確立に、
診断名という、もうひとつの悩みを抱え、
立ち往生されていたのです。

【診断を取り直して再スタートを切るとき・・・】
しばらくして、彼は病院で、
「高機能広汎性発達障害」の診断を受けてこられました。
どこかすっきりした表情で、
「これで、
これからは自分の特性と正しく向き合っていけるし、
 自分の気質も含めて、
 どう付き合って行ったらいいのか、
 ようやく、考えるスタートラインに、立った気がします

と晴れ晴れとしていたのです。

僕はこれに近い事例を、数件知っています。
ある個人にだけ起こっている話ではなく、
複数の方が抱えている悩みだったのです。

発達障害者でも、アンガーコントロールに難があったり、
感情の動きが激しい方はいらっしゃいます。
自分のそんなところや、ミスの多い部分などで、
「あなたはADHDだ」と言われれば、
内心、疑問を感じつつも、悶々とされていたのかもしれませんね。

本当に、そんなことで悩むのと思われるかもしれませんが、
或いは、発達障害を持つ人と言うのは、
周囲と自分を比較したり、
客観的に自分を評価するところにも苦手を持っていますから、
案外こんなところで、出口を見つけられずに、
悩んでいるものかもしれないと思うのです。

こうした悩みが、発達障害者の必要な、
自己確立の再構築の阻害になるというのは、
本人には、結構大きな問題なのです。

今日は、ADHDと発達障害の混同による、
混乱事例のひとつについて記事にしてみました。



























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今回は、午前に勉強会を開催し、午後はグループワークです。
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2011.12.10(土) 10:00~16:45(開場9:50)
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