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昨日の記事 に対して、小学校の支援員の方からコメントが寄せられました。見てらっしゃるお子さんに、親御さんが特性理解をしてくれない悩みのようです。今日はそんなお話です。


chiruchiruさんからのコメントです。

まずは、ご覧下さい。


小学校で支援員をしています。
今、まさにこの問題で悩んでいたので、くいつくように?読ませていただきました。


(親御さんからは)「頑張らせれば、出来るようになる。もっと厳しくしつけてください」と、担任や私に言い、学校での様子をお知らせするのですが、かたくなに拒否されます。(普通学級で、同じ量勉強させようとする)
学習面でも、友達関係でも、本人は一杯いっぱいの状態です。
私も一日に1時間ぐらいしかそばにおれず、きちんとした支援が出来ていません・・・。


少し前、パニックを起こした時、(他のクラスにいたのですが)別室に二人で行くと、「僕なんていなくなればいいんだ。僕なんて死ねばいいんだ」と、泣くのです。
私は、「苦しいね・・・」と、背中をさすってトントンすることしかできませんでした。

このことは、担任に報告し(初めて「死にたい」って聞きました)、お母さんにもお伝えしてもらったのですが・・・・

「なんとかお母さんに理解(認めて)頂きたいと、切に願っています。

初めてなのに長文で、ごめんなさい。
とても参考になった記事でした♪



読ませていただいて、余りに悲しい現実に絶句しました。このお子さんが、どれほど苦しんでらっしゃるかと考えると、言葉がありません。また、きっとchiruchiruさんも悩みぬいてらっしゃるのですね。


このお子さんの苦しみ、ほんと、どう声を掛けてあげればよいのでしょうね。

でも、そばにchiruchiruさんの様な方がいらっしゃることが、

それだけでも、どれほど救いになるかと思います。

たった一人でも、理解してくれる人が居れば、それは全く違うと思います。


また、誤解を恐れずに書くならば、

親御さんもまた、きっと苦しんでらっしゃるようにも感じます。

お子さんに何かこのままでないけないような事態があることには、

気付いてらっしゃるのだろうと、僕は思うのです。


ただ、今の親御さんは「なんとか普通にさせよう」という誤った方向に、

意思が向かっているのだと考えるのです。


この親御さんのお気持ちも分からないではないのですが、

これは親御さんを弁護している訳ではありません。


発達障害児には、親が「この子を普通にしたい!」と熱心になると、

それが一番の苦しみとなってしまうからです。


佐々木正美先生はこの状態を、

「親は最大の愛情を持って

 『理解者になりたい』と思いながらも、

 同時に偏見者になってしまう」と表現されています。


「理解がなく、熱心な支援者が、当事者には一番困る」

とも述べられています。


【我が家の場合】

実は、恥ずかしながら、冒頭のケースほどではないのですが、

僕自身もそうなりかかった時期があったのです。

だから、この親御さんの気持ちは少しだけわかるのです。


ちょうど、長男が小1の頃でした。

当時はまだ診断がおりておらず、

保健所から派遣された検査員(市の職員でもありました)は

「個性の範疇です」と言っていました。


そんなことで、ぼくは障害があるとは全く思わずに居た時期です。


当時も、帰宅後、長男の勉強を見ていたのです。

小1の1学期の頃でした。


その頃の長男には、今よりも視知覚認知の問題があり、

一緒にプリントをやっていても、困難を一杯抱えていたのです。

とにかく、算数の文章題などは、

その言葉の意味を理解するのにも大変苦労がありました。


それよりなにより、ひとしきり考えて、やっと答えを出せたと思ったら、

プリントの全然まとはずれな場所に答えを書こうとするのです。


きっと、答えを解くことにいっぱいいっぱいになって、

解答欄がどこであったか、判らなくなっていたのでしょうね。


でも僕にはそれが集中力の無さと映っていました。

ですから、「ちゃんと、集中しなさい」としきりに注意していたのです。

最初は、それほどきつく言っていないのですが、

息子のほうは少し言われただけでも焦り始めます。

そうすると余計に間違いが多くなるのです。

(今なら、こうしたことは全て特性だと分かります)

しかし、当時は、それが不注意にしか見えなかったのです。


それで、とうとうきつく叱るというようなことが、時々あったのです。

ただ、当時の僕自身の思いとしては、

「一見不注意なようにも見えるけれど、なにかそれだけではない

 このまま、叱っているだけでは、何かいけないような気がする。

 でも、どうして良いのかわからないといった状態でした。


ケースと程度は違いますが、ぼくも息子を追い込む側だったのです。


ですから、その後確定診断が出たあとで、

専門医にかかったときには、最初にこの件を質問しました。

僕のケースは、心のどこかで

「このままでは、いけない。ただ怒っているだけでは、だめだ」

というブレーキもかかってはいたのです。

このブレーキが無ければ、

僕もこの親御さんと同じ事をしていたかもしれません。


当時の僕も、子どもがちゃんと勉強しないと、

結局困るのは本人なのだからと、熱心に指導していたのです。


親には、子を独り立ちさせねばという責任感があるので、

こうなってしまいがちなのでしょうね。


【子どもを熱心に指導した母親の後悔】

でも、佐々木先生の言葉は、

そんな親の気持ちに対する戒めなのだろうと考えるのです。


著書で紹介している親子のケースは壮絶です。

母親は、子どもを「普通」にしようと熱心に子育てした結果、

結局、二次障害に追い込み、精神疾患を発症させてしまいます。

そして、恐らく長期入院状態となってしまい、

一緒に暮らすことすら出来ない状態にまでなってしまったようなのです。


このお母さんは、ご自分のこの体験を大勢の前で話された後で、

私はみなさんに勇気をふりしぼって話しているのです。

 どうか、こういう間違いをなさいませんように。

とおっしゃったそうです。

詳しい記事はこちら をどうぞ。「告知した医師に『うちの子は違う!ちゃんと育てて見返してやる』と思った母親の後悔」



【子どものあるがままを受け入れるという事】

もし、この記事を読んでいる親御さんの中に、

もし思い当たるフシのある方がいらしたら、

「どうかお子さんの状態を良くもう一度、

見てあげてほしい」とお願いしたいです。


たとえ、どれだけ親御さんが否認したとしても、

もしお子さんに障害特性があるなら、

その特性は、いつまで経っても決して消えることはありません。


この障害は、周囲の適切なかかわりと、

本人の努力で克服できる可能性のある特性だと、

僕は考えていますが、

しかし、定型発達の子を教育するのと同じ方法では、

大抵の子は潰れてしまうのが現実です。


お子さんを思う気持ちがあればこそ、

熱心になんとかしようと思われるのでしょうが、

この障害には、それが最大の阻害要因となるのも事実なのです。


今、そんな風に、厳しく熱心に育てられ、しかし障害に気付いてもらえず、不適切なかかわりをされ続けた結果、20~40代の成人に、重い二次障害を抱える方が、沢山いらっしゃるのです。


そうなってしまうと、病気から立ち直ることだけでも、

十数年もかかってしまい、それは大変なのです。


どうか、お子さんの様子を、

そのままに受け入れてあげていただきたいのです。

お子さんの事を思えばこそ、

勇気を持って、事実を受け入れてあげていただきたいのです。


かつて、同じ思いをもった事のある僕だからこそ、

この事はお伝えしたいと思うのです。


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