Question;
 受注後の設計段階で、客先の流動的な要求に対応はするが、客先にとって
は「軽微な要求」という理由で、追加費用を認めてくれません。 

Answer;
 取引(プロジェクト)の業務途中で、客先から「変更や追加」を要求され
ることは、よくあることです。もちろん、顧客の満足度を高めるためにも、
その変更などの要求には最大限に対応したいものです。

 しかし、対応はしたものの追加費用が貰えない。つまり、受注時では適正
利益を確保していたはずなのに、その取引(プロジェクト)終了時では、利
益が取れていないという事例が、近年、多くなっています。 

 それは、取引(プロジェクト)の進行途中における「変更や追加」の要求
を受けた時、当方の担当者が、適切な対応をしていないからです。

 追加費用をもらうには、最初の対応が重要になります。まず「変更や追加」
の要求内容が、本当に「軽微」なものかどうかの判断が必要になります。

 そして、それが「軽微」な内容ではないと判断した時には、安易に請け負
ってはいけません。なぜなら、客先は「何とかします」という返答を貰った
時点で安堵し、その案件のことを完結してしまうからです。

 その後に、当方の営業マンなどが「実は、追加費用がこの位はかかります」
などと交渉しても、相手の意識の中では完結した話ですので「何とかしてよ」
の一言で押し切られてしまいます。

 そこで、最初に要求を受けた時点で「追加案件につきましては、最大限の
対応はさせていただきますが、それを行うのは容易ではありません」と答え、
その理由を並べたて、その大変さを客先に刷り込まなければなりません。

 具体的には、その追加案件を実行するためには、どれほどの納期延長や費
用の増額などが不可欠になるかを、論理的に次々と説明することです。

 そして「それでも実施するということでしたら、早急に見積りなどを提出
させていただきます」と対応しない限り、追加費用はまず貰えないでしょう。

 

 

この文章はNRIJ『戦略的交渉力』プログラムの理論をベースにしています。

さらに詳しく知りたい方は、次のモノを参考にしてください。

  

NRIJホームページ : http://www.nrij.jp

書 籍         『絶妙な交渉力の技術』(明日香出版社)

公開セミナー: 日本能率協会主催「戦略的交渉力セミナー」

http://school.jma.or.jp/search/detail.php?seminer_no=839

eラーニング:  日経オンライン講座「実践ビジネス交渉力」

http://www.nikkei-nbsonline.com/course/kouza_xap90901.html