Question;
先日、取引先様から、どちらも最悪の選択肢を二つ出され「どちらにするか
?」と迫られ、やむなく、まだマシなほうの悪事を選んで後悔しています。
Answer;
米国のトランプ大統領が、トヨタ自動車に対し、米国市場向けの自動
車をメキシコの工場で生産するなら、多額の税金をかける。米国で
造るか、高税金か、どちらを選ぶか?」と迫った事例もこの手法です。
このテクニックでは、中間のグレーゾーンを排除し、二つの究極点だけを
相手に提示するものです。(「シベリア転勤」テクニック)。
類似のバリエーションとしては「私の方法でやるか、それとも諦めるか」、
つまり、好ましい方法はたった一つしかありません。その他の方法は、すべ
て、あなたが損をするものだけですよ、というものです。
例えば、調達者が「この価格で取引するか、さもなければ、今後の商談は
なし。さあ、どうする」と威嚇するなどがこの手法です。
また「定員あり」「数量限定」の希少価値を使った圧力テクニックも、相手
に究極な選択を迫る手法です。(「ラストチャンス」テクニック)。
このような究極の選択肢で責められた場合は、性急に、その場で選択する
ことは止めたほうが無難です。
「少し、考えさせてください」「相談したい人がいますので、しばらくの猶予
をください」などと断って、その日は退席しましょう。
「選択肢は、これだけではないはず」と自分に言い聞かせ、相手の圧力手法
に屈しないことです。
ビジネスにおける選択肢は、白か黒だけではなく、グレーの部分がほとんど
であり、そのグレーの中で選ぶほうが、得することが多いものです。
この文章はNRIJ『戦略的交渉力』プログラムの理論をベースにしています。
さらに詳しく知りたい方は、次のモノを参考にしてください。
↓
NRIJホームページ : http://www.nrij.jp
書 籍 : 『絶妙な交渉力の技術』(明日香出版社)
公開セミナー: 日本能率協会主催「戦略的交渉力セミナー」
http://school.jma.or.jp/search/detail.php?seminer_no=839
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http://www.nikkei-nbsonline.com/course/kouza_xap90901.html