欠陥住宅事例16 | 欠陥住宅を調査する建築士のブログ

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検査で撮影した欠陥写真の解説。検査やハウスメーカー、紛争の裏話などを紹介。

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 今回は「木造住宅の金物の緩み」を紹介します。
 
 
■今回の事例_____________________
 
 ・ナットの緩み?締め忘れ?
 
 
 □緩んだというより締められていない状況のナットを
  多数発見!
   
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 小屋裏は梁の接合金物などをよく見ることができ、
 この現場では火打ち(水平の斜め材)の金物は全て緩み
 梁接合部に使われている金物も数箇所緩んでます。
 (緩むというか締め忘れ?)
 
 ※「小屋裏」・・・先回15号でも説明しましたが
  小屋裏とは最上階天井裏部、屋根裏の空間
 
 
 素人考えでも緩んでいいとは思わないでしょう
 この件に関し法律には下記のように記載があります。
 
 
 建築基準法施行令第47条の1
 
 「構造耐力上主要な部分である継手又は仕口は、ボルト締、
 かすがい打、込み栓打その他の国土交通大臣が定める
 構造方法によりその部分の存在応力を伝えるように
 緊結しなければならない。・・・・」と記載があります
 
 
 この法律の部分で重要なのは「緊結」という言葉です。
 緩んでいては「緊結」と言えません。
 
 
 工務店側からすると
 「木が痩せるから仕方がない」と言われそうですが
 
 やはりきちんと締まっていて欲しい所です。
 
 
 小屋裏の金物が緩んでいると
 全体に緩んでいるのでは?と考えます。
 
 確かに見える部分で全体に緩んでいれば、見えない
 箇所全体が緩んでいるでしょう。
 
 
 

 ◆対策
 
 目視でも何でも良いので全数検査をすることで
 締め忘れは防ぐ事ができる。
 
 
 「木の痩せ」については
 ・集成材、乾燥材(KD材ともいう)を使う。
 ・乾燥材でも木は多少痩せるため、大工さんが造作工事
  時に再度締めを確認する。
 ・木の痩せに追従するナットを使う
  http://www.kaneshin.co.jp/goods/pv.php?g_id=78&cate=b&prodid=6
  
  
  実際には無対策が多いです