2016年6月10、11日に公演がありました、KENプロデュース第24回公演『海冥の城 白の姫君』、無事に終幕しました。























三回公演という短い間でしたが、沢山の方に観て頂きまして、幸せです。
ありがとうございました。

この作品は、7年前に同じ北沢タウンホールでやった公演の再演です。
今回は、加納にとって思い入れの強い作品創りとなりました。

個人的な話ですが、今年に入って色々な事があり、実は気持ちが少し疲れてしまっていました。
それは日々の生活しかり、作品創りしかり。
焦りばかりが生まれて、何をやってもうまくいかないような、自暴自棄とまでは行きませんが、結構行き詰まっておりました。

もう駄目かもしれない。
これは、自分にとって最後の作品になる。

そう思って作りました。

最後の作品だから、妥協したくないし、最高の作品を作りたかった。

でも、蓋を開けてみれば、出演者のスケジュール問題や、稽古時間の問題、予算の問題、出演者の殺陣レベルの問題等、色々な問題が出てきて、でも負けないように、精一杯出しきってやりました。

精一杯出しきる。

正直、ここ数年、本当の本当にそこまでやれていなかったと思います。
手を抜いた作品は一つもありませんが、死ぬ所までいっていなかったと思う。
この作品が終わったら次の作品が待っている。
どこかでそんな気持ちがありました。
でも、それでは駄目なんです。
それが結局、作品も、関係者も、自分自身も駄目にしていたと気づき、それをなくそうと、この作品が最後の作品だと思ってやりました。

そして、やり切ったと思ってます。
小屋入りしてからも、初日あけてからも、朝の時間がない中で稽古しました。
「小屋入りしてからやるもんじゃなくね?」と小娘たちに陰口をたたかれながらも、うるせー!やるんだよ!と稽古しました。
最後の最後まで手を抜きませんでした。


作品として、まだまだの所はありました。
特に加納の演出や殺陣のクオリティなど、突っ込み処は沢山あると思います。
でも、今の自分にできる最大限の事はやりました。
足りない所があるとすれば、それは加納の力不足が原因です。
申し訳ありませんでした。

出演者の皆は本当によくついて来てくれたと思っております。
みんな良い子達で、休みの子がいたら進んで代役やってくれて、何なら代役の台詞や殺陣も全部覚えてくれたりして。
大きな公演をすると、初めましての出演者の中に、大体一人くらいは、人間性に問題がある子が入ってくるもんです。でも、今回はみんなが良い人、みんなが素敵な人たちでした。
それがどれだけ加納の救いとなったか。
みんな、本当にありがとう。

スタッフの皆さまも最後の最後まで変更変更と言ってすみませんでした。
最後まで付き合ってくれてありがとうございます!

そんな出演者の皆、スタッフの皆のお陰で、素敵な舞台ができたと思っております。
そして何より、この作品を観に来てくれたお客様、本当にありがとうございました。


この作品をもって、加納健詞は引退致します。




・・とは、言いません。

言っても良いくらいのつもりでは創りましたが。

公演が終わって、結局、自分にはこれしかないんだと再認識しました。

ただ、今までより、作品を作るペースを落としてやるつもりです。
また演出助手やったり、他のジャンルにかかわったり勉強する時間を増やし、舞台製作の時間を長くし、一つ一つ丁寧に作品を作って参ります。

頑張りますので、何卒、これからもKENプロデュースの応援を宜しくお願い致します。

そして、自分を存在させてくれている、演劇というものに感謝を忘れずに。

ありがとう。