渡邉美樹元会長がついに出廷!~ワタミ社員が大量動員された異常な法廷 | 函南発「原発なくそう ミツバチの会」 ノブクンのつぶやき

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      *写真=被害者遺族の森夫妻(報告集会)



3月27日、ワタミ過労自殺裁判の第二回公判が開かれた東京地裁705号法廷から、「あんたたち席をゆずりなさいよ!」と怒号が飛んだ。通常、法廷内の立ち見は禁止されているが、この日は公判が始まる前から20人以上の傍聴希望者が立っていた。



問題は、被告のひとりである渡邊美樹元ワタミ会長が出廷するため、ワタミ社員と思われる傍聴人およそ20名ほどが動員され、入廷時間まで入口を立ち塞いでいたことだった。開廷40分前に到着していた女性は、社員が法廷内に殺到する光景を「まるでバーゲンのようだった」と説明した。そのため、原告側の支援者が半数以上傍聴席を確保できず、不当を訴えて冒頭のやり取りになった。



ワタミの危機管理室室長を筆頭に、黒いスーツに身を包んだワタミの社員たちは、ほかの傍聴希望者から不当だとやじられても動じず、無言で正面を向いていた。



開廷直前に現れた渡邊氏は、クリーム色のシャツに同じ色のポケットチーフを指し、黒のスーツ姿だった。準備書面について、代理人同士のやりとりを見ていた渡邊被告は、ときどき深く深呼吸をしたり、天井を見上げたりしていたが、その間一度も森美菜さんの遺族と目を合せることはなかった。



後半、渡邊氏が意見陳述した。「美菜様が自ら絶たれた命の道義的責任について重く受け止め、ワタミ株式会社と共に心より謝罪を申し上げます。本当に申し訳ございませんでした」。そう言って渡邊被告は、証言台から原告団に向き直り、深々と頭を下げた。



陳述では、ワタミ従業員だった森美菜さんの自死について、社内に外部有識者会議を設立し半年間調査したと報告した。しかし、その中で渡邊氏は「法的責任の見解相違につきまして司法の判断を仰ぎ、司法の結論に従う旨を何卒お許し頂きたく、伏してお願い申し上げさせて頂きます」と頭を下げた。



裁判報告集会で遺族を支援する東京東部労組の須田光照書記長は、被告が欠席だった第一回公判について大きく報道され社会的批判が広がったため、渡邊氏が出廷せざるをえなくなったと指摘した。「陳述では何度も謝罪の意を述べてはいるが、裁判の本来の意図は、たった2ヶ月で美菜さんを自殺に追い込んだ労働実態の解明である。謝罪の意があるならば、この原因究明をすべきである。これが二枚舌でなくてなんなのか、と言いたい。法廷での言葉をそのまま受け入れるわけにはいかない」と、須田書記長は話した。



美菜さんの父・豪さんは、被告である渡邊氏が出廷するのは「ごく当たり前のこと」だが、本来は4人の被告が全員並ぶべきであるが「結局、当たり前のことができない会社」と糾弾した。



「裁判の大きな目的はワタミの経営責任を追及することだが、実際は社会的には声をあげられなかったり表に出られない労働者がたくさんいる」――豪さんは涙で詰まりながらこう続け、ワタミの元社員らに声をあげるよう呼びかけた。



原告側の玉木一成弁護士は、会社が原告側の主張を全面否定していると報告し、渡邊氏の謝罪とは裏腹にワタミが「裁判では徹底的に闘う」という意味だと説明した。



第一回公判を欠席した渡邊氏や、会社側の代表弁護士を法廷に引き出したのは、運動の成果だと評価する一方で、玉木弁護士は「覚悟をあらたにして闘わなければならないということだ」と集まった支援者にも檄を飛ばした。



裁判報告会には、ワタミの宅食サービス「ワタミタクショク」裁判の原告も参加した。「ワタミタクショク」が安否確認を怠ったため、利用していた母親が死亡したとして、遺族は今年2月26日に横浜地裁に提訴したばかりだった。「労働問題とは方向が違うが、会社の不誠実な態度は同じ。はじめてのことでわからないことだらけの裁判について、少しでも知恵を貸していただけないかと思っている」と自身の裁判支援も呼び掛けた。(松元ちえ)




「レイバーネット」より転載



ワタミ、ユニクロ、ゼンショーetcの、創業者が絶対的権力を握る新興企業のブラック度って凄いね。
従業員の生き血を吸って巨額の富を生み出している資本主義の権化みたいな企業がデカい面してる社会って病気だな。
浮かばれないのは犠牲になった労働者だ。