関西メディカルスポーツ学院の摩季れい子学長著『メディカルトレーナー基礎科 オリジナルテキスト』から引用して、「スポーツPNF」について、5回に分けてご紹介しています。
今回は5回目、施術者の「促通性を高める要因」について、お伝えいたします。
7)促通性を高める要因
①かけ声の効果。声の大きさ、導き方で運動出力を伝える。声が大きい:興奮性が高い。声が小さい:興奮性が低い。
②皮膚へのブラッシング(さする)、タッピング(たたく)などの刺激を与え、皮膚知覚を興奮させ、その真下にある表在筋へ刺激を与え、電気の促通性を高める。
③徒手PNFを施術する前にテクニックを施す筋肉と腱を進展させ、筋肉と腱に興奮を与える。
④徒手PNFを施術するとき、関節圧迫と関節牽引を伴うことで、さらに神経促通性を高めることができる。
このPNF理論により、抵抗を施す手技手によって関節内の牽引性を与えながら保持している徒手により固定する。
⑤PNFの開始ポジションと最終ポジションを確認し、開始ポジションと最終ポジションでしっかり抵抗を与える。
⑥促通させる主となる筋肉に拮抗する運動方向から行う。
以上です。
「一般的なPNF用語」に続いて、5回に亘って「スポーツPNF」についての「考え方」をご紹介いたしました。
PNFが初めての方は、専門的で、分かりにくい点も少なくなかったと思います。
関西メディカルスポーツ学院の通信講座や通学コースでは、具体的なPNFテクニックを学ぶことができますので、ここでは省略させていただきます。
さて、摩季学長は、この「スポーツPNF」を進化させ、スポーツ特性に応じたオリジナルPNFをたくさん考案・開発しました。
例えば野球では、①投球腕PNF、②ピッチングPNF、③バッティングPNF、④ダイナミックピッチングPNF、⑤バッティングPNFなどです。
①②③⑤につきましては、摩季学長の著書『野球選手の故障予防と投打のバイオメカにクス』で紹介されていますので、ご参照ください。
また、「PNF理論」に基づき、摩季学長が考案したオリジナルの「コンプレックスPNF」テクニックも、メディカルSTトレーニングを行っていく上で重要な手技となりますので、次回は、その概略をご紹介いたします。
つづく
摩季れい子著『野球選手の故障予防と投打のバイオメカニクス』はこちらからご購入いただけます。(一般書店での販売はしておりません)