私家版 震災時の朝鮮人虐殺 | みんななかよく

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 ある自民党の国会議員が、「関東大震災の時の朝鮮人虐殺なんてなかったのでしょ」と発言したと、漏れ聞いております。その人、わたしより年配じゃないかと思うのですが。


 中学生の頃に国語の教師から、― 街では震災後にあちこちで自警団を作って朝鮮人を警戒した。捕まって殺された朝鮮人も多かったし、日本人で間違えられた人もいた。演出家の千田是也という名前は、千駄ヶ谷で朝鮮人に間違えられた経験からつけられた ― と聞きました。

 朝鮮人は「サシスセソ」がうまく発音できないから、それを目安にした、って話だったけな。「サシスセソ」じゃなかったっけな。

 学校の教師に教わる前から、震災の時に朝鮮人がひどい目にあった、という話は、家でも聞いていました。新聞なんかにも普通に出ていたのではないかな。少なくとも震災の日の頃になれば。


 わたしの家に伝わってきた話はこうです。震災後、どこでだかは忘れましたが、祖父がたまたま通りかかったら、知り合いが自警団に捕まっていて、「朝鮮人だろう」と詰問されていたそうです。祖父は、知り人に会ったものですから、「おう、なんとか君じゃないか」と声をかけた。そこで、「お知り合いですか」ということになって、祖父がどこそこに住んでいる誰それだ、と言ったので、その人が朝鮮人だという疑念がはれたのだといいます。自警団が祖父のことは知っていた近間でのことか、祖父の方は身元を示すものをいろいろ持っていたのか細部は忘れましたが、ともかく震災後に民衆が朝鮮人を捕まえて殺したということは、昭和40年代には東京では当たり前に語られていました。

 うちでも「おじいさんのおかげで、その人は命拾いをしたんだってさ」という形で、わたしに語り継がれてきた。

 今さら、あれはなかったことだって言われると、身内を嘘つき呼ばわりされたことになり、とても不愉快です。

 去年、消防博物館でやっていた関東大震災の記録の展示にもちょこっと朝鮮人虐殺のことはあったんじゃなかったっけな。

 鶴見の警察署長が押し掛けた民衆に対峙して、保護した朝鮮半島出身者を守った話は有名ですね。40年前には普通に語られたことが、「反日」などといって否定されるって、どういう世の中じゃい。