kuroneko緊急声明 秘密保護法案衆議院採決に抗議する
本日、衆議院本会議において秘密保護法案が採決された。巨大与党の数を背景とした国会運営を、まず批判したい。
本法案が、「特定秘密保全法」の名で概要が推定されていた昨年以来、その内容と政府の対応に不信、不安を抱いていた。法案の概要が発表され、２週間という異例の短期間のパブリックコメント募集に際しては、情報公開に逆行する点で反対であるとの趣意のコメントを送付した。多くの批判や疑問をインターネットやマスメディアを通じて見聞し、この「異形の法案」の性格は、官僚主導と対米従属という日本政治の根底の問題に淵源すると判断するに至った。
法案提出の意図の一つは、アメリカとの軍事・外交・警察上の共同行動にあたっての条件整備であることは明白であるが、法案の設計はあまりに包括的で、国民に情報開示することなく、秘密指定を官僚機構の一部にゆだねている。そこには情報は国民のものであるとの意識が欠けている。さらに、時どきの政権に不都合なことであっても、それを記録し後世の審判を仰ごうとの歴史意識も見られない。
情報は権力の源泉である。権力の監視は民主主義の要諦である。軍事、外交、警察などの情報であっても、その情報への接触を極端な少数に限定し、その情報への接近を厳罰をもって禁止することは、民主的な制度設計とは相いれない。
政府・与党は、この法案を白紙に戻し、国民的議論にゆだねて日本の民主社会の深化を図るべきである。
アホ・エロスパム九条の会 kuroneko