欧米が悪だという感覚 | みんななかよく

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ヘイトコメントを哂え!
(http://haughtycomment.blogspot.com/)
のサポート・ブログです。

 「ヘイトコメントを哂え」のサポートブログとしては、初心に帰って「ヘイコメ心理」を考察することもしなければと思います。

 最近ハムニダ薫さんのところのコメント欄に出没している2つのハンドル名は、ネットウヨクに分類するのは違うと思うけど、一定のバイアスがあると思われます。

 

EU議会でも対日謝罪要求決議採択か?

 http://hamnidak.exblog.jp/6770799/


すさまじいね。欧米レイシストは・・。

現在生活している、そして将来のすべての日本人を極悪人として非難しようとするのだから。

反日韓国人より、このような欧米レイシストおよびその手先となっている日本人(君のことだ!!)のほうに強い怒りを感じる。

日本人を「永遠の犯罪民族」扱いしようとする連中(欧米人)より、韓国人のほうがよっぽどましだ。嫌韓の人は、欧米のレイシストのことが見えてないな。

確かに「嫌韓」は間違いだ。真の敵ではないものに過剰な敵意を向けているから。真の敵は欧米のレイシストどもなのにね。

        Commented by ねこ at 2007-11-11 19:53


これがねこさんのデビュー作。欧米(政府、議会)が文句をつけたということにかっときている。

続くコメントでもと、なんだか判らない議論を展開。


政府批判は別にかまわないのだよ。しかし、「外国政府による批判」は政府批判ではなく、必然的に「国民批判」の性質を帯びる。



もう一つはこれが最初。


慰安婦の中には確かに同情すべき女性がいたのでしょう。私も深く同情します。気の毒な人たちでした。
 でも、当時の日本の指導者も気の毒な人たちでした。現在の日本の指導者も気の毒です。

 慰安婦非難決議は単に中韓の反日団体(その背後には国家があるのかも)のロビー活動があったからではないでしょうか?
 だって、アメリカ・オランダともに歴史的をさかのぼればずいぶん酷い事をしてきた国です。
 現在でも中国などはいまだにチベット等を併合したままだし。

 慰安婦非難決議の果てには日本からその歴史上の非道を非難されるとは考えていないのかなアメリカ・オランダは。

・・・・まあ、悲しいことだけれどもやはり日本の政治パワーは彼らになめられているということなのでしょう。

 これで、単に日本が改めて謝罪・賠償をしたならもう国家間の条約などはなんの担保もなくなりそれこそ平和は簡単に破られるのではないのかな。

         Commented by kyusedai at 2007-11-16 03:42          


 この二つのHNは二人の人でしょう。一人二役や多くの人が一つのHNに仮託しているのではないと思う。

 この二人は、日本の戦争犯罪がなかったとかたいしたことなかったとか、中国・韓国の陰謀だとかいう類のネットウヨクではないでしょう。

 ただ、日本がいろいろな戦争犯罪を問題にされるのが、不当だと感じている。そして欧米に対する敵意(とおそらく劣等感)がある。

 べつに、日本政府の戦争犯罪に対する取り組みが違うと議決したからって、それが日本人を貶めることではないんだけどそういうように感じてしまう。この被害感覚というのは、劣等感に根ざすのだろうと思うのです。


 ある国の議会が、他国の戦争責任などについて議決することの当否は別に議論ができるかもしれません。でも、どんな議決をしてもそれはその国の政治の状況から出てくるもので、あれこれいってもしょうがない。

 日本だって、議員提案で「チベットの人権を守る決議」とか「ミャンマー軍事政権批判決議」とか「ウズベキスタンとの経済関係を見直す立法」だとかが出てきたっていい気もします。


 それはさておき。

 欧米の植民地支配も酷かったではないか、というのは、そのとおりでしょうが、日本は後からその真似をしようとしたので、より悪いかはともかく、よりみっともないと思えます。

 

 この「日本だけが悪いわけではないのに、悪くいわれる」との言説は、二つの点で視野が狭いと思います。


 一つは戦争犯罪などに対する考え方が、近年になってかわってきた事情に疎いことです。昔なら「戦争ではいろいろなことがあったべさ」で済ませたことが、「戦時下の人権侵害」を処罰しなければ、暴力は連鎖するとの考え方から、国際司法の場で問題にしようという機運が高まった。旧ユーゴでの「民族浄化」などに対する衝撃が、その動きを強めたので、中国、韓国が慰安婦問題で日本に因縁をつけたのが始まりではありません。

 もちろん、人権問題の政治化、自分の都合いいように他国の人権問題を利用しようとする動きはいつでもあります。アメリカ下院は日本の慰安婦問題で人権を重視しますが、「イスラエルの人権侵害を問題にしているのかい?」という疑問はありえます。ただ、そういう切り返しはしないで、中・韓の陰謀と言い募るところにネットウヨの微妙なポジションがうかがえます。この二人のコメントの主たちは、中・韓の陰謀には行かないで、日本蔑視(アジア、非欧米蔑視)にその理由を求めます。しかし、日本の過去の戦争犯罪が問題にされてきた理由は、現在の人権問題にも通じるから何らかアクションが必要という、国際的な共通認識の成立でしょう。


 もう一つの問題は、「欧米の偏見」を論難するのなら、それを広い立場で構築する努力です。欧米の植民地支配の残酷や不当を言うのはいいと思うのですよ。そういう研究を積み重ねたり、欧米の過去や現在の人権侵害を告発する活動家の支援をしたりするのが筋でしょう。日本の戦争犯罪や人権侵害を相殺するために、「欧米が悪かった」というのでは了見が狭い。

 イギリスのインド支配がどうだったとか、オランダの植民地経営の研究とか、ネットでも研究成果はあるでしょうから、その応援をするのでもいい。コメントをつけるときでも、日本も悪いけど欧米も悪いという相殺ではなく、両方を批判し、批判を現在に活かせる視点を持つほうが生産的。


 こうしたコメントに限らず、列強の植民地支配に対して、日本が非難されることはない、という論者が、熱心に欧米批判の材料を集めたり著作を著したりしているのかな。

 目につくのは、中・韓批判でしょう。そこには、欧米コンプレックスを潜在させたまま、アジア蔑視をあからさまにして、そこにナショナリズムの根拠を置く思考があると思う。

 もともとのナショナルヒストリーが、「さきがけて近代化した日本は偉い」という自画自賛ですから、現代の歴史認識にしたがって欧米近代を相対化するという視点は希薄なのではないでしょうか。


 ところで、新しい歴史教科書を作る会が、世界史の教科書をつくる予定はあるのかな。