泣いている人に、優しい言葉をかけ間違う感じ | 神田松之丞ブログ

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泣いている人をみると、優しい言葉をかけなければいけないという、強迫観念に襲われるのは私だけだろうか。

泣いている人を見る度に、優しい言葉をかけるお題が出ているような感じだ。

別に相手はそんなの求めていないんだろうが、何となく大人の「イナイイナイバー」的な事をする必要があるんだろうなと、義務感で胸がいっぱいになる。

黙ってフンフン聞いているのがベストなんだろうけど、何か言いたくなるのだ。バシーット救われるような台詞を言いたくなるが、大体出てこない。

「あー、うー」みたいなる。大平だ。大平。

優しい言葉のチョイス下手という事に気づいた。

前座時代に人間関係に悩んでいる後輩がいて、サシで目の前でグワァーって泣かれた。

もうちょっと限界かなと思い、ここは一発パシッ~と言おうと思ったけど、一切出てこない。

凄いワーワー泣いていて

でも何か言わなきゃいけない雰囲気だったので、ちょっと噛みながら
「うん。うぃ。まぁ色々あるけど、時間が解決することも多いから」

と借り物も良い言葉で、さも自分オリジナルみたいに言った。

全く反応なし、ありがとうございますなしという。

むしろさっきより泣いている時に、段々腹立ってきて、何で俺が気をつかわなくてはいけないんだと思うに至った。何かプンプンした思い出がある。

全然別次元のレベルで、最近凄い悩んでいる人がいて、サシで話を聞いていた。

内容が、かなりディープなもので複雑ものだった。もう何か、いっぱい人物が出てくるのだ。しかも相手も感情的になってるから、構成がよくないので、もう何か絵で書いてくれよという感じの奴。
「えっえっ、それはどういう事。ここがこことつながっててみたいな事」

内容把握が難しいのだ。何かすげぇ複雑なドラマを8話目から聞く感じ。なんだよ、ややこしいなぁという。

それで、やっぱり佳境になってワァワァ泣き始めて、どうにもしょうがないので、やっぱり義務感に襲われて
「それは、これこれこうした方がいいんじゃない」
と言った所、何かそことそことは関係ないらしく、全然的はずれな事を言ってたらしい。

ただね、何だかんだで完全に理解はしてなかったけど、最後とってつけたように
「時間が解決するんじゃない」
と同じことを言ってたよ。