折れた人工ミサイル。 | プールサイドの人魚姫

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うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。


プールサイドの人魚姫-ミサイル

 脱北者の影が途絶える事のないこの国が強盛大国をスローガンに掲げ、金正恩(キム・ジョンウン)第一書記を国の最高指導者とする準備が着々と進む中、故・金日成(キム・イルソン)主席の生誕100周年記念を盛大に祝う布石として打ち上げたミサイル(銀河3号)が、北朝鮮の目論見をものの見事に打ち砕くが如く空中爆発し、ミサイル発射は事実上失敗に終わった。

 長距離弾道ミサイルを『人工衛星の打ち上げ』などと子どもじみた嘘を平然と公にし、世界メディアの波に乗らんとする手法は、相も変らぬ北独自の姑息な手段としか言いようがない。

 ミサイル一発の費用はおよそ600億円を超えると言われているが、この額は北朝鮮人民の食糧不足を2年間賄える額である。

 この愚行はまさに『強制大国』そのものであり、今後の朝鮮半島に新たな火種を作る軍部の強硬派に於ける『核実験再開』の扉を開く危険性をも含んでいる。

 それにしても日本政府の対応は決して褒められたものではなく、敵に手の内を見せるような防衛システムの在り方に疑問ばかりが付き纏うのは一体何故だろう。

 ミサイル発射予告の情報に振り回され、挙句の果てに田中防衛相の情報発信遅延というオマケまでついてしまった。

 原発事故の教訓が此処でも活かされていないという、危機管理意識の低さは北朝鮮を喜ばせる材料にしかならない。

 日米韓も含め、世界は余りにも北朝鮮に対し寛大過ぎるのではないだろうか。国際社会から取り残され孤立を深める国にしては、大胆不敵な態度に敏感過ぎるほど反応してしまう日本の方が遥かに追い詰められているような気がしてならない。

 一向に進展を見せない拉致問題にしても、常に先手を取られ舌先三寸で丸め込まれる外交の甘さが身に染み付いてしまっている政治家たちを見ていると、北と心中する位の気迫を持つ者が現れない限り問題解決への道筋は開けないだろう。

 北のミサイル挑発失敗がそれも計算の内でシナリオ通りだったとしたら、『踊る阿呆に見る阿呆』で北朝鮮も日本もそして他の国も似たり寄ったりと言う事になり、どうせ阿呆なら踊った阿呆の北に軍配が上がったのかも知れない…。