*作者が20歳から28歳までの間に綴られた、全62作品からなる詩集である。「あとがき」によれば、作者が詩に興味を 持ったのは20歳の時だという。そして、最初に手にした詩集は『伊藤整詩集』と『高見順の死の淵より』の2冊だったとも記されている。作者は幼いころ「心 臓弁膜症」に罹患し、最初に手術を受けた時のことを回想して、『手術台に上がれば』を書いたとのことである。それをきっかけに、いつの間にか62作品の詩 が出来上がっていたらしい。そして、心臓弁膜症に起因するうつ病を患い、現在は回復の途上にあると記されている。ここに本作品群の最大の特質があると言えるだろう。「うつ病」を克服し、社会復帰を目指す作者の個人史が、その内面の必然性によって詩文の形に表出した、痛切ながら鮮やかな「青春物語」なのである。

表題作『天国の地図』は、「死」という非日常の実感を「日常」世界に取り込んでしまった、作者にしか表現することのでき ない、洒脱で、距離感をもった作品と言えるだろう。実際には余人の想像を大きく上回る苦しみであったに違いない。だが、作者は自己を「他者」として捉える視座を保っており、詩文には見事な距離感が達成されているのである。重みと痛切さの中にも洒脱さが感じられる所以である。同様の苦しみの中にある読者なら 大いに勇気づけられるだろうし、それ以外の人々も深く共感することだろう。


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2012年02月12日(日) 02時05分29秒 kanbe49の投稿

薬だけに頼らない生き方を学ぶ。

テーマ:心臓病

プールサイドの人魚姫-くすり

 皆さまには『命のタイムリミット』で大変心配をお掛けしましたが、何とか入院を回避し自宅静養という形で順調に回復しております。

 これは多くの方々から頂いた善意のコメントやメッセージが何物にも代え難い『特効薬』だったからだと思っております。

 猫の件につきましても、数人の方々から申し出を頂き、安心して静養に専念する事が出来ました。まだ十分な回復とはいきませんが、わたしが皆さんにお返し出来る感謝の標は『ブログの更新』だと思いました。

 先日、三井記念病院に依頼しておいた『診断書』が手元に届いたのですが、傷病名が5つも付いていたので我ながら唖然としてしまいましたが、自分の病歴を振り返ってみると小学生の頃、祖母に言われた言葉を懐かしく思い出しました。

 「俊樹は身体に爆弾を抱えているのだから、絶対に無理をしてはだめだよ」。その爆弾がいつ爆発するかも知れないと言う『恐怖』を常に抱きながら、蓮華寺池のマラソン大会に出て最後まで走り切った時、池の水面を走る風を見詰めながら「このまま死んでもいい…」と、地面に蹲ってしまった事など、思い返せば『死の淵』を幾度となく経験しつつも、こうしていまだに生き永らえている。

 そうやって気付くといつの間にか『僧帽弁置換術後』『心房細動』『三尖弁閉鎖不全症』『収縮性心膜炎』『虚血性心臓病(冠動脈ステント留置後)』と病気は増える一方だった。

 病気が一つ増える度にそれに比例して増えていく薬たち。この多くの薬によってわたしの命は繋ぎ止められているのは確かだけれど、薬だけに頼っていては『Quality of Life』は得られない。

 病気は治らないかも知れないけれど、今の自分に出来る事は限られてはいないという事。患者と医者は持ちつ持たれつの関係であり、自分の病気の症例が将来の医学に少なからず貢献している筈だというプラス思考で捉えてみれば、人生に於いて無駄な病気は一つもないという結論に到達するのである。

 わたしは心臓病のお陰で『詩』に出会い、そして詩が書けるようになった。天国の地図の冒頭を飾っている『手術台に上がれば』は、まさにその記念すべき作品でもあるわけで、病気によって失ったものは数多くあるけれど、神様はその代償としてわたしに『詩』を与えてくれたのである。

 先日、太平シローさんが『難治性心室細動』が原因で急死したと言うニュースを聞き、心臓病を患っている身としては他人事ではなく、今ある自分の命の有難さを痛切に感じたものであるが、彼がもう少し医者や薬と仲良くしていれば、55歳という若さで命を落とす事もなかったのではないかと残念でならない。謹んで心よりご冥福をお祈り申し上げます。

2012年01月27日(金) 13時27分21秒 kanbe49の投稿

命のタイムリミット。

テーマ:心臓病

プールサイドの人魚姫-タイム

 もし私が猫と一緒に暮らしていなければ、今頃は三井記念病院入院棟17階のいつもの大部屋で点滴を打ちながらベッドに横たわっている事だろう。

 25日の循環器外来で私を待ち受けていた診断結果は意外な内容であった。検査結果を気にしながら診察室に入ると、もの思わしげな表情を浮かべながら主治医の方から話を切り出して来た。  

 「神戸さん、調子はどうですか…」ドクターは私の心臓が悪化している事を既に確認済みのようだった。「はい、実はあまり調子が良くなくて…」。

  診察室にはキーボードと大きめのモニターがあるだけで、カルテ等は全て電子化されており、百科事典のように分厚くなった紙のカルテは既に存在しておらず、殺風景な机の上には血液検査の結果を記した一枚の紙切れがあるだけだった。  

 「クレアチニンの値は前回に比べて下がっているので腎臓への負担は軽減しているので心配ないですが…」と説明しながら電子カルテのモニターに胸部レントゲンの画像を映し出した。

  「左が前回の心臓、右が今回のものですが、前回に比べて大きく肥大しているんですよ。」それは素人の私が見てもその違いがはっきり確認出来るほど鮮明に映し出されており、一周り大きく肥大化した心臓が痛々しかった。  

 「この心臓の状態だとかなり苦しいでしょう、心不全の症状が出ている筈ですよ」確かにドクターの言う通りだった。

  都営新宿線の岩本町駅から三井記念病院まで徒歩12、3分の距離であったが、その僅かな距離を私は一気に歩いて行く事が出来なかった。  

 激しい息切れと踊り狂う心臓の動悸に襲われ、途中で何度か道にしゃがみ込み呼吸を整えなければ先に進む事は出来なかった。

  「この状態では入院と言う事になりますが…」入院の事は全く考えていなかったので、主治医の言葉に私は動揺し、ショックを受けた。  

 「猫を飼っているので、今直ぐに入院は出来ません…」。これが4年前の6月に不安定狭心症で緊急入院した時のように一刻一秒を争う事態であれば、「猫と自分の命とどちらが大事ですか!」と一喝されるところであるが、虚血性心疾患の心筋梗塞とは違い、うっ血性心疾患の場合は命のタイムリミットに若干の余裕がある為、急性心不全の場合を除き病状の進行は緩やかであり即座に入院を要する事はないが、その代わり長い時間に渡り苦しみが持続する。

  早い段階で入院し適切な治療を受ければ回復もそれだけ早くなるが、適切な処置を施さず放置しておけば、症状が固定してしまい回復の見込みがなくなり、やがては他の臓器に悪影響を及ぼし多臓器不全で死に至る事もある。  

 どちらにしても主治医の指示に従い入院する事が最善の処置ではあるが、猫の件を理由に私は入院を断った。その代わり心不全の特効薬である『セララ』を25㎎から50㎎に増やしてもらい、暫くそれで様子を見る事にした。

  但し、薬だけに頼っていては回復の望みは薄れるので、『食事制限』『水分制限』『安静』の3点を守り入院時と同様の環境を自宅で再現するしか方法はない。それでも回復しなかった時には入院を覚悟するしかないが、その前に猫の世話をしてくれる人を見つけ出さなくてはならない。  

 ペットホテルに預けるという方法もあるが、猫の場合1泊3千円と高額であり、短期の入院ならばそれもあり得るが1ヵ月に及ぶ長期入院となれば、経済的余裕がなければとてもじゃないが利用出来ない。

  どうしても預かってくれる人が見つからなかった場合は、十分の食糧と水を与えて一旦入院し、餌が無くなった頃を見計らって外出許可を貰い、猫の様子を見に自宅へ戻るしか方法はないだろう。しかし、その分自分の回復は遅れる事になるかも知れないが仕方のない事だ。  

 病気が悪化し苦しんでいる時は集中力も欠けてブログの記事を書く事すら憚られるが、何も書かないで更新しないでいるのも辛い…。

  私に残された時間が後どの位あるのか知らないし、知りたくもないが『命のタイムリミット』は必ず訪れる。然し、その時間を延ばすも縮めるも自分の判断次第である。  

 もし入院中を除き2週間以上に渡りブログの更新がなかったり、『なう』の投稿に変化がなかった時には私の身辺に何らかの異変が起こっている可能性が高いので、その時はどなたか安否の確認をして頂ければ有難いのだが、お願い出来るだろうか。


2012年01月21日(土) 04時00分16秒 kanbe49の投稿

雪のカクテル。

テーマ:詩・小説

プールサイドの人魚姫-カクテル


雪で作ったカクテルは

実らぬ想いの味がする

恋の名残りが凍りつき

あたしの吐息が

未練を溶かす

雪のカクテル

飲み干せば

酔って振られて

雪が舞う

あたしは

破れた恋の雪だるま

流す涙で

自ら溶ける

だからお願い

雪のカクテル

もう一杯…


2012年01月17日(火) 09時27分37秒 kanbe49の投稿

プリズン・エスケープ。

テーマ:ニュース

プールサイドの人魚姫-プリズン

 刑務所や収容所を舞台とした映画は数多くあるが、それは映画を作る上で刑務所そのものがモチーフになり易い場所であるからだろう。

 古い作品では『大脱走』『アルカトラズからの脱出』『ミッドナイト・エクスプレス』などが印象深いが、割と最近の映画では、『グリーンマイル』『ショーシャンクの空に』『シャッター・アイランド』『完全なる報復』『スリーデイズ』等など数え上げたら限がないほどであるが、私的に言えば最高傑作は何と言っても1974年に公開された『パピヨン』である。

 これは実話を元にして作られており、無実の罪で終身刑となった主人公が脱走不可能と呼ばれる小さな孤島から脱獄に成功するまでの過程を描いた作品であるが、囚人である男同志の熱い友情や固い絆が観る者の心を熱く揺さぶるヒューマンドラマでもある。

 陽も射さないような独房で「ゴキブリ」や「ムカデ」さえも食べてしまうシーンでは、脱獄(生きる)の為にはあらゆる行為も惜しまない極限の執念をリアルに表現しており、そしてまた、いよいよ脱獄を決行する時の場面では、主人公扮するスティーブ・マックイーンが相棒のダスティン・ホフマンに一緒に来るよう何度も促すのであるが、相棒はその声に全く耳を傾けようとしないのである。

 ヤシの実を詰めた袋を絶壁から海へと落とし、押し寄せる波のタイミングを見計らって数十メートル下の海面へと飛び込む主人公。

 ヤシの実で作った袋が浮き輪となり、それに掴まる事に成功した主人公が絶壁から自分を見守る相棒に手を振るラストシーンでは、相棒であるダスティン・ホフマンが何度も小さく頷きながら彼を見送る哀愁漂う笑顔が涙を誘うのである。

 刑務所から脱走するというのは『リアルプリズン・ブレイク』のように海外だけの話かと思いきや、なんと広島刑務所からいとも簡単に脱走し、13日に逃亡容疑で逮捕された李国林容疑者が世間の話題をさらったばかりである。

この中国人が過去に何度も凶悪事件を犯している事実もあり、そのような男が数日間に渡り広島市民を脅かした事は刑務所内の管理・監視・初動態勢の不備が招いた結果でもあり、日本の治安を守り切れていない警察の防犯に対する姿勢そのものが問われる事件である。

 李容疑者の逃走ルートなど脱走した後の行動から察すると、脱獄そのものは計画的犯行ではなく、一か八かの場当たり的な犯行であったようであるが、彼が『怒羅権(ドラゴン)』のメンバーであり、中国マフィアとの繋がりも背景にある事など、窃盗団のリーダー的存在という立場から察するに、メンバーの一味が脱走を支援した可能性も捨て切れない。

 民家に押し入り、中国に電話を数回かけるなど本国に逃走する手助けを依頼したという情報もあり、広島県警はその割り出しも急いでいるようだ。

 事の成り行きによっては、追い詰められた李容疑者が一般市民(特に子ども)を人質に取り籠城すると言う最悪のシナリオも想定出来た訳であるが、幸運にもそれだけは回避出来た事に警察関係者は胸を撫で下ろしているのではないだろうか。

 現在の日本にはあらゆる国から外国人が訪れ滞在するようになり、国際色豊かな国になった一方で、外国人による犯罪も急増している。

 日本国内の刑務所はおそらく囚人一人ひとりの監視にも手を焼くほど満杯状態になっているのではないだろうか。

 今回の脱走劇を海外メディアがどのように扱っているかは知らないが、日本の刑務所は監視が甘いという噂が広まってしまうような事があれば、外国人による犯罪は今後益々増加の一途を辿るという危うい状況が発生する可能性は高い。

 領土の狭い国内に新たな刑務所を建てなければ対処出来ない状況も生まれて来るだろうし、広大な敷地を必要とする刑務所の建設場所が見当たらないとするならば、いっその事、大昔のような『島流し』でも復活させるか、父島や八丈島といった場所に刑務所を建てるという方法も考慮すべきではないだろうか。

 島民から見れば余り有難くない話かも知れないが、刑務所が新たな経済を生む可能性もある訳で、国に貢献するという意味では価値のある方法論と思えるのだが皆さんの考えはどうだろうか…。

2012年01月13日(金) 02時26分55秒 kanbe49の投稿

逃亡の果てに芽生えた愛の形。

テーマ:ニュース

プールサイドの人魚姫-平田

 もし、自分の愛する人物が犯罪者だったとしたら、あなたならどのような行動を取るだろうか。選択肢は大きく分けて4つある。

 1.自首するよう促す 2.一緒に逃げる(援助) 3.諦めて別れる 4.心中する これらのどれを選んだとしても間違いではない。

 『愛』にはこれと言った形があるものではなく、それらの全ての行動が必然的に『愛する』事へと結び付いているのである。

 地下鉄サリンなど一連のオウム裁判は、16年という長い時を経て189人が起訴、その内13人に死刑が宣告され事実上幕を閉じたが、事件の核心部分では依然として謎の部分も多く、その動機に至っては解明されぬままであった。

 時の流れは急流の川の如く事件そのものを風化させ、わたしたちの記憶の片隅にも留めようとはしない。置き去りにされた被害者たちの憂いと悲しみだけが時を止め、一歩も動く事はなかったかに見えた。

年明け早々に連日トップニュースで伝えられたのは、平田信(まこと)容疑者の顔顔顔…。日本中の誰もが一度は眼にしたであろう、平田容疑者指名手配のポスターも色褪せて長い年月を物語っていた。

彼の出頭により、記憶の奥深くに眠っていたあの忌まわしい事件が長い時を手繰り寄せ動き始めたのである。

 元オウム真理教幹部、平田信容疑者は目黒公証役場事務長であった仮谷清志さん監禁致死事件で、警察庁から特別手配されていた重要人物である。

 彼が逮捕された事により、一旦幕を閉じたオウム関連の捜査に再び注目が集まり、新たな事実などが判明すれば事件の全容解明に大きく前進する事もあり得るだろう。

 約17年に及ぶその逃亡生活には多くの謎があり、誰もがその一部始終に興味を抱いている。平田一人の力でそれほど長く逃げ切れる訳もなく、当然の事ながら平田の影に逃亡を手助けした人物の姿が少なからず見え隠れしていたが、先日1月10日、平田の後を追う様に大崎警察署に姿を現したのは、元教団看護師の斎藤明美(さいとうあけみ)であった。

 本名を隠し、吉川祥子(よしかわしょうこ)と言う偽名を使い続け、己自身を偽って半ば世捨て人にも似た生活を平田自身の為に捧げていたのであろう。

 「尊敬から芽生えた愛」によって斎藤自身もその呪縛に苦しんでいたに違いない。それにしても偽名で健康保険証などの公的証書が簡単に作成出来てしまうというこの国の杜撰な管理には呆れてしまったが、平田容疑者逮捕についても出頭が相手にされず警察官から門前払いを受けるなど、警察署を3件回るという「たらい回し」には開いた口が塞がらない。

 台湾人留学生殺害で指名手配されていた張容疑者の自殺についても、手錠の意味を殆ど理解していない署員の行動には疑問が残る。

 手錠は犯人逮捕に欠かせないアイテムであるが、犯人の逃走を防ぐ為だけではなく、容疑者の安全確保も含まれているのである。

 広島の刑務所では中国人受刑者が脱走し、いまだに手掛かりもなく捕まっていない…。立て続けに続く警察関係者の不祥事に前途多難な2012年が見え隠れしているのだが…。

2012年01月07日(土) 03時43分03秒 kanbe49の投稿

猫と息子と心不全…。

テーマ:心臓病

プールサイドの人魚姫-悠飛

 新年のご挨拶がすっかり遅くなってしまい、誠に申し訳ありません。改めまして、皆さま新年明けましておめでとうございます。

 1月2日に息子が新潟へ帰った後、父と子の適度な緊張感から解放され、気が緩んでしまった為か風邪を引いてしまい、それが要因となって心不全を起こし数日寝込んでおりました。

 正月早々にこのような状況になり、これからの一年もまた昨年と同様に病に悩まされる事は想像が付きます。わたしの心臓病はどんな名医の手に掛ったとしても、そしてまた現代医学の粋を集め、出来る限りの薬を使おうと治るものではありません。

 心不全と不整脈がセットとなって襲って来るし、心拍数は安静時でも100を軽く超えてしまうほどに頻脈である。

 この状態の時に『サチュレーション(SpO2)血液中に溶解している酸素量』を計ればおそらく95%を切っているだろう。当然ながらこの数値では緊急入院して然るべき治療を行わなければならず、酸素吸入が必要になってくる。

 心不全を改善する為に新しく追加された薬『セララ』は、予想以上の効果を発揮してくれたが、これもまたラシックスと同様に諸刃の剣であった。

 この『セララ』を使うに当たり主治医は腎臓への負担を考慮して、最低量の25mmを投与し一ヶ月間様子を見る事にした。

 そして昨年12月28日の循環器外来にて血液検査をしたところ、BNP(心不全の診断基準値)11月30日の時点で25.8だったのものが、19.9へと大きく改善されていた。

駅の階段を上ってもさほど息切れを感じる事がなかったのは、この薬の効果である事は理解出来たのだが、主治医が懸念していた通り、腎臓への負担が増大していた。

数値を見る前に「セララの量を増やして欲しい」と主治医に頼んでみたのだが、CREAT(クレアチニン)が前回の1.41から1.78へと増え、更にUA(尿酸値)は7.7から10.5に跳ね上がっていた。

BUN(尿素窒素)も23から26へと若干ではあるが増加。心不全は改善し、心臓も楽になり肩で息をする事もなくなって喜んでいたのだが、この腎機能の数値では薬を増やすどころか、減らさなくてはならない…。

然し一つだけ救いだったのは、K(カリウム)が4.1と前回とほぼ同じで正常の範囲に収まっていた事である。更にもう一つ付け加えるとするならば、血圧が人工弁置換術のオペを施した時から殆ど変っておらず正常値であることだった。

 セララの量は現状のまま、もう暫く様子を見る事にしたのだが、やはり普段の生活の中で最も注意しなければならないのが食事と水分摂取。

 塩分の多い外食は出来るだけ避ける事、水分は一日1リットルまで(夏場は1.5)という内容さえ守って生活してさえいれば、苦しい心不全に悩まされずに済むのであるが、『収縮性心膜炎』と言う、これまで何度か話して来たこの心臓疾患が進行性であり、完治させる唯一の方法は手術しかないと言う事。

 然し3回目の手術には大きなリスクが伴う事や、確実によくなる保障は無いという現実、そして再発する確率も高い事など総合的に判断して、手術はするべきではないという結論に達している。

 『収縮性心膜炎』の主な症状が『右心不全』である。つまり常に慢性的に心不全状態だと言う事なのである。

 食事をして胃が膨張するだけでも心臓が胃に圧迫されて苦しくなる…。お腹はまるで妊婦さんのように膨れて苦しくて仕方がない。身体中の内臓に水が溜まり浮腫んで来る。全身に血液が十分に行き渡らないから手足の指先はいつも氷のように冷たく青紫色(チアノーゼ)、まるで死人の指先である。

 当然のようにここ一年は普通に便が出たためしがない。つまり腸が浮腫んで動きが悪い事に加えて、安静が必要な為、身体を動かす事が殆ど無くなってしまった。それらが重なって重度の便秘になってしまった事。

 そして体重増加という悪循環に陥り、一年で6キロも増えてしまいそれも心臓への負担となっている。一年前の体重に戻したいのだが、1、2キロは許容範囲であるが、それ以上になると腎機能に大きく影響するので止めておいた方が良いと主治医は言う。

 マグミットなどの便秘薬は殆ど効果がなく、下剤のラキソベロンを週に2回、30滴ほど使用して漸く排便(殆ど下痢状態)となる。

 あちらを立てればこちらが立たずという医療のジレンマに陥っている。こんな病気の父親を子どもたちはどのように思っているのだろうか…。

 「ラーメンや蕎麦など麺類を食べる時スープは全部残すんだ…」と息子に話しかけると「そんなの当たり前だろ」と逆に諭すような言葉が返って来た。

 それが何とも言えず嬉しくて、子どもなりにわたしの身体の事を案じているんだなぁと、眼に見えぬ温かい『絆』を感じ取っていた。

 ところで、1月3日のアクセス数が異常なほど高かった事に驚いている。その殆どがPCからで、3247PV、アクセス解析を調べると何故か3日の21時にアクセス数2181と集中していた。原因が何なのか分らないし、検索ワードを調べても取り立てて際立っている言葉は見つからない。

 これはわたしのブログだけではなく、他の皆さんにも同じような現象が起こっていたのだろうか?何かと問題点の多いアメーバの事なのでアクセス解析もあまり当てにはしていなかったが初めて経験する事だったので気になっていた。その事についてもし情報をお持ちであれば教えて頂けると有難いです。

 とにかく、今年もこんな調子で皆さんにご迷惑をかけつつ続けて行きますので、よろしくお願い致します。

2011年12月29日(木) 00時16分17秒 kanbe49の投稿

年末のご挨拶。

テーマ:その他

プールサイドの人魚姫-年賀

 皆さま、年賀状の投函はもうお済みでしょうか。去年と違い今年は何とか緊急入院する事もなく無事に一年を終わらせる事が出来、内心ホッとしております。

 昨年の12月に心不全の為、三井記念病院へ緊急入院した事は『闘病記録2010』でお伝えした通りでしたが、結果的に退院した後もあまり予後は芳しくなく、主治医よりドクターストップがかかり、仕事も辞めて自宅静養となり現在に至っております。

 28日は今年最後の循環器外来となりましたが、年末ともなりますと、病院も普段の倍ほどの患者が押し寄せ、ロビーで座る場所を探すのも手間がかかるほどで、わたくしなんぞは見た目が健常者と殆ど変らないことと、数多くの患者の中ではまだまだ若い部類に入るので、席を探しているお年寄りがいれば、つい自分の席を立ち譲ってしまいます。

 今年一年を振り返れば、3月11日の大地震と巨大津波、そして予想だにしていなかった福島原発事故発生…。日本は戦後最大の国難に見舞われ、そのような極限とも言える事象の中から人間の善悪が垣間見える事も度々ありました。

 人は社会と同じで一つで成り立っているものではありません。お互いが助け合い、譲り合う精神を持たなければ人間社会はバランスを失い崩壊してしまうのです。

 隣の国、韓国と北朝鮮は同じ民族でありながら今もなお、その憎しみの連鎖から解き放たれる事もなく調和から程遠い道を歩み続けている…。

 双方が譲り合いの気持ちを尊重し、平和的解決の道に向け一歩ずつ歩み続けなければ負の連鎖を断ち切る事は出来ない。

 金正日総書記の死去は朝鮮半島に新たな緊張を齎すのか、それとも融和に向けた希望の兆しになるのか『賢者』か『愚者』のどちらを選ぶのだろうか。

 2012年が全ての人々にとって『賢者』であれとわたしは願う。ひとり語とはこの位にして、皆さん、今年一年当ブログを応援して頂きありがとうございました。全てのブログがそうであるように、一人ひとりの思いやりで支えられているものであり、だからこそ何年も続けて来られたのだと思います。

 3日、薬を飲まないでいると死んでしまうわたしではありますが、来年も今年同様によろしくお願い致します。29日、冬休みを利用して息子が上京して来ます。おそらくパソコンは息子に占領されてしまう可能性が高いと思いますので、コメントのお返し、記事更新が若干遅れると思いますが、ご了承のほどよろしくお願い致します。それでは皆さん「Best wishes throughout the coming year.」。

2011年12月26日(月) 12時23分40秒 kanbe49の投稿

冬枯れて…(1984年、大井町にて)。

テーマ:詩・小説

プールサイドの人魚姫-冬枯れ


西に沈む夕陽が、わたしの影を四角に作る。

外が冬だったことに、気づいてわたしは驚いていた。

わたしの部屋には、季節が訪れない。

残り少ないカレンダーだけが、冬をわざとこじつける。

くちびるを突き出して息を吐く。

それは白く色付いて、寒さに震えて凍えそう。

長い間、忘れ去られたクリスマス・ツリーが、一斉に輝き出す。

深い夜の淵に腰掛けて、嘘を数えてみたりする。

するべきことなど、何一つありもしないのに。

暗いばかりの冬空は、わたしを不安に駆り立てる。

歩いても、走っても、何処へも辿り着けない。

居心地の悪い解放感だけが、わたしを包み、

心は、不自由な暮らしへと帰りたがるばかりで。


2011年12月23日(金) 00時47分35秒 kanbe49の投稿

金正日総書記の遺言状。

テーマ:ニュース

プールサイドの人魚姫-キム

 19日、正午のNHKニュースが始まった矢先の事だった。ニュース速報のテロップが流れると同時に、アナウンサーの顔に緊張が走った。

 「たった今入ったニュースです…金正日(キム・ジョンイル)総書記が死亡しました。」TV画面が朝鮮中央テレビの映像に変わり、喪服と思われる黒い民族衣装を纏った、あの看板アナウンサーで有名な女性リ・チュンヒ氏が悲痛な面持ちで訃報を語り始めた。

 「偉大なる領導者(指導者)金正日同志が2011年12月17日(午前)8時30分に、現地指導の途中、急病により逝去されました…」。

 彼女はこれまで、キム総書記の動静など重要情報を担当していたが、10月以降、同テレビから姿を消しており、その動向がネット上等で話題に上っていた。

 この突然の訃報には、さすがのわたしも「えっ?」と思わず声を上げてしまった。訃報が流れた時点ではその死因などには一切触れておらず、世界中の誰もが耳を疑ったのではないだろうか。但し、キム総書記死去のニュースを事前に知っていた中国だけを除いてではあるが。

 その後の報道で、専用列車で移動中、急性心筋梗塞を起こし死去したとされているが、その死については多くの謎が残されたままである。

 ある報道では列車は駅に止まっており、キム総書記お気に入りのホテル内で死亡したという説や、暗殺説まで飛び交っている。

 わたし自身も『列車内での死亡』については疑問を抱いている。北朝鮮にとって、金総書記の健康管理と維持は『最優先課題』である筈。

 急性心筋梗塞が起こった場合、『へパリン』の投与が効果的であり、死亡率は20%減少し、再発する確率も30%減少する。発作時にどのような処置が施されたのか詳細は不明であり、列車内に医療従事者が常駐していたのか、十分な医療機器が揃っていたのか等、疑問点が多すぎる。

 健康不安を抱えながら、現地視察など過密スケジュールをこなす場合は、側近が常に体調の変化に眼を配らせていなければならず、僅かの変化でも見逃すような事があればそれは重大なミスに繋がり、国家の存亡に発展する可能性をも秘めている。

 北朝鮮は何が起こっても不思議ではないほど、わたしたちの想像を超越しており、世界の常識が全く通用しない唯一の国でもある。

 秘密裏に軍事クーデターが起こっていた可能性も捨て切れないし、後継者の金正恩(キム・ジョンウン)自らが一部の造反者に唆されて父親を殺した…と言うのはさすがに考え過ぎだろうか。

 安置されている金総書記の遺体が不自然であり捏造との噂も飛び交っているが、それら全てを含めて『北朝鮮』なのである。

 拉致問題を抱える日本にとって、彼の死が今後の問題解決に結び付くのか、遥か彼方に遠のくのか、現時点では全く将来像さえも見えて来ないが、政治力の弱い日本にとってはある意味でのチャンス到来とも受け取れる。

 飴と鞭を上手く使い分けて交渉に臨む、機動力のある外交政策を期待したいところではあるが、それを実現出来る政治家・政党が存在しないのが実に歯がゆい。

 それにしても中国と北朝鮮の親密な関係を今回の事で改めて思い知らされた。金正日死去がトップシークレットとしてまる二日間に亘り一切漏れて来なかった事。徹底した情報操作の裏で、朝鮮戦争の当事者である韓国でさえもが知らなかったと言うのは、日本と同様に危機管理意識の低下を浮き彫りにしたようなものである。

 金日成と金正日それぞれの遺言は北朝鮮人民全てに伝わっているかどうか、それが鮮明になるまではもう少し時間がかかる事だろう。まさか『テポドン』が飛んで来ることはないと思うが…。

2011年12月19日(月) 11時08分05秒 kanbe49の投稿

ブータンからこんにちは。

テーマ:つぶやき

プールサイドの人魚姫-ブータン

 ブータン国王が来日した時に記事にするつもりでいたのだが、タイミングを失ってしまいすっかり遅くなってしまった。

 美形で話題のブータン国王を見て、誰かに似ていると思った人は少なくない筈。そう、あの若かりし頃のアントニオ猪木に似ているのである。ブータン国王の顎がもう少し長ければ瓜二つだと苦笑してしまった。

 まあ、そんな事はユーモアと理解して頂いて、国王の来日により『国民総幸福量』なる言葉が注目され始めている。

 国民の97%が幸福だと感じているブータンと他国を比較するのは余りにも強引過ぎるし、幸福の尺度もその国々によって異なって来る。

 ブータンが提唱している幸福とは、経済的・物質的豊かさを目指すものではなく、精神的な豊かさを指し示すものである。

 ブータンに於ける宗教観、気質、慣習、文化などは、隣人との関係を重んじる深い信頼関係を築くといった人間関係重視が背景にあるように思える。

 さて、気になる日本の幸福度であるが、既に皆さんもご存じかと思うが65%だそうである。最も幸福度の高かった都道府県は福井県の70%らしい。因みに最も低かったのは大阪だったと記憶しているが、橋下さんが頑張ってくれればそこから脱出する事も可能であるだろう。

 但し、この幸福の尺度を日本全体に反映してみると、年間自殺者3万人という自殺大国日本がとても幸福だとは到底思えないのである。

 生活保護費は3兆円を超え、失業者は増大の一途を辿るばかりであり、大学生の就職内定率は依然として低い水準のままである。

更に追い打ちを掛けているのが弱者を無視した年金問題であり、公務員の特権『職域加算』を残したままの制度では国民の理解を得られる訳がない。

 政府の一方的な原発事故の収束宣言は、苦悩する福島住民を置き去りにするものであり、甚だ遺憾の極みである。

 幸福論を云々言う前にこれら数多くの問題解決や、自殺者を一人でも多く減らす眼に見える努力をして頂きたいものである。

 寒風吹き荒ぶ高層ビル群の合間を縫って、リクルートスーツに身を包む大学生の後ろ姿に悲哀を感じる今日この頃であった。

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