神様との契約。 | プールサイドの人魚姫

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うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。

 

プールサイドの人魚姫-契約

 

 

 運不運に関係なく、生きてさえいれば一年に一度必ず訪れる誕生日。それは神様と契約を交わす日である。

 

 新たな一年の始まりを神様から頂き、希望と言う証明書を発行してもらうのだ。これから始まる一年には、想像を超えるような困難や苦痛が待ち受けているかも知れないが、神は人間に乗り越えられる試練しか与えない。

 絶望の淵に追いやられ、行き場さえ失い死の闇に迷い込んだとしても、神はあなたを見捨てはしないないだろう。絶望と希望は表裏一体、あなたが自分を諦めさえしなければ、新たな道が目の前に開かれることだろう。

 これまで生きてこられたことに感謝することで、希望はあなたの前から消えることはない。

 昨日、わたしは再入院を覚悟しながら循環器外来を訪れたが、絶望感を抱いていた心は不安に打ちひしがれ、一睡も出来ないまま1月6日を迎えた。

 動悸は激しく、身体中が脈打ち歩く気力も失せていたので、三井記念病院に電話を掛け、体調が悪いので行けそうにない事を伝え、コールセンターのオペレーターに外来日の変更を伝えた。

 主治医を通さず、簡単にその場で変更出来るのだが、その日はオペレーターがどういう訳か、循環器センターに電話を回した。電話に出た看護師と数分やりとりをした。

「先生が心配しておられるので、頑張って来られませんか?」

 それはしつこいほどの説得力があった。血液検査と胸部レントゲンを済ませ、検査結果が出るのを待っていた。結果が悪ければその場で入院だったが、著しく低下していたクレアチニンの値が大きく改善されていたのだ。BUNも32から18へと正常範囲に…。

 大きく胸を撫で降ろしたのはわたしではなく、主治医の方だった。わずか一週間という短い間に何が起こったかは知らない。わたしはただ言われるままに自宅安静を守っていただけである。

 ただし、「右心不全」の症状は全て消えた訳ではない。心不全を回復させれば腎臓が壊れ、腎臓の機能を一定範囲に保てば心臓に負担がかかる。心臓と腎臓を同時に二つ救う事は、現在の医療では不可能なのである。人工透析だけは避けなくてはならないから、心不全は残したままであるが、これはわたしに与えられた試練なのだろう。

 今年一年を神はわたしに新たな試練を与えたと同時に希望を約束してくれたのだ。

 東京の空は今日も高く、青く澄み切っている。天に一礼して、さてわたしはこれから免許証の更新に行って来ます。帰ったら夜は「七草粥」でも食べましょう。