ヒール役が良く似合うジョン・トラボルタと、社会派サスペンスの雄デンゼル・ワシントンが共演した映画「サブウェイ123/激突」。
映画の内容はともかくとして、一般市民を恐怖に陥れる犯罪は全て「テロ」と言える。
先週モスクワで起こった地下鉄連続爆破テロでは、多くの民間人が犠牲となった。
朝の通勤時間帯を狙った自爆テロの背景には、ロシアが抱えるチェチェン問題がいまだに何ら解決を見ず、民族や宗教の違いが多く存在する巨大国家の混沌ぶりを浮き彫りにしている。
日本では、地下鉄サリン事件から15年が経過したが、この事件もいまだ解決していない。
首謀者の麻原彰晃(本名:松本智津夫)は死刑確定したにもかかわらず、税金で今も生きているし、実行犯数人も捕まっていない。
オウム真理教もその後「アレフ」と改称し存続している。
この現状を見た限りでは「テロに屈した国」として日本の安全は完全に崩壊しているのではないだろうか。
治安を守る警察や公安の限界、組織の縦割りによる妨害が捜査そのものを煩雑化しているように思えてならない。
運悪くテロの現場に居合わせてしまった人たちは、その後の人生が大きく狂ってしまい、癒されることのない深い傷によって安息を見出せずにいる。
被害者よりも被疑者を厚遇して弱者を見捨てるような法律に苛立ちを隠せない。
「地下鉄は恐くてもう乗れない・・・」と言うある人の呟きを聞いたことがあるが、心の保安は誰が保障してくれるのか。
眼に見える傷は隠すことで多少救われるが、見えない傷ほど厄介で救われないものはない。