内藤大助の進化論。 | プールサイドの人魚姫

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うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。


プールサイドの人魚姫-防衛


ボクシングは自分を極限の状態に追い込むスポーツだ。その中で如何に勝機を見出すかが勝敗を左右する。 

WBCフライ級タイトルマッチ内藤大助VS山口真吾の試合は、序盤から激しい打ち合いとなった。

予想では内藤選手が圧倒的に有利と思われていたが、試合というものは始まってみなければ判らない。

挑戦者、山口は序盤チャンピオンのスピードに押され気味ではあったが、中盤以降練習を積み重ねたジャブが当たり始め、そこらかの得意とする左フックを内藤の顔面めがけて打ち込んでいった。

激しい打ち合いが続き、これはノックアウトで短期に勝負が決まるだろうと思われたが、両者のスタミナは底が知れず、内藤の打たれ強さもさることながら、挑戦者のタフさもそれ以上に目立った。

チャンピオン内藤が言うように、「逃げないボクシング」を貫き、そして全てをかなぐり捨てて立ち向かう挑戦者の姿がこの試合を盛り上げ、観客を興奮の坩堝へと引き込む。

採点では内藤がリードしていたことから、試合は判定かと思われた11回、ドラマは起きた。 

初めてダウンを奪われた山口、そしてそれを見逃さないチャンピオン。

内藤が繰り出す嵐のような連打をレフリーが割って入った瞬間、内藤選手の4度目の防衛が成功した。

試合後のインタビューで終始謙虚な姿を見せるチャンピオン。

その謙虚さの中には獲物を追い詰め仕留める、豹のような鋭さがあることをボクシングファンなら見逃すことはないだろう。

年齢の壁を越えたチャンピオン、試合を重ねる度に強くそして進化する内藤選手。おめでとう。

そして挑戦者の限界を越えた頑張りに拍手を送ろうではないか。