ジャーナリストに花束を。 | プールサイドの人魚姫

プールサイドの人魚姫

うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。


銃撃 戦地に赴くのはなにも兵士に限ったことではなく、カメラを武器に紛争地域の様子を克明に伝えるジャーナリストも別な意味での兵士なのかも知れない。
危険度の高い場所に飛ばされるカメラマンたちは、その殆どがフリー或いは契約社員といった立場の者であるが、彼らは敢えてその様な誰もが避けようとする場所にカメラと共に身を投じる。
先日ミャンマーで起こった反政府デモと、それを武力で封じ込めようとする軍事政権治安部隊の様子を撮影していた日本人ジャーナリストの長井健司氏が、兵士に狙撃され死亡した事件が生々しく報道されており、そのショックが想像以上に広がっている。
兵士の独断で発砲したのか或いは軍上層部から「カメラを持っている者は撃て」という指示が出されていたのか真相の究明にまでは時間がかかりそうであるが、軍隊が政権を握っているミャンマーにとってはカメラが実に邪魔な存在であるのは確かだろう。
デモ隊の鎮圧上仕方がなかった、流れ弾に当たったなどという軍にとって最も都合のよい言い訳が既に聞こえ始めている。
銃で撃たれ倒れても尚且つカメラを放さず撮影を試みている長井氏。記憶が薄れて行く中、もしかするとカメラは壊れ回っていなかったかも知れない。死の直前まで彼のジャーナリズムは誇り高く生き続け、真実の追究と報道の在り方を我々とマスコミ関係者に命と引換えに残して行ったような気がしてならない。