女性の妊娠確率は年齢ともに減少するといわれていますが実際どの程度下がるものなのでしょう。
以下 政府等の公的な機関の調査結果ではないのですが,引用論文等が掲載されている医療機関のデータなのである程度は信用できる数値だと思われます。
1年以内に自然妊娠できる可能性
20~24歳 80%以上
25歳~29歳 80%程度
30歳~34歳 60%程度
35歳~39歳 50%程度
40歳~44歳 40%未満
45歳~49歳 5%未満
50歳以上 1%未満
これを見るとまず保健師さんとかが良く言う。「25歳ぐらいが一番良いのよ。」という発言は正しいことが分かります。
また,女子は年齢が重要という発言もあながち間違ったものではありません。
医療技術の進歩で高齢でも受胎できると勘違いしている方も多いと思いますが,
不妊治療の70%はタイミング指導です。(つまり自然妊娠)
人工授精や体外受精は自然妊娠できない何らかの問題のある人が対象であり,健康体の場合の自然妊娠率を超えることはないものと考えるべきとの説明がありました。
その人工受精も年齢で受胎率は大きく変わります。
人工授精1回での受胎率(クリニックの技術等で変わるようです。)
30歳~34歳 12.7%
35歳~39歳 9.6%
40歳~44歳 3.6%
人工授精1回のコストは約3万円程度
夫は精子をその都度用意しなければなりません。
けして楽なことではないですし,これを理由に夫婦が離婚に追い込まれることもあるのです。
体外受精1回での受胎率
自然妊娠と同じ確率
4年以内に妊娠を希望している女性が自然妊娠できる確率
30歳 91%
35歳 84%
40歳 64% となります。
次に遺伝子的な問題をもった子供のリスクについてです。
これも年齢による壁が多く立ちはだかります。
母親の年齢 20歳 ダウン症 0.06% 染色体異常 0.19%
25歳 ダウン症 0.08% 染色体異常 0.21%
30歳 ダウン症 0.11% 染色体異常 0.26%
35歳 ダウン症 0.26% 染色体異常 0.52%
40歳 ダウン症 0.94% 染色体異常 1.52%
45歳 ダウン症 3.33% 染色体異常 4.76%
48歳 ダウン症 9.09% 染色体異常 12.50%
40歳以上は飛躍的に上がります。
現実的には30歳代で出産を終えないとかなりのハイリスクになります。
最後に流産の確率です。
29歳まで 10%
30歳~34歳 12%
35歳~39歳 18%
40歳~44歳 34%
45歳以上 53%
これらを総合的に判断すれば,最初の保健師のいう25歳で出産ということがどれだけ大きな意味があるかが良く分かります。
男性もこの数字を良くご覧になって,高年齢の女性と結婚をされる際には,このようなリスクを良く認識して,結婚後にあまり無理な事を言わないようにする心がけが必要でしょう。でもこういう知識は中学までに与えておくべきな気がしますね。
例えば35歳の女性と交際を始めたとします。
1年の交際で結婚したとして
36歳から4年間がんばります。
まず妊娠できる可能性は86% ここまでに14人が脱落
妊娠しても流産してしまう可能性が18% ここまでに約30人が脱落
生まれてきた子供に異常がある可能性約2.5% ここまでのこる確率は68.76%
つまり約3人に1人は35歳から交際した場合に子供を得ることはできない可能性が高くなります。
では24歳の女性であれば
1年の交際で結婚したとして
25歳から4年間がんばります。
まず妊娠できる可能性は97% ここまでに3人が脱落
妊娠しても流産してしまう可能性が10% ここまでに約13人が脱落
生まれてきた子供に異常がある可能性約0.3% ここまでのこる確率は87.04%
つまり約10人に1人は子供を得ることができない可能性が高くなります。
こうしてみると子供を得ると言うことは大変なことなんだなーと思います。
健康な若い男女であってもできないときはできない。それが現実なんですね。
若いうちは避妊して,夫婦生活をエンジョイという選択がいかにリスキーかということも分かります。
子供のことを考えれば,女性の年齢で結婚相手を探すことを急ぐ必要性が逼迫していることもよく分かります。