人は誰しもいつかは死ぬ運命だし・・一々有名人の訃報を嘆いても仕方がないのですが・・・
俳優の梅宮辰夫さんがお亡くなりになったんですね
また昭和の名優が1人逝ってしまった感があります。
最近では梅宮アンナさんの父親・・・というイメージの方が強いのかな
そう言えば、「食いしん坊万才」にも長らくコメンテーター務めてたわな
何で今回、梅宮さんについて述べる気になったかと言えば・・・
東映映画「仁義なき戦い」シリーズにおける印象が強いからです。
三角形のマークに荒波ザブーン
チャララ~チャララ~という「仁義なき戦い」のテーマソングを思い浮かべます。
偶々新入社員時代の社員旅行で観光バスに乗ったところ・・・
行きがてら「仁義なき戦い」のビデオを強制的に観賞させられまして
それ以来、仁義なき戦いシリーズのファンとなりました
映画のロケは主に京都市街で撮られたそうですが、ほとんどが無許可のゲリラ撮影だったそう。
題材が題材だけあって警察の許可を得ることは困難だったそうです。
画面に映るエキストラの皆さんがホントに驚愕している表情に思えますが・・・
まぁ本当の抗争事件だと思い込んで警察に通報されることもあったそうですからね。
「代理戦争」と「頂上作戦」で梅宮さんは「神戸・明石組幹部 岩井信一」役として登場。
神戸・明石組は無論ながら山口組のこと。
「仁義なき戦い」のほとんどのキャラは実在の人物ですが、
岩井も実際の山口組幹部だった方がモデルのようです。
料亭で密談する菅原文太と遠藤辰雄。
こういうシチュエーションは経験したことないなぁ
渡瀬恒彦は菅原文太親分の若衆役。
赤いパッケージのたばこはポールモールですな。
学生時代に吸ったことがありますが、両切りロングサイズという風変わりなたばこでした。
セブンスター200円、ハイライト170円、ゴールデンバット90円の時代にポールモールは350円。
もう専売公社は廃止された時代ですが、洋モクには関税が掛かっていたんですね。
たばこも重要な小道具で、たばこの銘柄や喫煙の仕方でその人物の名と体を現す・・・
若いチンピラヤクザが高価な洋モク呑んで粋がっている、という事なんです。
喫茶店で密談する、加藤武、成田三樹夫、菅原文太、小林旭の面々。
怖いけどユーモラスです。
広島抗争に介入する神戸・明石組ですが・・・苦戦という構図。
小倉一郎も気弱な若いプー屋として登場。
印象に残るなぁ
面白いカット。
映画やドラマでは(舞台も)演出的にカメラ(客席)に役者全員の顔が映るようにしますが、
現実的には4人が一つの机を囲めばこのような座り方ですわな
こちらを向いてたばこを吸っている三上真一郎も最近亡くなられたなぁ
殺されたり逮捕されて退場・・・されると、1人1人に状況のテロップが流されるのも面白いね。
「半殺しは可哀想じゃけぇ、ひと思いに殺っちゃれ」は名言ですなぁ・・・
私は四国地方が長かったのですが、愛媛県の中予弁が広島弁に似ている気がします。
抗争が煮詰まってきているのに一向に立とうとしない打本(加藤)を説得(脅迫)する岩井(梅宮)の図。
皆さん、表情が絶品。
打本会のサンシタ3人組、
左から小林稔侍、岡部征純、高月忠。
当時は東映の大部屋俳優だったそうですが・・・よもや小林稔侍が芸能界の重鎮になるとはねぇ
広島抗争では明石組が支援する組織が劣勢になり、
本来なら裏方に回るべき岩井が抗争の矢面に立つ事態になる・・・
実際も山口組は広島抗争から撤退し、現在でも広島県は広域暴力団山口組の空白県となっています。
(山口組の拠点のない都道府県が広島県、沖縄県のみ・・・ってのも凄いけど。)
その山口組も現在では3つの組織に分裂して内ゲバしていますから、時代は変りました。
「仁義なき戦い」シリーズの制作から46年を経て、多くの関係者が故人となられています。
深作欣二監督がお亡くなりになったのが・・・もう17年近くも前だったとはね
映画シリーズ5作でのスター級レギュラークラスの出演者もほとんど物故。
現在でも芸能活動で活躍されているのは・・・小林旭、北大路欣也ぐらいかなぁ
田中邦衛も表舞台から去って長いからなぁ
仕方がないけど、昭和は遠くなりにけりです。
※以上、敬称は割愛しました。